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Oracle Database 19cとOracle Database 21cの初期化パラメーターを比較する

Last updated at Posted at 2021-08-15

Oracle Database 21c のオンプレミス版がダウンロードできるようになったため、Oracle Database 19c (19.12) と初期化パラメーターを比較してみました。基本的にデフォルト状態でデータベースを作成し、インスタンス名やファイルのパス等環境によって変化するパラメーターは比較対象から除いています。SQL*Plus から SYSDBA 接続を行い、SHOW PARAMETER コマンドの結果を比較しています。
 Oracle Database 19c は RU を更新すると初期化パラメーターが追加されることがあったため、Oracle Database 21c でも同じような状態になる可能性があります。

削除されたパラメーター

削除されたパラメーターは4つだけです。sec_case_sensitive_logon は Oracle Database 10g 以前のパスワードを受け付けるためのパラメーターですので不要になったということでしょう。

パラメーター名 説明
cluster_database_instances クラスタ・データベースの一部として構成されたインスタンスの数
remote_os_authent OS_AUTHENT_PREFIX パラメータ値でリモート・クライアントが認証されるか
sec_case_sensitive_logon パスワードの大文字/小文字を区別
unified_audit_sga_queue_size 統合監査用のSGAキューのサイズを指定

追加されたパラメーター

27 個の初期化パラメーターが追加されています。20c をキャンセルしたせいか、追加されたパラメーターは多めです。セキュリティ関連やブロックチェーン関連、オプティマイザに関連する初期化パラメーターが追加されています。ただしマニュアル(日本語版)マニュアル(英語版)の更新が間に合わないらしく、現時点(2021/8/15)ではいくつかの初期化パラメーターが記載されていません。また Oracle Database 20c で追加された初期化パラメーターがマニュアルから抜けていることがあります。

パラメーター名 説明 デフォルト値 備考
allow_deprecated_rpcs 非推奨のrpcsを許可する(マニュアル無) YES
auto_start_pdb_services PDBオープン時にサービスを起動?(マニュアル無) FALSE
dbnest_enable dbNestを有効(マニュアル無) NONE 20cのマニュアルには説明あり
dbnest_pdb_fs_conf PDBのdbNestファイル・システム構成ファイルを指定(マニュアル無) 20cのマニュアルには説明あり
diagnostics_control 安全でない可能性のあるデータベース診断操作を実行するユーザーを制御(マニュアル無) IGNORE 20cのマニュアルには説明あり
drcp_connection_limit DRCPの接続数制限?(マニュアル無) 0
enable_per_pdb_drcp DRCPがCDB全体に対して1つの接続プールを構成するか、PDBごとに1つ構成するかを制御 FALSE
heartbeat_batch_size ハートビート・バッチ・サイズを構成 FALSE
hybrid_read_only 用途不明(マニュアル無) FALSE
inmemory_deep_vectorization ディープ・ベクトル化フレームワークを有効化 TRUE
kafka_config_file Kafka設定ファイルのパス?(マニュアル無)
mandatory_user_profile CDBまたはPDBの必須ユーザー・プロファイルを指定
native_blockchain_features ブロックチェーン機能の有効化?(マニュアル無)
optimizer_capture_sql_quarantine SQL隔離構成の自動作成を制御 FALSE
optimizer_cross_shard_resiliency クロスシャードクエリの復元力のある実行を制御?(マニュアル無) FALSE
optimizer_use_sql_quarantine オプティマイザがSQL隔離構成を考慮するか TRUE
pkcs11_library_location (マニュアル無) PKCS#11用ライブラリのパス?(マニュアル無)
pmem_filestore データベースが自動的にマウントする永続メモリー・ファイルストア(マニュアル無) 20cのマニュアルには説明あり
read_only 書き込み操作の制御?(マニュアル無) FALSE
resource_manager_cpu_scope リソースマネージャが CPU の情報を制御する範囲?(マニュアル無) INSTANCE_ONLY
result_cache_execution_threshold PL/SQLファンクションの結果が結果キャッシュに格納されるまでに実行可能な最大回数 2
result_cache_max_temp_result キャッシュされる単一の問合せ結果が利用できるRESULT_CACHE_MAX_TEMP_SIZEの割合 5
result_cache_max_temp_size 結果キャッシュで利用できる一時表の最大量 120M
shard_queries_restricted_by_key 用途不明(マニュアル無) FALSE
tablespace_encryption_default_algorithm 表領域の暗号化時にデータベースで使用されるデフォルトのアルゴリズム AES128
tde_key_cache 透過的データ暗号化(TDE)マスター暗号化キーの共有を制御 FALSE
timezone_version_upgrade_online タイムゾーン・データをアップグレードする際に、データベースを通常モードで実行 FALSE

わかりやすい名前のパラメーターが多い一方で READ_ONLYという身もふたもない名前の初期化パラメーター(しかもマニュアルに記載なし)が増えており、検証が必要になると思われます。

デフォルト値が変更されたパラメーター

以下の表はデフォルト値の変更が確認できたパラメーターです。

パラメーター名 Oracle Database 19c Oracle Database 21c 備考
background_dump_dest {ORACLE_HOME}/rdbms/log {ORACLE_BASE_HOME}/rdbms/log
compatible 19.0.0 21.0.0
dg_broker_config_file1 {ORACLE_HOME}/dbs/dg_broker_config_file1 {ORACLE_BASE_HOME}/dbs/dr1{ORACLE_SID}.dat
dg_broker_config_file2 {ORACLE_HOME}/dbs/dg_broker_config_file2 {ORACLE_BASE_HOME}/dbs/dr2{ORACLE_SID}.dat
drcp_dedicated_opt YES NO
optimizer_features_enable 19.1.0 21.1.0
permit_92_wrap_format TRUE FALSE
result_cache_max_size 4064K 12M
spatial_vector_acceleration FALSE TRUE
spfile {ORACLE_HOME}/dbs/spfile{ORACLE_SID}.ora {ORACLE_BASE_CONFIG}/dbs/spfile{ORACLE_SID}.ora
target_pdbs 3 4 マニュアル無
use_large_pages FALSE TRUE
user_dump_dest {ORACLE_HOME}/rdbms/log {ORACLE_BASE_HOME}/rdbms/log

上記からわかる通り、デフォルトで「読み取り専用の Oracle ホーム」機能が有効になっています。これはソフトウェアがインストールされる{ORACLE_HOME}と設定ファイル群を別ディレクトリに分離する機能で、Oracle Database 18c から利用できました。Oracle Database 21c ではデフォルト設定になっているようです。

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