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エクセルで投資信託の基準価額から下落率(ドローダウン)を求める

Last updated at Posted at 2020-04-18

こんにちは、東北投信を運営しているみらいです。

今回は投資信託の下落率(ドローダウン)を求めて、その投信の過去の下落幅がどれほど大きいものなのかを検証しようというお話です。

ドローダウンとは過去のピークからどの程度下落したか、を示すものです。

ドローダウンとは、一時的に最大資産から落ち込んだ場合の下落率を表します。簡単に言うと、口座に入っている資産からどれぐらいの損失が出たか、ということです。
例えば、資産がその時点で100万あり、ドローダウンが10%の場合は一時的に資産が90万まで落ち込んだということになります。

これを使うことで、投資信託の価格推移から「価格の下落した分」だけを取り出すことができます。

以下がその下落率のグラフの一例です。

20200228b.png

上記グラフは、以下の基準価額の推移を指数化したものから、下落率だけを取り出しています。

20200228a.png

というわけで、今回は投資信託の基準価額を用いて、過去の最高値から何%値段が落ちたかを求める方法を紹介します。

計算式

ドローダウン = (1 - (当日の基準価額 ÷ 過去の最も高い基準価額)) * -100

例えば、当日の基準価額が10500で、過去の最も高い基準価額が10000だった場合、5%と求まります。しかし、0より大きい数値は必要ないので、IF関数でゼロに置き換えます。

一方、当日の基準価額が9500で、過去の最も高い基準価額が10000だった場合、下落率は-5%と求まります。

実際には、過去の最も高い基準価額を探さなければいけないため、MAX関数も併用し、以下のような形に書き換えます。

ドローダウン = IF((1 - (当日の基準価額 ÷ MAX(開始点の基準価額:当日の基準価額))) * -100 > 0, 0, (1 - (当日の基準価額 ÷ MAX(開始点の基準価額:当日の基準価額))) * -100)

あとはMIN関数を使うことで、最も大きく下落した率(マックスドローダウン)も求まります。

応用

ドローダウンの計算だけならセルに手入力だけでも求まりますが、VBAで組んでしまったほうがより便利です。

例えば、日経平均株価とダウ工業株価について、ドローダウンの継続日数とマックスドローダウンの関係を求めると以下のような図が求まります。

20200330b.png

データ出典:https://www.macrotrends.net/

これは2020年3月のベア相場がどのぐらいの期間で終了するかを想定すべく、過去の日経平均株価とダウ工業株価について下落率と最高値回復までの営業日数を求めたものです。

2020年3月のベア相場はだいたい40%ほどの下落でした。過去の同じような相場ではだいたい500営業日から1000営業日かかっていたことがわかります。

もちろん将来も同じになるとは限りませんが、全く見通しも何もないよりはマシだと思います。

実際、筆者はドローダウンや騰落率、ソルティノレシオ等、手計算で求められるけども、毎回セルに入力するのはめんどいものはすべてVBA化し、ボタン1つで求められるようにしています。

思考だけは自分の頭で行い、機械に任せられるところは任せてしまったほうが効率的だと思います。

おしまい

投資信託の商品選びはなんとなく儲けのイメージやら雰囲気やらで選ばれてしまって、下落相場でどれだけ苦しい思いをするかが置き去りにされていることが多いように感じます。

しかし、過去の相場の特徴などをあらかじめ検証しておけば、もっと堅実で強固なポートフォリオを作れるのではないか?と思うところです。

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