JDLA Deep Learning 検定とは
概要
ディープラーニングに関する知識を有し、事業活用する人材(ジェネラリスト)と、ディープラーニングを実装する人材(エンジニア)の育成を目指します。各々に必要な知識やスキルセットを定義し、資格試験を行うとともに、協会が認定した事業者がトレーニングを提供します。 各々年二回実施予定。日進月歩する技術であることから、検定・資格実施年毎に実施年号を付与する。
(JDLA 活動概要 http://www.jdla.org/business/certificate/#education)
要するに、ビジネス職向け(G)と、エンジニア向け(E)の検定があり、今回は先行してG検定が実施されました。
ビジネス職向け(G)と書きましたが、後述の通り結構マニアックな設問もあり、実務を積んでいるエンジニアでも受ける価値があると思いました。
なお、JDLA(=一般社団法人日本ディープラーニング協会)なんて耳慣れないし、検定ビジネスかよ。って感じるかもしれませんが、JDLAは、10月に発足した本領域の第一人者である松尾豊氏(東大特任准教授、人工知能学会要職)が理事長を務める協会で、(そもそも協会って要るんだけ?というのは置いといて)今後もディープラーニング領域の協会・検定としては本流となることが予想されます。
補足
G検定は、
- 受験資格:制限なし
- 試験概要:120分、100問の知識問題(多肢選択式)、オンライン実施(自宅受験)
- 受験料:12,960円(税込)/ 学生5,400円(税込)※初回限定
って感じできっと次回は半年後くらい?
E検定は
- 受験資格:JDLA認定プログラム※を修了していること
- 試験概要:会場試験(東京、大阪)、知識問題(多肢選択式)と実技試験で構成
- 出題問題:シラバスより 使用フレームワーク、ライブラリに依存しない問題を出題
- 試験日:2018年4月(予定)
- 受験料:32,400円(税込・予定)
この認定プログラムってのが何かおいくら万円すんねん。という感じがします。
この講義申し込んでるんだけど、「認定プログラム」扱いされるのかな…?松尾研が中心となって、DLの講義をオンラインにして拡大中です。12/30まで申し込みできます。https://t.co/aHT1DPxbOS
— 松尾 豊 (@ymatsuo) 2017年12月10日
設問イメージ
費用対効果どうっすか
結論、すごく良いと思います!
※ Gしか受けてないんで、Gの話です。
資格のラベリング効果(じまんできるか)
初回試験ということもあり完全に未知数…
下記の通り、ある程度しっかりした内容なので、内容を知っている人は価値感じてくれそうなんですけどね。
勉強になるか
超勉強になりました。問題はざっくりこんな感じで構成されてた記憶。
【①機械学習全般】
- SVMとか回帰とか"機械学習"モデルの特徴
- 機械学習・AIの歴史
- 産業への応用、法律、倫理
【②ニューラルネットワークあれこれ】
- モデルの特徴編(何につかうモデル?)
- モデルの実装編(ネットワーク構造は?何を評価関数にするんだっけ?)
- 参考になるモデル編(困ったらこのモデル真似したり蒸留するといいよ!)
要するに、
- 機械学習モデル全部知ってるか〜?
- ニューラルネットワークのいろんな構造とその特徴しってるか〜?
- 実世界の応用状況について、携わるなら知ってて当たり前のこと知ってるか〜?
って感じでした。
網羅的すぎて、また絶対忘れちゃうと思うんですが。
今まで独学で、必要に応じ学ぶことが多かった領域なので、脳内にインデックスを一度張りきれたことが今後プラスに働きそうだなと思っています。
詳しくはシラバス
仕事に使えるか
機械学習エンジニアの人は置いといて、そうじゃない人について言及させてください。
(プロトつくったり趣味レベルの)エンジニア観点
モデル選定や手法選択の迷いが減って生産性が上がりそうだと思いました。
また、統計や機械学習に疎く、これからその領域で頑張ろうという人には上記の通りインデックスを張る検定としておすすめできます。
ビジネス観点
それっぽい事を、それほど間違いなく言えるようになるので、分析領域における対ビジネス職コミュニケーションでマウンティング取れると思います。
もっと大事なことは、データサイエンティストや機械学習エンジニアと働くにあたって、謙虚でさえいれば、彼らのやっていることをおよそ理解し、実ビジネスを成功に導いてもらう(導く)ことができるようになるはずです。
話にも聞くし、自分もなんとなく分かるんですが、彼らって理解のある上司をツモれると結構喜ぶ気がします。
(クレンジングのしんどさとか有意性とか相関/因果問題とか、、、ベンチがアホやと野球できませんからね…)
総じて費用対効果どうっすか?(費用=デメリット編)
ちょっと高いですけど、1万円強でこのクオリティなら受ける価値あるかと!
E検定は学習時間なども含めると超高コストのように見えるので、
- ほんとに機械学習エンジニアで食っていきたい
- 機械学習エンジニアとして有名じゃないから、できるってラベルが欲しい
みたいな人じゃなければいらないんじゃないかな…
(実施後レビューを読んでみたい)
気になる!勉強法
前提
- そもそもお前受かったんか?って話なんですけど、まだ結果でてないんですよね…(年内発表) 。
心もとないですが「きっと8割以上は正答できてる人」って前提で読んでください - 実装はないけど、機械学習は実際にビジネスシーンで活用しているから好き。
- ニューラルネットワークは実装も使ったこともない
勉強時間
スキマ時間で累積15時間くらい。
きっと次回からは過去問出ると思うので、そしたら10時間くらいに短縮できるかもしれない。
参考図書
しっかり読んだほうが良い
機械学習モデルを数学わかんない人でもわかるように説明している。
ニューラルネットワーク周りの解説は弱い。
(ちなみにこの本以外は、本検定の指定参考図書です)
うまくかいつまんで読むべき
めちゃでかい本、持ち歩きにくい。
そしてめちゃ漢字多いので、あんま頭に入ってこない。
結構辛い。
でも凄い網羅的。
自分自身がニューラルネットになって、単語と単語のオントロジー構築するつもりで読むべし…
いわゆる青本。数学的な話。
高校数学以上のことは検定では求められないので(出て数問だし)、さらっと読むのが吉。
とはいえ、概念図で示される以上の理解をするには、この本読むか実装してみるかのどっちかしかなさそう。
でもこれじゃ足りないので、誰か補足して欲しいです
上記本全部記憶したとしても、ニューラルネットに関する出題全部網羅できてないような気がするんだよな…
とりあえず、過去問でたら、必ず確認することをおすすめします。
最後に
こんだけ偉そうなこと言っておいて、受かってなかったら笑う。