AWSのECSにおけるターゲットグループへの自動的なコンテナ割り振りについて、前提知識から順序立てて説明します。AWSのECSにおいてターゲットグループへのコンテナ自動割り振りが発生する仕組みについて、体系的に解説します。
前提知識:ECSとターゲットグループの基本関係性
ECSのタスクがターゲットグループに自動的に登録される現象は、「設定した覚えがない」という状況でも発生する可能性があります。これは、ECSサービスの作成時に行われるロードバランサー設定が原因です。
自動登録が発生する主要なメカニズム
1. ECSサービス作成時のロードバランサー設定
ECSサービスを作成する際、Load balancing section でApplication Load Balancerを選択し、既存のターゲットグループを指定すると、自動的にタスクがそのターゲットグループに登録される仕組みが構築されます。この設定は以下の構成要素で成り立っています:
必須設定項目:
- Container name(タスク定義で定義されたコンテナ名)
- Container port(コンテナがリッスンしているポート)
- Target group ARN(対象となるターゲットグループ)
2. ECSサービスレベルでの設定管理
ターゲットグループへの自動登録は、ECSサービス作成時に定義され管理されます。このサービス設定により、サービスの一部として作成されるホスト(タスク)が自動的にターゲットグループに割り当てられます。
3. 動作プロセスの詳細
タスクがターゲットグループに自動登録される具体的な流れは以下の通りです:
- ECSタスクの起動: 新しいECSタスクが開始されると、ECSがload_balancer設定に気づきます
- IP割り当て: Fargateの場合、タスクは独自のElastic Network Interfaceを取得
- 自動登録: ECSはサービスリンクIAMロールを使用して、タスクの作成・停止時にロードバランサーへのターゲット登録・解除を行います
- ヘルスチェック開始: ターゲットグループのヘルスチェックが実行される
ネットワークモードによる制約事項
awsvpcネットワークモード使用時の要件
awsvpcネットワークモードを使用するタスク(Fargateで必須)では、ターゲットグループのタイプを「ip」に設定する必要があります。これは、awsvpcモードのタスクがEC2インスタンスではなく、Elastic Network Interfaceに関連付けられるためです。
新しいALBへの適用方法
既存のECSサービスを新しいALBのターゲットグループに登録したい場合:
新しいロードバランサーにサービスを適用するには、新しいサービスを作成する必要があります。同じタスク定義を使用できるため、作業量は大幅に削減されます。この新しいサービスでは、新しいターゲットグループを使用します。
まとめ
ECSのターゲットグループへの自動登録は、偶然発生する現象ではなく、ECSサービス作成時のロードバランサー設定に基づく設計された動作です。この仕組みにより、コンテナのスケーリングやタスクの再作成時にも、手動介入なしで適切にトラフィックルーティングが維持されます。