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CubeSAT の電波を受信する V-Dipole アンテナを半田付け無しで作る

Last updated at Posted at 2021-03-21

はじめに

以前に V-Dipole アンテナと RTL-SDR で人工衛星の電波を受信する記事を投稿しました。この V-Dipole アンテナは中国通販 Aliexpress で購入したものでした。ホームセンターで入手できる材料と手近な工具で半田付けなしで 145MHz 帯 V-Diploe アンテナを製作する方法を考案しました。材料費はケーブルを含めて 2000円程度、工具は 100円ショップのものでも OKです。再現性も良く 137MHz の気象衛星 NOAA の電波も受信できました。私はこんなふうに設置して受信してます。
DSC_0072.JPG

材料

・平型コネクタボディ( 写真の AC コンセント、正式名称らしい)
・アルミパイプ 直径 4mm 長さ 1m
 ホームセンターで入手可能、直径 3mm のものでも良い
・アクリル板
 厚さ3mm程度、ハガキの大きさのプラスチック板であれば良い
・固定用パーツ
  針金、インシュロックなど
  L アングル金具
  ビニールテープ
・同軸ケーブル
  マスプロ電工 S4C20MA(H)-P 20m Fコネクタ付
  ケーブルが長いがこれが一番安く AMAZON で1200円程度

工具

・ペンチ(多少大きめのもの)
・ドライバ
・ドリル(キリなど穴開け用の工具)
DSC_0107.JPG

製作手順

V-DipoleDrill.jpg

上の画像のガイド用紙を原寸大(縦の長さが 100mm になるように )にプリントしてアクリル板に張り付けます。丸印がのドリル位置なので固定用針金が通る穴を開けます。
DSC_0064.JPG

長さ1m 直径 4mm のアルミパイプを半分に切ります。それぞれの片側先端 17mm を ペンチでつぶして平らにします。ぽっきり行かないように曲げしろ 16mm のところを ペンチで挟んで 60度に折り曲ます。
DSC_0066.JPG

同軸ケーブルの被覆をむいて平型コネクタボディ(ACコンセント)に接続します。
DSC_0059.JPG

平型コネクタボディ(ACコンセント)をアクリル板にワイヤーで固定します。先端をつぶして折り曲げたアルミパイプを差し込んでワイヤーで固定します。支柱取り付け用のL アングルを取り付けて完成です。
DSC_0068.JPG

固定

長期の使用ではがっちりと固定する必要がありますが、ビニルテープでぐるぐる巻きにしてももかなり強度があります。写真は 100円ショップの 50cm の物差しを使って固定したものです。インシュロックは紫外線でボロボロになりますので野外用のものを使いましょう。
V-DipoleFIX.jpg

アンテナの方向

全天がひらけたところがベストで開口部が指向性方向なので南北方向にしておくとほとんどの衛星が受かります。RSP-01 など ISS から放出された衛星に対しては、軌道傾斜角が 50° くらいですので東 50°くらいに向けておくのが良いでしょう。
アパマンでベランダ設置のときには建物の影響で特性が変わるので実際に受信して方向・高さを調整してみます。建物側に衛星があるときには受信できませんので割り切り、衛星追尾ソフトの予報で受信できる時間帯をさがします。

RTL-SDR 受信機への接続

ケーブルには Fコネクタが接続されておりますので RTL-SDR 受信機への接続は F-SMA 変換コネクタを使います。
F-SMA.jpg

製作したアンテナの特性

参考までにアンテナアナライザで測定した特性です。帯域が広いので気象衛星 NOAA の電波も受信できます。
VDPAL02.jpg

おわりに

こんな簡単なアンテナでも RTL-SDR とあわせて CubeSAT の電波を受信できます。中国の衛星 CAS4-A、B のビーコンを受信してみたところ高度 20度くらいから信号を検出することができました。
残念ながら 3月14日に ISS から放出されて人工衛星となった RSP-01 の電波は、規定のパワーが出ていないようで今のところこの V-Dipole + RTL-SDR の組み合わせでは受信できていません。

追記 2021.3.30

管制局で衛星の送信機を切替、受信できるようになりました。
20210328220252.jpg

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