課題
鉄筋コンクリートであったり周辺環境が悪い住居の場合、室内の電波時計がうまく校正できない(うちは両方っぽい)。せめて特定の部屋では校正できるようにしたい。
#作成
自分でゼロからやるも楽しいけれど、既にたくさんの方法がwebで紹介されている。今回はこの方の記事をそのまま試してみた。回路図からJJY生成スクリプトまで、丸コピーである。
Raspberry Piを使用した電波時計リピーター | ImageCanvas Annex (by Akebi)
幾つかの中でこの記事を選んだ理由は下記の2点。
- 高調波の利用ではなく目的の周波数(40kHz/60kHz)を使うため受信感度が良さそう
- 調整しなくて良いまたは少なそう(当該記事執筆までに為された努力に敬意を表する)
また、上記1. は無駄な電波を出さないために出力を抑える観点でも重要。
折角 Raspberry Pi Zero W を使うので、Zero用のユニバーサル基盤1を使って省スペースに実装してみた。配線は半田とポリエチレン線、錫メッキ線。なお、40kHzの水晶が店頭で入手できなかった事が主な理由だが、時計の校正ができれば良いので今回は60kHzに絞って作成した。
電源についてはRaspberry Pi の5Vから給電した。アンテナは電波時計用のバーアンテナが欲しかったもののすぐに入手できなかったので、とりあえず元記事通りの手巻きで作成した。
違いは小さな基盤に実装した事くらいだが、小さい事は意外と良い。
#実験
初回はICの7番端子をGNDに接続し忘れていて事故りそうだった。念のためアンテナの1次コイル側に電流計を挟んでいたため、500mAを見て即座に基盤を抜いた。RPi本体のレギュレータあたりに高負荷をかけてしまった気がする。
気を取り直して回路を見直して修正し、2回目で問題なく動作した。バーアンテナ単体だと約30cmの距離でG-Shockの受信レベルがL2(3段階中)になる程度。アンテナにAM用のループアンテナを取り付けたところ、2mくらい離れても時刻校正ができた。
###スプリアスの問題
やはりというか、アンテナも同調型では無いし何のフィルタも使っていないため高調波はがっつり出ている気がする。SDR等は持っていないため確認が難しいものの、広帯域レシーバでは整数倍の周波数でよく受信する。
動画は180kHz(3倍)で受信している様子(GIFアニメのため時間軸は実際と異なる)。基盤のLEDとレシーバの入感のタイミングが同期しているのが分かる。
残念ながら中波帯域のAM放送まで微弱なノイズが染み出る状況のため、これ以上高効率のアンテナを繋ぐのは止したほうが良さそうである 2。
#材料
手元にあったり、お店で見つからなかったものはオリジナル記事とは異なる部品を使うことになった。
- Raspberry Pi Zero W (手持ち, ピンヘッダ取り付け済)
- 水晶振動子(60kHz) 3
- Raspberry Pi Zero用ユニバーサル基板 [RoHS] UB-RPI03 (605円) 1
- パワーMOSFET(2sk4017) (89円)
- 4回路2入力NANDゲート(CD4011B) 4
- セラミックコンデンサ 15pF (11円)
- セラミックコンデンサ 30pF (11円) 5
- 抵抗 10MΩ
- 抵抗 220kΩ
- 抵抗 24kΩ (元記事通り。LEDを明るくしたければもっと低い抵抗。)
- ICソケット(14pin)
- LED
- ピンヘッダ(5pin)
- ピンソケット(5pin)
- フェライト棒φ10(mm) (303円)
#その他参考記事
Raspberry Piで電波時計の時刻合わせ | Hobby Gardens (by Benihara Hajime)
Raspberry PI で電波時計の時刻を合わせる | コメを噛め (by rerofumi)
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