こんにちは。GxPの4年目の伊藤です。
この記事はグロースエクスパートナーズ アドベントカレンダーの3日目の記事となります。
本日の記事は今年受けたスクラムマスター研修で長年の疑問が解決したことを記事にしました。
参考になればと思います。
認定スクラムマスター研修
私はチームで働くことやチーム全体で最大限の成果を出すことに関心があり、スクラムマスターを目指しておりました。個人的にもスクラムについて勉強をしていましたが、認定スクラムマスターの資格を取らないかと会社から打診をいただき、今年の7月に認定スクラムマスターを取得するためにアギレルゴ社のスクラムマスター研修を受けさせていただきました。
講師は ジェームズ コプリエンさんに担当していただきました。
昨今の状況によりzoomを使ってのオンライン研修で、会話は英語でしたが同時通訳で日本語に通訳していただいたので英語が苦手な私でも不都合なく受けることができました。
スクラムの歴史から始まり、スクラムイベントやスクラムマスターとしてのふるまいなどエクササイズも交えて研修を行い、適宜質問をする時間も取っていただいたので非常に有意義な研修を受けられました。
ポイント見積もりに対する疑問
スクラムについて個人的にも書籍やブログなどを読んだりして勉強をしていましたが、ポイント見積もりについて長年の疑問がありました。
それは 「ポイント見積もりと時間見積もりは可換ではないのか」 ということです。
時間見積もりではなく、ポイント見積もりをする理由について調べると以下のような理由が挙げられています。
- 相対見積もりの方がわかりやすい
- そもそも正確に見積もることは不可能である
- スキルや経験の違いによる見積もりの差異をなくすことができる
時間見積もりでもフィボナッチ数や、30分、1時間、2時間、半日、一日といったような相対値で算出することも可能ではないのか。スキルや経験による違いもプランニングポーカーで話し合って埋めるのであれば、時間見積もりでも同じですし、最終的に食い違うのであれば平均や最大の値にするというのも時間見積もりでもできるはずという疑問を持っていました。
また、私自身も研修を受けるまではプランニングポーカーでポイント見積もりを出すときに、「2時間は1ポイントで、このチケットは1日(8時間)くらいかかりそうだから4ポイントだな。」といったように、一度時間換算してポイントを出していました。ここがポイント見積もりの一番勘違いしていたところであり、ポイント見積もりは時間見積もりと可換ではないかと思っていたところだと思います。
なぜ時間見積もりはいけないのか
先ほどの理由により、これまで納得感がないままポイント見積もりを行っていました。そこで、研修でプランニングポーカーの説明のときに思い切ってこの長年の疑問を聞いてみました。どんな答えが返ってくるのだろうかという期待と納得できる答えをいただけるだろうかという不安がありしたが、シンプルで明快な答えをいただけました。
コプリエンさんからの回答は、チームの成長が見えなくなるからでした。
チームの成長が見えない
説明は以下の通りでした。
時間見積もりであると8時間×5日とすると40時間×チームの人数がチームのベロシティになります。これはチームがどれだけ成長しても残業をしない限りベロシティは増えません。そのため、時間見積もりでのベロシティは一定になります。
しかし、ポイント見積もりであればチームが成長し、タスクを消化するスピードが早くなればスプリントに入れられるポイントが多くなりベロシティが増加します。これによりチームの成長がわかります。
それに、本当に40時間きっちり働いているのでしょうか。確かに仕事をしている時間はあると思いますが休憩を全く挟まないですか?チームメンバーと雑談したりすることはないのでしょうか?40時間の勤務時間にはコーヒーを飲む時間も含まれます。なのに時間にして一人40時間分のタスクを入れるのはおかしいですよねと丁寧に説明して下さりました。
時間見積もりで40時間詰め込んだら40時間分働くことになり、見積もった時間以内にタスクを終わらせる必要が出てきます。しかし、ポイント見積もりではポイントの大きさとタスクが完了する時間に相関はありますが、スプリント期間内にスプリントバックログが終わればよいのです。
時間見積もりではタスクの再見積もりが必要になる
ここで再度確認になりますが、ポイント見積もりではタスクの大きさをポイントで見積もり、時間見積もりではタスクにかかる時間を見積もります。
通常リファインメントで2~3スプリント先の見積もりを行い、スプリントプランニングで次のスプリントのスプリントバックログに入れるタスクを決めます。チームが成長しそのタスクが昔の時間見積もりよりも小さくなると再見積もりが必要になります。しかし、ポイント見積もりであればポイントが表すものはタスクの大きさなので、チームが成長してもタスクの内容が変わらなければ見積もったポイントは変わることはありません。そのため、再見積もりの必要が無くなり無駄な作業が発生することがありません。
ポイント見積もりでは タスクでやることを見積もるので、タスクにどれくらいの時間がかかるのかは関係ない のです。
終わりに
時間見積もりではベロシティが変わらずチームの成長が見えないというのは非常に納得できるポイント見積もりをする理由でした。結局、私が間違えていたのは「タスクの大きさを見積もる」ところであり、今まではポイントで時間を見積もっていたのでした。
この長年の疑問を解決してくださったアギレルゴ社の認定スクラムマスター研修をしていただきありがとうございました!基礎的な内容から実践的な内容まで触れるので、初学者の方でも現場でスクラムをやっているメンバーやスクラムマスターをの立場の方でも満足できる内容の研修だったと思います。
また、スクラムマスターやりたいという意思と行動を見せて研修を受けさせてくれた弊社GxPに感謝です!
ちなみに認定スクラムマスターの資格は無事に取得できました。