manabaで小テストを受けたら成績が公開されますが、その成績公開がちょっと楽しくなるかもしれないよってお話です。
小テストの成績はだいたいこんな感じで公開されますが、ここで注目したいのは 平均 と 標準偏差 です。みなさんが大好きな 偏差値 は 平均 と 標準偏差 を使って算出できます。
偏差値の式
(偏差値) = \frac{(自分の点数) - (平均点)}{(標準偏差)} \times 10 + 50
平均点 だった場合の偏差値が 50 であることは何となく知っていると思いますが、その根拠が上記の偏差値の式です。
自分の点数 = 平均点 だった場合、偏差値の式の第一項(ややこしい分数の部分) が 0 になり、50 が残ります。
実際に計算してみる
上の、"第11回 小テスト" で25点だった場合
(偏差値) = \frac{25 - 14.1}{6.1} \times 10 + 50
って感じで計算できて、偏差値 はおよそ 67.9 になりました。優秀ですね。
別の回でも計算してみましょう。
"第9回 小テスト" で25点だった場合、上と同じように 偏差値 を計算すると、およそ 59.3 になりました。同じ満点でも偏差値が随分と変わりました。なぜこうなるかですが、平均 と 標準偏差 の違いによるものです。
偏差値はこの2つの値で計算するので当たり前っちゃ当たり前ですけど。
第9回と第11回の 平均 と 標準偏差 を観察すると、第11回は第9回と比べて 平均値が小さく、標準偏差の値が大きい ことがわかります。
平均点の低いテストで満点を取ったときの方が すごそう ってなりますよね、だいたいそんなイメージで大丈夫です。そのイメージ通り偏差値も高くなります。
標準偏差ってなに?
あまり馴染みがないかもしれない 標準偏差 ですが、標準偏差は分散と同じように ばらつきの指標 としてよく用いられる値です。分散はばらついていればいるほど値が大きくなります、その程度の認識で大丈夫です。その 分散に√をつけたものが標準偏差 です。
標準偏差 = \sqrt{分散}
ばらつきが大きい→分散が大きい→標準偏差も大きい
こんな認識で大丈夫です。
どっちがすげえの?
以上をふまえて第9回と第11回を比較してみます。
第9回
・平均点の値が大きい
→だいたいみんな点数高い
・標準偏差の値が小さい(ばらつきが小さい)
→みんな同じような点数
2つを合わせると、みんな同じような点数で、高得点であるということがわかります
第11回
・平均点の値が小さい
→だいたいみんな点数低い
・標準偏差の値が大きい(ばらつきが大きい)
→点数はバラバラ
2つを合わせると、みんなバラバラで、全体の点数は低めということがわかります
この2つの小テストで満点を取った場合、どっちの満点の方がすごく見えますか?
多分第11回の方がすごそうに見えますよね、大体そんな感じです。偏差値もそんな感じの値になります。
偏差値高い方が"すごい" のにはこんな背景がありました。
以上、偏差値を出してみようっていうお話でした。
以下、余談です。
余談:平均の偏差値が 100 の世界
あまりよくない書き方をしましたが、自分の立ち位置が平均だった場合、値が 100 になるものがあります。
みなさんご存じの IQ という数字です。
IQの式
IQ = \frac{(自分の得点) - (平均点)}{(標準偏差)} \times 15 + 100
式の形を観察すると、分数のややこしい部分 が 偏差値の式 と似ています。
IQの式 で 自分の得点 = 平均点 だった場合、値は 100 になります。
つまり、平均的な人の IQ は 100 になります。これが、平均の偏差値が 100 の世界 です。
偏差値とIQはどちらも 分数のややこしい部分 が 0 になるときが 平均 となります。
極端なことをいうと、平均の偏差値は 50 でなくともよいわけです。
偏差値の式 の +50 の部分を 0 にしてしまえば、平均の偏差値は 0 になり、平均点より高ければプラス、平均点より低ければマイナスの値になります。
なぜ平均の偏差値が 50 なのかは謎です、偉い人が適当に決めたんでしょう。
よくない書き方
あくまで 平均の偏差値 は 50 です。
見出しの 平均の偏差値が 100 の世界 というのは言葉のあやで、厳密には 平均の偏差値は 50 、平均のIQは 100 という表現が正しいのかなと思います。