この記事はQiita Engineer Festa 2023 参加記事です。
株式会社PE-BANKさんのエンジニアキャリアについてあなたの考えをシェアしよう!キャンペーンへの参加記事になります。
記事を書こうと思った背景
自分のキャリアを考えていく上で、転職という選択肢は捨てきれないものであることが実情だと思います。
そして、バブルと表現されていたエンジニアの圧倒的売り手市場も落ち着きを見せてきましたが、まだまだ人材不足の企業が多いのも事実です。
キャリア形成の選択肢としての転職という活動に対して、個人的に気をつけた方が良いな〜と感じることをまとめようと思いました。
わたしと転職活動について
私自身、これまでに3回転職をしており、求職者側の経験があります。
(1度目の転職は転職活動はしていないので、転職活動の経験は2回です。)
また、これまで新卒・中途・パートナーさんの採用活動もやってきているので、求人を出している企業側の経験もあります。
この記事で書くこと
キャリアの分岐点である 転職 というものに対して、求人側・求職者側の双方の経験を元に、転職活動で気をつけたいことについて書いてみようと思います。
両者の目線から大切だと感じることを書くため、
この記事で書かないこと
転職活動の裏技的な小手先のテクニックや、固有名詞や具体的な転職活動の仕方については書きません。
そのようなテクニックを駆使して運良く内定をもらって入社しても、お互いにとってよい転職になるとは限らないと思っているためです。
転職・採用経験者が語る転職で気をつけたいことについてのお話。
1.転職の準備・情報収集
"この転職" で実現したい希望は何かを明確にしよう
転職先を決める時、多かれ少なかれ 現状の何かを変えたい という思いが起点にあるはずです。
隣の芝は青く見えるものなので、企業選びは慎重になることをおすすめします。
あなたが変えたい現状 は、
収入ですか?企業の風土ですか?事業内容ですか?職種ですか?働き方ですか?その全てですか?
何を変えたいと考えているか、自分のなかで言語化しておくと、企業探しや企業選びの役に立つと思います。
希望条件をMustとWantに分類してみよう
冷静になれば分かることですが、求職者の望む条件と企業側が用意できる条件が完全にフィットすることはまず無いです。
キャリアの節目の転職というライフイベントの中で、 譲れない希望と妥協できる希望のラインはどこなのか? を考えておくとミスマッチを回避できる確率があがります。
転職系のサービスは複数登録しよう
転職の軸が決まったら、転職活動に進みましょう。
はじめの一歩として、転職サービスへの登録があります。
ここで注意すべきことは、複数のサービスに登録するということです。
企業側の目線で考えると、本音では採用に関する情報をできるだけ一本化して管理したいという考え方や、採用予算の関係から成果報酬以外のサービスは予算内に抑えなければ行けないという事情があります。
そういった背景もあり、 人材紹介会社数社と求人広告1サイト みたいな募集のかけ方をしている企業も多いです。
と、いうことは、求職者側で考えても、1つのサービスに絞って転職活動を行うと、本来出会えるはずだった運命の企業と出会うチャンスを失ってしまう可能性があります。
求人情報を取りこぼさないように、人材紹介や転職サイトは複数登録しておくことをおすすめします。
登録情報はできる限り細かく書いておこう
複数の転職系サービスに登録を行うと、どうしてもスカウトの連絡が増えます。
一方で、採用側もサイト上は限られた情報しか見ることができなかったりするので、少しでもキーワード(使用技術など)がひっかかれば、スカウト活動に入ります。
登録情報や希望する条件(給与・業務内容など)が詳しく書かれていないと、スカウトの段階でのミスマッチが圧倒的に増えます。
中には、しっかり希望を書いていても、全然マッチしないスカウトが来ることもありますが、 書かないよりは書いていたほうがマッチ率はあがりますので、できるだけ記載 しておくことをおすすめします。
カジュアル面談という機会を活用しよう
ここ数年で、選考前にカジュアル面談という場が設定されることが増えてきました。
公開されている限られた情報以外のお話も聞けるため、積極的に活用しましょう。
また、求職者側の注意点として「スカウト来たから話を聞きに来た」「さぁ、いろいろ話を聞かせてください」という受け身のスタンスは控えましょう。
企業側の担当者も人間です。 興味を持って話を聞いてくれないと切ないですし、逆に会話が弾むと聞ける話の幅も深さも広がります。
ポイントを抑えて面談の準備をしておこう
カジュアル面談は企業側から会社のことや採用の背景について説明を受ける流れが多いです。
企業側も自社を知ってほしいと思って丁寧な説明を心がけていますが、事前にコーポレートサイトや求人サイトを見て予備情報を得ておきましょう。
特に日程調整のタイミングなどで採用ピッチ資料や採用サイトのURLなどが添えられていたら、よく読んでおきましょう。
その採用ピッチ資料は、企業側が 伝えたい自社の話がたくさんある中で、時間をかけてできる限り絞り込み、最小限にまとめた本当にここだけは知ってほしい情報 をまとめた資料になります。
伝えたいことが詰まった資料を読んで理解を進めましょう。
聞きたいことをメモしておこう
大体30分〜1時間のカジュアル面談の最後は、 何か質問はありませんか? となります。
その際に聞きたいな〜と思うことをいくつか用意しておきましょう。
説明のなかで聞けてしまうこともありますが、より詳細を掘り下げる質問に発展させられるように準備ができているとより良いかと思います。
2.実際に選考に進む企業を選ぶとき
Mustの希望条件を満たせる企業か考え選考に進む判断をしよう
求人票、コーポレートサイト、採用サイト、採用ピッチ資料、カジュアル面談などで情報収集を進める中で、企業のことに対して理解が進むと思います。
ここで、活動前に自分で考えた 転職の軸 に照らし合わせて、Mustの希望条件を満たせそうな企業かを考えて、選考に進むかを考えましょう。
3.選考でのこと
嘘をつくのはやめよう
選考に進むと、ほぼ必ず面接があります。
面接では、企業の面接担当者から様々な質問があります。
この時、自分を必要以上に良く見せようとして嘘をつくのはやめましょう。
面接官の掘り下げた質問の中でボロがでますし、もし上手く嘘を突き通して運良く入社したとしても、お互い嫌な思いをするだけです。
場合によっては解雇されたり、 嘘の内容の程度によっては企業側から損害賠償を請求されちゃうこと もあります。
(実際に損害賠償請求が認められた判例もあります。)
ちょっとした「話を盛る」ことはご愛嬌の範囲だったりしますが、あくまでも風味付けレベルに自制しましょう。
言い換えを使い、ネガティブをネガティブのままにしないようしよう
面接の中で必ずと言っていいほど聞かれる内容として「何故、転職(退職)しようと思ったのですか?」があります。
「転職」という意思決定をするにあたって、多かれ少なかれ所属の企業に対する負の感情や課題感があることは当たり前だと思います。
そんな中で、完全に他責な表現をしてしまうのは良い印象を持たれにくいです。
「上司が理解してくれないから(転職することにしました)」
「希望の案件に入れないから(転職することにしました)」
など、ありうる転職理由ですが、これをそのまま伝えてしまうのではなく、「その状況でどういったアプローチをしたのか?」など 「自分自身がどう動いたのか?」「その結果、どうして転職という決断に至ったのか?」 を話せると良いと感じます。
自分の発言のターンの長さに注意
質問を受けて回答をする際に、詳しく伝えようとして長く喋ってしまったり、長く喋ることで話がそれてしまうことがあります。
話が長いと、面接担当者としても途中で「〇〇のあたりもう掘り下げて少し聞きたいな〜」と思ってそこが気になってしまったり、「結局、どういうことなのだろう?」と考えながら話を聞くので、伝えたい内容が伝わりきらない場合があります。
受け答えの意識としては、
- 結論を伝える
- その結論に対する補足説明を2・3点話す
ようなイメージが良いと思います。
お互いの 伝えたいこと と 知りたいこと がしっかりと解消していけるように会話のラリーを意識すると良いと思います。
まとめ
転職活動というと、そうそう頻繁に経験するものでもないため気疲れしてしまったり、不採用通知を受け取ってつらい思いをすることもあると思います。
人材紹介サービスを使用していると、大量の求人票を送られてきて内容を確認をすることがおろそかになってしまったりすることもあると思います。
そんな時も焦らず、 自身のペースでじっくり考えて納得感のある転職 につながると良いと思っています。
選考の場においても、「自分をしっかりアピールしなきゃ」と気負いすぎてしまったり、面接担当者の質問に答えを窮してしまうこともあると思います。
ただ、面接担当者は 求職者の絶対的な評価 をしているわけではありません。
自社の課題感(採用活動の背景)と求職者の経験(や意気込み)のマッチ度 を知ろうとしているだけです。
入社後のことも考え、等身大の自分で相互理解のために対話をするつもりで選考に進めると良い転職活動ができると思います。