自己紹介
私は2017年からQAチームにてモバイルゲームのテスト管理や障害削減の推進などをしております。
この記事の概要
案件Aを担当するQAメンバーで毎週ナレッジ共有会という会を開催しています。この取り組みを1年半続けてみて、メンバー全体のナレッジ把握度合いの底上げや、テスト設計精度向上などの効果を感じられるようになってきたので、取り組みの概要やこれまでに扱ってきたテーマと合わせて書きたいと思います。今後ナレッジ共有を行っていきたいという方の参考になれば幸いです。
ナレッジ共有会とは
概要
案件AのQAメンバーで行っているナレッジ共有会の概要です
項目 | 説明 |
---|---|
参加者 | 案件Aを担当するQAメンバー5名 |
役割分担 | 司会、書記、扱うナレッジの有識者(挙手性) |
頻度 | 週1回、1回あたり30分間 |
形式 | Zoom |
会の流れ | 司会がナレッジにあたる資料を読み、それに対して有識者がそのナレッジが生まれた経緯や意味合いを補足。不明点があれば各自質問。書記が対話内容を記録。 |
過去に扱ってきたテーマ
QAにかかわるテーマであればとくに制限は設けていません
例
- 案件Aのデッキや強化、バトルまわりの仕様の共有
- コーチングにおけるポイントの共有
- QCDとは何か、意識すべきことの共有
- 案件Aの各種イベントに共通するテスト項目の読み合わせ
- テスト設計時に参照するテスト観点の読み合わせ
テーマ決めの流れ
- Slackで扱いたいテーマを募集(共有したい、聞きたい、どちらもOK)
- ある程度集まったらZoomをつなぎ全員で投票
- 一番票数の多いテーマを次回テーマとする
案 | Aさん | Bさん | Cさん | Dさん | Eさん | 投票数 |
---|---|---|---|---|---|---|
ガチャテストケースの読み合せ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 5 |
回帰チェック項目の手順の読み合わせ。どこを見るために何が必要なのか、どうやったら確認できるかをテスター視点で見てみる | 〇 | 〇 | 2 | |||
各マスタの説明。検証時に使えそうなものや○○の機能はどのマスタを参照しているか気になる | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 4 | |
Excelやスプレッドシートで使える便利な小技を知りたい | 0 |
やってみてよかったこと
1. メンバー間でナレッジの把握度合いを底上げできた
- 担当案件における全ての仕様やテスト観点、意識すべきことまでを完璧に把握することは経験が短ければ短いほど難しいかと思いますが、それをそのままにせず少しずつでも着実に底上げすることができます
- メンバーの入れ替わり直後はもちろん、メンバー間で経験値の差がある際にも有効です
2. ナレッジの見直しも行えるためより有効なものにアップデートできた
- とくにテスト項目やテスト観点の読み合わせをしていると、見直した方がよい観点や、より効率的にできる項目などが見えてきました
- 既存のテスト観点だけどよく見るとかなり局所的な観点になっていたので、類似不具合まで拾える観点に微修正を加える
- テスト観点の読み合せをしているといつそのテスト観点を使用するかが不明瞭なものがあることに気づき、全体的にトリガーを補完する
- 既存のテスト項目だが、検証時の効率性を考えると進めづらい順番になっていたので、全体的に項目の順番を入れ替える など
- 定期的にチームメンバー全員で見直しを行うことで直近起きた問題の対策も踏まえることができたり、当時気づかなかったような不備や過不足に気づくことができます
- チームメンバー全員で見るので個人間のやり方の差異が生じていた時などに気づくきっかけにもなります
開催にあたって工夫したこと
1. 役割を分担し、なるべく聞いているだけにならないようにする
話し手と聞き手という構図になると、聞き手は聞くに徹してしまい、議論や質問につながりづらいので、司会役や書記役を設け、できるだけみんなが参加できるようにしています
2. できるだけリスケになりづらい日に設定する
ただでさえ優先度的には低く、他優先すべきタスクがある時はリスケやスキップになりがちな会なので、比較的定例会が少ない曜日にカレンダーを設定しています
さいごに
- 今までもナレッジの共有は意識的にやってはきましたが、どちらかというと1のメリットのためにやっていたところが強かったように思います
- ただより普段の実務で触れやすいナレッジを扱ってきて、新たに2のメリットがあるということに気づき今後も続けたいとより思うようになりました、今や実施しない期間があると少し不安に感じます
- あまり労力をかけず取り組めると思いますので、ナレッジ共有の方法を新しく始めたい、また模索しているという方の参考になれば幸いです