前提
Ubuntu Serverにデスクトップ環境をインストールすることは可能。
Ubuntu Serverをインストールした後、以下のコマンドを順に実行すればUbuntu Desktopを使用できるようになる。
sudo apt update
sudo apt upgrade
sudo apt install ubuntu-desktop
Ubuntu Serverにubuntu-desktopをインストールした場合のイメージ
イメージとしては「Ubuntu Server」+「デスクトップ環境」。
ここでいう「デスクトップ環境」とは「GNOMEデスクトップ環境をベースとしたコンポーネント」のことを指す。具体的には以下が追加される。
GNOME Shell
GNOMEデスクトップのユーザーインターフェース(UI)を提供する。これは、デスクトップ上のアプリケーションランチャー、ウィンドウマネージャー、タスクバーなどの要素を含む。
Nautilus
GNOMEのデフォルトファイルマネージャーで、ファイルやフォルダーの管理を担当する。
GNOME Terminal
コマンドラインアクセスを提供するターミナルエミュレータ。
GNOMEアプリケーション
メールクライアント(Evolution)、ウェブブラウザ(GNOME WebまたはFirefox)、テキストエディタ(GNOME Text Editor)、カレンダー(GNOME Calendar)など。
GNOMEコントロールセンター
システムの設定を管理するためのユーザーインターフェース。
実際に環境構築したところ、IPアドレスを設定する画面が「GNOMEコントロールセンター」になかった。netplan
コマンドで設定する必要がある。手動でIPアドレスを設定しようとすると構文エラーの修正が大変なため、できることならUbuntu Serverインストール時のネットワーク設定画面で設定しておきたい。
GNOMEソフトウェアセンター
ソフトウェアのインストールと管理を行うためのGUIツール。
実際に構築してみたところ、こちらはインストールされていなかった。別途コマンドを実行する必要がある。また、GUI上からはアプリがインストールされない事象が見られた。アプリをインストールする際に別途コマンドを実行する必要がある。
sudo apt install ubuntu-software
Ubuntu Desktopをクリーンインストールした場合の違い
Ubuntu ServerにUbuntu Desktopをインストールした場合、Ubuntu Desktopをクリーンインストールした場合と比較し、以下のような違いがある。
サーバーコンポーネント
インストール時にUbuntu Serverがベースとなり、サーバーコンポーネントが含まれています。これには、サーバー用途に最適化されたカーネルとパッケージが含まれる。
デスクトップ環境の追加
デスクトップ環境は、Ubuntu Serverに追加され、デスクトップ環境を利用できるようになる。しかし、システムはサーバーカーネルを使用し、一部のサーバー設定(SSHサーバー、ネットワーキング関連の設定、サーバーアプリケーション、サーバーグループなど)が残る。
サーバーソフトウェア
サーバーソフトウェア(Webサーバー、データベースサーバー、ファイルサーバーなど)がすでにインストールされている場合がある。これらは通常、クリーンなデスクトップインストールには含まれない。
メモリリソース
サーバーコンポーネントがインストールされているため、デフォルトでメモリを消費しやすい。クリーンなデスクトップインストールよりもメモリを必要とする。通常のUbuntu Serverは少なくとも512 MBから1 GBのメモリが必要ですが、デスクトップ環境を追加した場合、最低でも1.5 GBから3 GBのメモリが必要となることがある。
まとめ
Ubuntu Serverにubuntu-desktopをインストールした場合、クリーンインストールしたUbuntu Desktopではできていたアプリのインストールやネットワークの設定などができないことがあり結局Ubuntu Server同様にCUI操作をしないといけないということが多々ある。相乗りするよりUbuntu Serverを利用するならUbuntu Serverを利用する!Ubuntu Desktopを利用するならUbuntu Desktopを利用する!と決めておいた方が操作に困らないかもしれない。