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[Delphi] Android のダークモードに対応する方法

Last updated at Posted at 2023-11-30

Delphi はダークモードに対応していない

Delphi はスタイルで見た目をコントロールしているので、ダーク系のスタイルにすればダークモードになるよ、などと一部の記事に書いてありますが、それは残念ながら嘘です。
スタイルでダーク系の色になるのと、ダークモードの対応は全く別の話です。

↓下記の画像はダークモードが有効な端末でダーク系のスタイルにした所です。
ナビゲーションバーが白背景になっています。

image.png

↓これはデフォルトのカメラのナビゲーションバーです
ちゃんとダークモードの色(黒背景)になっています。

image.png

テーマ

Android ではアプリケーション全体の色調をテーマで指定します。
具体的には styles.xml で↓下のように指定します(parent(継承元)に Android の規定のテーマを指定)。

<style name="AppTheme" parent="@android:style/Theme.Material.Light.NoActionBar">

なお、上記の XML は Delphi が生成したものです。
parent に思いっきり Light が付いているテーマが書いてあります。
これはライトモード用の背景です。
OMG!

生成される styles.xml のテーマを指定できるようになっていれば良いのですが、これを制御する方法は無いようでした(TitleBar の有無だけ指定できます。知っている方が居たら教えてください)。

Delphi でダークモードを指定する

上記の styles.xml ですが実際には下記の3ファイルが生成されます。

  • styles.xml
  • styles-v21.xml
  • styles-v31.xml

Android のバージョンに応じて、このどれかが使われます。
v21, v31 は上記の Light テーマが使われる設定になっているので、これらが使われるとナビゲーションバーが白くなってしまいます。

かといって、styles.xml はビルド時に上書きで自動生成されるため、中身を変えるのは面倒です。
そこで、styles.xml を使わず強制的にテーマを指定してしまうのが最も簡単です。
AndroidManifest.template.xml の中身を書き換えます。

    <application
        中略
        android:theme="%theme%" ←これを
        中略
    <application
        中略
        android:theme="@android:style/Theme.NoTitleBar" ←こう!
        中略

このように色指定の無いテーマを直接指定してしまえば、自動的にシステムの色でナビゲーションバーが表示されます。

image.png

背景色と合致していませんが、これで一応は言い訳が立ちます。

もっとちゃんとやる

背景色と合致してないのかっっこ悪い。
そこで、先ほど面倒と言った事をやります。

まず styles-v31.xml をプロジェクトと同じ場所に作ります。
中身は以下の通りです。

styles-v31.xml
<resources xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android">
    <!-- Theme.Material テーマはダークモードのテーマ -->
    <style name="AppTheme" parent="@android:style/Theme.Material.NoActionBar">
        <!-- 色指定 -->
        <item name="android:navigationBarColor">ここに色を指定</item>
        <item name="android:navigationBarDividerColor">ここに色を指定</item>
        <item name="android:statusBarColor">ここに色を指定</item>
        <item name="android:windowDrawsSystemBarBackgrounds">true</item>
        <!-- ここから下はオリジナル -->
        <item name="android:windowBackground">@color/splash_background</item>
        <item name="android:windowClipToOutline">false</item>
        <!-- API 31+ specific attributes -->
        <item name="android:windowSplashScreenBackground">@color/splash_background</item>
        <item name="android:windowSplashScreenAnimatedIcon">@drawable/splash_vector</item>
        <item name="android:windowSplashScreenIconBackgroundColor">@color/splash_background</item>
    </style>
</resources>

「ここに色を指定」と書いてある場所(3箇所)は #ffffff という16進数表記や colors.xml の @color で指定します。

色指定について簡単に解説すると下のようになります。

Item 名 意味
navigationBarColor ナビゲーションバーの背景色
navigationBarDividerColor ナビゲーションバーの境界線の色
statusBarColor ステータスバーの背景色

今回はスタイルの背景色と同じ #3c3c3c としました。

この styles-v31.xml を配置マネージャを使ってアプリケーションに含ませます。
配置マネージャを開くと↓このようにデフォルトの styles-v31.xml が登録されているので、これを自作の styles-v31.xml に変更します。

image.png

  1. 自作の styles-v31.xml を配置マネージャに追加します
  2. 元の styles-v31.xml のチェックを外します。
  3. 自作の styles-v31.xml の情報を以下のように変更します。
    リモートパス: res\value-v31\
    リモート名: styles.xml
    設定し終わった画面が下図になります。

image.png

必要であれば styles-v21.xml も同じように指定してください。

これで、ビルドすると styles-v31.xml が上書きされて背景色がそろったキレイな表示になります…が…

image.png

↓下のように線がきえない事もあります!(NavigationBarDivider の色がおかしい)

image.png

Android が自動的に scrim と呼ばれる半透明の帯を被せてくる場合があるためです。
scrim をかけてくるかどうかは、NavigationBar の色によります(ユーザーから見てナビゲーションボタンが見えないとシステムが判断すると scrim をかけてきます)。
scrim を勝手にかけないフラグなどがあるのですが、上手く行きませんでした。
(目では解りづらいですがナビゲーションバーの色も暗くなっています)

いっそのこと、↓こんな風に線に色をつけてしまうのもありかもしれません。

image.png

なお、線の色として #00ffff を指定したのですが、scrim のせいで表示された色は #75fbfd になっていました。

ちなみに、ナビゲーションバーは透過させることができるので、それを使うと NavigationBarDivider は表示されなくなり、この問題は発生しません。
ですが、ナビゲーションバーの裏側までアプリが潜り込むので Margins などを使ってナビゲーションバーに被らないようにしないといけません。

まとめ

楽にやる方法

AndroidManifest.template.xml の android:theme"@android:style/Theme.NoTitleBar" に書き換える。

ちゃんとやる方法

自前の styles-v31.xml (必要であれば styles-v21.xml も)を用意して配置マネージャで置き換える。
線が表示されてしまう場合は、思い切って線に色を付けちゃう。

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