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【転職体験記】医療機器メーカーの導入SEという仕事について

Last updated at Posted at 2024-07-17

はじめに

転職体験記では、私は23で就職してから7年間で3つの会社を経験してきました。その中で気づいたことをつらつらと書いていきます。
今回はその一社目、日系の医療機器メーカーの導入SEです。私はその中でもPACSというシステムの導入を担当していました。
その時のことを色々書いていきます。
PACSというとFujifilm、コニカ、GE、PSPあたりがメジャーですね。どこかはご想像にお任せします。

ワークスタイル

お盆、GW、年末年始は基本仕事

医療業界で仕事をする以上、外来診療のない日にシステムの導入をするのが基本です。そのため、大型連休は基本的にはありませんでした。会社としてはズラして取るのを推奨されてましたが、システム稼働前後は何かと色々あるので、、、

出張が多い

エリアや会社にもよりますが、私の場合は3県跨いで担当していたのもあり月の半分は出張してました。

残業時間は45h以上

出張や休日出勤が多い分、残業時間も増えます。私の場合、毎月の平均は60h程度です。多い月は100hを超えることもしばしば。特に残業時間に個人差はなく、組織全体でそんな感じでした。

給与

基本給は安い

医療業界という目線では標準、IT企業のSEという目線では低めの給与になってます。

残業代、ボーナスは多め

残業多い部分、残業代はとてもたくさんもらいました。給与より残業代のほうが多いこともありました。ボーナスも売上に左右されますが、とてもたくさんもらえました。

使用する技術分野

マネージメント

私の時は、一年目からサーバーの導入計画の作成が求められました。ただし、ここではあくまで、医療系システム導入のPLPMとしての技術だということはお忘れなく。

サーバー設計

当時、基本的に院内のシステムは物理サーバーでした。なので、以下のような設計が多かったです。

  • サーバーラックの設計・設置
  • 電源設計
  • 物理スイッチの設計・設定

OS、MWの設計設定

サーバー導入するMWやOSを決めて、物理サーバーが現地に届いたら、それらをインストールしたり設定していくのもSEの仕事です。

  • OSの設計・設定(ADやポリシー、FW、BIOS等)
  • MW(Oracle、IIS等)の設計・設定

データベース操作技術(SQL)

医療系システムの移行などにおいては何万件というデータの突き合わせをしたり、値を変えたりという作業が多いです。その中で、巧みなSQLを扱います。

低レイヤーのネットワーク知識

院内にはたくさんの物理NW機器や物理サーバーがあります。大体の課題は、ネットワーク系のトラブルです。Pingやtraceroutを飛ばしてひたすらトラブルシューティングしたり、WireSharkで通信をキャプチャして分析したりは日常茶飯事でした。

自社製品の知識

医療業界では基本的に法的な認可のおりている製品しか販売できないため、SI開発というのがなく原則パッケージを導入し、法に触れない範囲でカスタマイズしていきます。そのため、自社のパッケージ製品の知識もとても必要となります。

業界独自の知見

病院内の業務や業界独自の通信規格もよく理解しておく必要がありました。DICOMの何番の値がCTの向きを示すだとか、このオーダーはHL7で電子カルテから連携されてるとか、このピクセルサイズのマンモグラフィの容量はいくらだとかで色々使います。

  • DICOM規格の知見
  • HL7規格の知見
  • 病院内業務とシステムの知見
  • 医療機器の知見
  • レントゲンやCT、MRの見方

キャリアパス

出世頭は営業

私のいた会社では、SEでの出世は事実上厳しく感じました。パッケージ導入の会社という性質上、出世は数字で成績が出る営業が優位でした。SEは安定稼働できて当たり前で、評価基準も定量的なものは少なかったです。
事実、その後に転職した会社と比較して、敏腕な営業マンが多いように思いました。

目指すはPM

導入SEとして、一番多いキャリアパスはPMでした。技術よりもマネージメントの勉強をして目指していく感じです。

開発チームもある

開発チームもありました。その中での出世の道はせいぜい開発部長ぐらいで特にその先はありません。

IT営業という道も

導入SEと言ってもプリセールスのような業務も多かったです。IT営業としてプリセールスを中心にするチームもあり、SEからそういった道へ駒を進める社員もいました。どんどん進んでいきたいならこれが一番いいかも。

業界事情

お医者様は神

私の時代はお客様の中でも、特にお医者様は抗えぬ存在でした。プロ意識の強い方が多いので、こちらもシステムのプロとして対応することを求められます。
無茶な要望は他の業界と比較して多くありました。多くの人がストレスになりやすい要素となります。

システム障害は即人命に関わる

医療業界のシステムは一つのシステム障害がすぐに人命にかかわります。想像してみてください、カテーテルを入れるような手術中に急に画像が見れなくなったりしたら、大惨事ですよね。実際にそんな事故も何度か見聞きしました。日々そんなプレッシャーと隣り合わせです。

社外の人付き合い

私の会社では看護師さんとは接点なく仲良くなることはなかったですが、検査技師や放射線技師の方と仲良くなったり飲みに行くことは多かったです。実際に、医療従事者と結婚している先輩社員もいました。

あとがき

私は仕事スタイルが肌に合わず、転職をしてしまいましたが皆さんはどうでしょうか。
興味のある方はお声掛けいただければいろいろと実情をお伝えすることはできます。

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