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ユーザー系SIとして大企業のDX推進支援から超上流の支援をした話

Last updated at Posted at 2024-09-05

はじめに

私は前職で、製造会社のユーザー系IT企業にいる時にDX推進と超上流工程の支援をして欲しいとざっくりな依頼を頂き、奔走した時期がありました。正直、超上流工程って何??って感じではありましたが、結果としてはいくつかの施策を打ち出して、SI開発の受注へつながりました。
同じような境遇の方がたくさんおられると思いますので、1ケースとして参考になればと思います。

目次

1.現状と課題を知る
2.課題を深堀して課題解決の施策を立案する
3.予算を取得する
4.施策を実行する

前提

今回のターゲットはざっくり以下が前提です

  • 製造業界
  • 大企業
  • 全国、世界中に支店や工場を持つ
  • IT導入には積極的な姿勢
  • トップダウンな体系
  • (私から)直接の顧客はDX系の部門

1.現状と課題を知る

今回はざっくりとしたオーダーだったので、以下の2軸で現状調査を行いました。

  • 現状の確認
  • 課題洗い出し

1.1.現状の確認

まずは現行利用しているIT製品を棚卸、分類分けしました。
分類は工程や目的、利用部門の範囲で行いました。

上記リストを元にDX推進指標を活用して着手できていない課題の洗い出しをしました。DX推進指標については以下記事が参考になります。
MS LearnDX推進指標とは?これを読めばわかる!目的や活用方法、ポイントなどを徹底解説

1.2.課題の洗い出し

並行で現行の課題洗い出しをしました。ここは顧客のDX推進室のメンバーとワイガヤ形式でMiroボードを使用して進めていきました。
流れは以下のような感じです。

  1. 課題をざっくばらんに洗い出す(個人ワーク)
  2. 各課題を分類してまとめられるものはまとめる(グループワーク)
  3. まとめたものを元にロジックツリーを使用して深堀(グループワーク)
  4. ロジックツリーをみんなにレビューしてもらって、議論を広げる(グループワーク)
  5. ここまでの内容をまとめてレポートを出す

1.2.1.ロジックツリーの作成方法

「3.まとめたものを元にロジックツリーを使用して深堀(グループワーク)」は発散しすぎると次に進めなくなります。限られたリソースの中で結果を出すためにもここの工程は出来るだけ少人数で進めましょう。次の工程でロジックツリーはみんなにレビューしてもらいます。

ロジックツリーの作成方法については以下書籍が勉強になります。
Amazon | 問題解決プロフェッショナル

1.3ここまでの内容をレポートする

もし大企業に所属しているのであれば、引き続きリソースを会社に出してもらう必要があります。ここまでのプロセス、議論の内容、ロジックツリーをPowerPointにまとめて顧客の重要な人間へレポートとして報告するようにしましょう。

DX推進や超上流工程はお金を出す権限を持っているメンバーを以下に巻き込んで進めていくかが極めて重要です

2.課題を深堀して課題解決の施策を立案する

2.1.課題を深堀して原因分析を行う

深堀して出てきた課題をさらに深堀(分析)していきましょう。
私はここでは、マッキンゼーの7S分析を使用して進めました。
マッキンゼーの7Sとは? 導入効果やフレームワークを簡単に

2.1.1.現場の声を聴く

この原因分析の工程では、極力現場のメンバーを交えて話をするようにしましょう。実際の課題は現場のメンバーが一番よく知っています。
私も工場への視察や全国の工場メンバーとリモート会議を重ねて進めていきました。

2.1.2.アンケートで地固めをする

不特定多数のメンバーの意見を聞くダメにアンケートを出すこと考えられます。ただし、アンケートは質問数が多かったり、何本も出しすぎたりするとしっかりとしたフィードバックが得にくくなる諸刃の剣でもあります。極力、直接話を聞くことを中心に進めていきましょう。

2.2課題解決の施策を立案する

ここまで来たら、取るべき施策は自然と見えてきているはずです。
上記の分析結果を元に、施策を立案していきましょう。

2.2.1.評価指標(KPI)を決めておく

出てきた施策に対してどういった指標で、評価ができるか顧客目線で評価軸を決めておくことが求められます。

3.予算を取得する

ここまで出来たら、予算を取りに行きましょう。
ここまでの工程の中で、予算決定権を持つメンバーとのコミュニケーションが十分であればこの工程はスムーズに進むと思います。
稟議の回付は社員にしかできないですが、以下のような作成物を支援することで稟議をスムーズに進めるお手伝いができます。

  • RPFを作成する
  • (システム導入の場合は)ベンダー比較を行い対照表を作成する

3.1.RFPを作成する

この先、活用するベンダーやサードパティを決定していきます。
そのためにここまでの内容をまとめるためにRFPの作成をしましょう。
予算の稟議を回すためにもRFPがあればよい立ち回りをできるはずです。
役員への説明にRFPを使用するのもいいでしょう。

3.2.(システム導入の場合は)ベンダーを決める

ITシステムの導入案件であれば、RPFをベンダーへ提出して見積もりを取得します。また、ベンダーごとでできる事できないこともあるので、そこはしっかりとまとめて行きましょう。ここで対照表を作成してベンダー比較をして、稟議の添付資料に入れておくのもお勧めです。

また、SaaSのシステムを使用するのであれば、事前にPoCができないか検討をしてみましょう。

4.施策を実行する

予算が出てGOサインが出たら、施策を進めていきましょう。
進める時の流れは以下です。実施結果の評価は前ステップで作成した「評価指標(KPI)」を使用しましょう

  1. PoCを実施する
  2. 実施結果評価をする
  3. 本稼働する
  4. 状況を繰り返し評価する(3か月に1度)

この工程で最も重要なのは、評価を繰り返す実施していくことです。
この評価については力技ではなく、できる限り省力でできるように仕組みを作ることが大事です。アクセス数やログイン率等の定量的にモニターできるような指標がKPIに含まれるのであれば、ダッシュボードを作成してみるのも手かもしれません。

終わりに

私のケースですが、こんな感じで進めていきました。
皆様のお役に立てれば幸いです。
もし、疑問点や他にも良いアイデアがあればコメントいただけると幸いです。

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