基本情報技術者試験の分野「信頼性設計」についてご紹介いたします。
システムの信頼性を向上させる手法には、次のようなものがあります。
フォールトアボイダンス
構成要素の信頼性を高め、故障そのものを回避する設計。
フォールト(故障) を アボイダンス(回避) するという意味である。
なるべく障害や故障を発生させないようにする考え方です。
例:10万回押しても壊れないボタン
水に濡れても壊れないスマホ
雷による超高圧電力で壊れない電源
フォールトトレランス
構成要素を冗長化して、故障が発生しても必要な機能は維持する設計。
フォールト(故障) を トレランス(許容) するという意味である。
「故障しても耐える」という考え方がフォールトトレランスです。
例:惑星探査機が4基のエンジンを搭載しているが、推進に必要なのが3基だけなので、1基が故障しても他のものを使うことができる。
フェールセーフ
システムの一部が故障しても、危険が生じないような構造や仕組みを導入する設計。
製品やシステムに故障あるいはエラーが発生しても 安全(セーフ) が維持できるように工夫することです。つまり、ミスやエラーが発生しても、安全側に向かうような工夫です。
例:異常を検知した列車が自動的に緊急停止する。
信号機が異常検知して、全ての信号機が赤になる。
医療機器を誤った使用法で操作しようとした場合に自動的に機能を停止する。
フェールソフト
故障が発生した場合、一部のサービスレベルを低下させても運転を継続させる設計。
故障した場合システムを部分的に停止させることで縮退運転を行う、 継続重視の考えである。
例:飛行機のエンジンで片方が故障しても、片方のエンジンで動かす。
ブログの運用で使っているサーバーが停止時、表示速度が落ちるが表示ができる。
フールプルーフ
人が誤った操作や取扱いができないような構造や仕組みをシステムに組み込む設計。
「人がミスをしようとしてもできないようにする工夫」のことです。
フールとは「愚者」 、プルーフは「耐える」 という意味があります。
例:洗濯機や電事レンジは扉の開いた状態では操作することができない。
手を挟まないように両手で押さないと作動しないようになっている工作機械。
同じ色の差込口に挿すようになっている三色の映像ケーブル端子。