基本情報技術者試験の分野「システムの信頼性評価」についてご紹介いたします。
システムの評価特性
システムの評価特性には、Reliability(信頼性)、Availability(可用性)、Serviceability(保守性)、Integrity(保全性)、Security(機密性)があり、頭文字をとってRASISという。
名前 | 説明 |
---|---|
信頼性 | 故障や障害の発生しにくさ、安定性を表します。 |
可用性 | 稼働している割合の多さ、稼働率を表します。 |
保守性 | 障害時のメンテナンスのしやすさ、復旧の速さを表します。。 |
保全性 | 情報の一貫性を確保する。障害時や過負荷時におけるデータの書き換えや不整合、消失の起こりにくさを表します。 |
機密性 | 情報漏えいや不正侵入などの起こりにくさを表します。 |
RASISときたら、信頼性・可用性・保守性・保全性・安全性
システムの評価指標
MTBF
平均故障間隔(MTBF:Mean Time Between Failure)※Between(間)、Failure(失敗)
システムが故障してから次に故障するまでの平均時間の間隔のこと。
平均故障間隔の値が大きいほど、信頼性が高いシステムといえる。
MTTR
平均修理時間(MTTR:Mean Time To Repair)※Repair(修理)
システムが故障してから修理に要する平均時間。
平均修理時間の値が小さいほど保守性が高いシステムといえる。
稼働率
システムが正常に動作してる時間の割合。
全稼働時間を「MTBF+MTTR」とし、全稼働時間のうち正常に稼働した時間(MTBF)の割合を稼働率として求めます。
複数システムの稼働率
直列システムの稼働率
・直列システム:全ての装置が稼働している場合のみ、システムが稼働
直列システムの稼働率=稼働率A×稼働率B
並列システムの稼働率
・並列システム:ひとつの装置が稼働していれば、システムが稼働
並列システムの稼働率=1-(1-稼働率A)×(1-稼働率B)
例題
※一方が正常に動作すればよいとき(並列システム)
2台とも正常に動作しなければならない(直列システム)
シンプルに、並列システムと直列システムの稼働率差を求めなさいという意味の問題。
並列の稼働率 1-(1-0.9)×(1-0.9)=1-0.1²=0.99
直列の稼働率 0.9×0.9=0.81
差は、0.99-0.81=0.18
システム稼働率を求める例題
「基本情報技術者平成29年秋期 午前問15」のシステム稼働率を求める問題を解いてみる。
稼動率は、公式からMTBF÷(MTBF+MTTR)で求めることができる。
この装置1台の稼働率は、45÷(45+5)=0.9
このシステムは直列に接続されたシステム。
直列システム稼働率=稼働率A×稼働率Bの公式から0.9×0.9=0.81
よって稼働率は0.81となる。