基本情報技術者試験の分野「システム構成」についてご紹介いたします。
デュプレックスシステム
デュプレックスシステムは、現用系と待機系の2系統のシステムで構成され、現用系に障害が生じたときに、待機系に切り替えて処理を続行する形態です。
デュプレックスシステムは、待機の状態により二つに大別できます。
・ホットスタンバイ
待機系を現用系と同一の業務システムを最初から起動しておき、現用系の障害発生時に待機系に自動で速やかに切り替え処理を続行する形態(「温かい状態で待機」という意味がある。)
・コールドスタンバイ
待機系は通常時バッチ処理(後辻※)などの他の処理を行っていて、現象系に障害が発生したときにその処理を中断し、業務システムを起動して処理を続行する形態
(「冷たい状態で待機」という意味がある。)
※バッチ処理とはデータを一定期間または一定量貯めてから、まとめて処理をする形態。
デュアルシステム
デュアルシステムは、一つの処理を2系統のシステムで独立に行い、結果を照合(クロスチェック)する形態です。
クラスタシステム
クラスタシステムは、複数のサーバをあたかも一台のサーバのように見せかける技術です。Clusterは、「ぶどうの房」という意味があり、サーバ一つ一つがぶら下がっているイメージです。
・HAクラスタ
可用性を高めることで、高信頼化を目的とするシステム構成。
負荷分散型クラスタとフェールオール型クラスタに大別される。
名前 | 説明 |
---|---|
負荷分散型 | 利用者からのリクエストに対する処理を各サーバに振り分けて負荷分散する。 |
フェールオール型 | 同じ機能の複数のサーバを現用系と予備系の二系統に分けて運用する。 |
・HPCクラスタ
高性能化を目的とするシステム構成。複数のサーバの演算処理を連携させて高い演算能力を引き出すことができる。
グリッドコンピューティング
グリッドコンピューティングは、ネットワークを介して複数のコンピュータを連携させ、仮想的に1台の巨大で高性能なコンピュータを作る技術です。処理能力に余裕のある数百台ものコンピュータを連携して並列処理させることで、スーパーコンピュータ並みのシステムを作りだすことができる。