iPad でRを使うなら、ほぼ RStudio Cloud 一択である。米RStudio社が提供しているクラウドコンピューティングのサービスである。アカウントを作ってデータをアップロードすれば、あとはローカル版の RStudio と使い勝手はほぼ、というかほとんど変わらない。ただキーボードはあった方がよい。
使いはじめ
RStudio Cloud のサイトでアカウントを作る (email アドレスと、自分の名前的な文字列) か、または GitHub アカウントでログインする。後者でも結局は RStudio Cloud のアカウントが作られる。
最初に、プロジェクトを作る。プロジェクト名は後で変えられるのでなんでもよい。するとローカル版の RStudio と同じ画面が出てくる。プロジェクトは、自分のワークスペース内に作られるという位置づけで、基本的には本人にしかアクセスできないが、右上の🔅みたいなボタン -> Access で公開するように設定できる。ワーススペースは別に作ることもできる。作るときにそのワークスペースを共有したい相手を指定できる。なお左の柱は、柱内をクリックすれば隠れる。
データのアップロード
右下のペインの Files タブで Upload というボタンをクリックすると、アップロードするファイルを選ぶダイアログボックスが出てくる。ここでアップロードしたファイルはスクリプト内からは /cloud/project/ というパスで見える (全部小文字)。zip ファイルはアップロード先で自動的に展開されるので、ディレクトリを丸ごと上げたい時は zip ファイルにする。
スクリプトのアップロードと保存
左上の File メニューから Open File... を選ぶと、/cloud/project/ 内のリストが表示され、その中からスクリプトファイルを選べる。なのでスクリプトも、上のデータのアップロードと同じ手順でアップロードしておけばよい。mac なら ⌘-S で (Windows ならたぶん ctrl-S で) スクリプトは /cloud/project/ に保存される。
プロット画像など
プロットは左下の Plots パネルに出てくるが、コードでファイルに保存すると例によって /cloud/projet/ 内に保存される。Files パネルで画像ファイルをクリックすると、ブラウザで別タブを開いて表示される。
RStudio Cloud の利点と欠点
iPad などでシームレスに mac や PC での解析作業を続けられるのは非常に大きな利点である。また無料でもある (将来的には有料プランを用意する可能性はあるらしいが)。利用制限もない。欠点は、ネットワーク接続が必要なことである。新幹線の中などではトンネルの度に接続が切れる上にトンネルは多いので、ストレスフルである。また、全然日本語化はされていないし、今後もされないと思う。