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Elixirマイクロサービス①:マイクロサービス化/反マイクロサービス化に有利なElixir

Last updated at Posted at 2023-12-14

この記事は、Elixir Advent Calendar 2023 シリーズ11 の12日目です

昨日は、@GeekMasahiro さんで 「Elixir AtCoder用テンプレート」 でした


piacere です、ご覧いただいてありがとございます :bow:

今年8月に開催した「ElixirImp#34:Elixirでマイクロサービス & エッジコンピューティング」 の内容(下記スライド)をコラム化しつつ、Elixirでの実践も解説していくシリーズです

目次としては、こんな感じで、今回は「01」~「04」に触れつつ、Elixirのマイクロサービス化/反マイクロサービス化に使える機能を紹介したいと思います

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あと、このコラムが、面白かったり、役に立ったら、image.png をお願いします :bow:

改めてマイクロサービスとは?…なぜ流行ったのか?

マイクロサービスとは、小さなサービスを組合わせて1つのアプリケーションを開発するアプローチです

2013年に、アジャイルの始祖であるeXtreme Programmingを企業として初期に取り組んだThoughtWorks社のジェームス・ルイスが「Micro services - Java, the Unix Way」で初出し、2014年に、やはりアジャイル/eXtreme Programming界隈では超有名人のマーティン・ファウラー(名著「リファクタリング」「PoEAA」の著者でもある)と共著で「Microservices」にて提唱し、世に広まり始めました

ちなみにマーティン・ファウラーは個人的に22年前、eXtreme Programmingでケント・ベック(XP提唱者)やエリック・ガンマ(VScode/Junit/Eclipseコミッター)と共に彼に心酔し、私の4番目のプログラマ/エンジニア師匠と勝手に思っています :yum:

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クラウドやスマホ、SPA、API、そしてスタートアップの普及が後押しし、マイクロサービスは広く流行ったと考えられます

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最近、マイクロサービスの良い噂は聞かないが…

提唱から10年近く経った最近、マイクロサービスのメリットよりも、デメリットが強調されるシーンが増えてきました

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では、マイクロサービスは「使えない」のでしょうか? … いえ、そうではありません

問題は、「マイクロサービスが本当に必要なシーン」で使えていなかったり、不必要にマイクロサービス化していることにあると考えます

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つまり、マイクロサービス自体の問題では無く、単に「選定ミス」や「雰囲気で導入した」という要素が、マイクロサービスの良い噂を聞かない背景の大半では無いかと捉えています

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「選定ミス」の1つとして代表的なのが、共通基盤として構成すべき対象を、マイクロサービスとして構成したが故に、システムが複雑化した … というケースが世界的に発生しており、現在、そこに対するアンチテーゼとして、「反マイクロサービス(deMicroService)」や「アンチマイクロサービス」というムーブメントすら起こっているような状況です

国内でも、先駆者たるSTORESやクックパッド等でも、こうした動きが存在します

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何事も、大事なのは「正しく使う」ことであり、マイクロサービスも正しく使えば、サービスグロースの良き味方となります

「マイクロサービスパターン」とは?

マイクロサービスパターンとは、マイクロサービスでの解決策やデザイン原則をまとめたものです

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「Microservices.io」 が全体図を示してくれています

https://microservices.io/patterns/
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マイクロサービスパターンには、カテゴリごとのプラクティスがあります(なお、最新のMicroservice.ioの方も更新されているため、スライド/本コラムと最新図にはギャップがあります)

  • アーキテクチャの問題領域
    • Monolithic Architecture
    • Microservice Architecture
    • Database per Service
  • サービス分割の問題領域
    • Decompose by Business Capability 業務毎に分割
    • Decompose by Subdomain…サブドメイン毎に分割
  • メッセージングスタイルの問題領域
    • Remote Procedure Invocation … 同期RPC(REST、gRPC等)
    • Messaging … 非同期メッセージパッシング
  • 信頼性の問題領域
    • Circuit Breaker … レスポンスにタイムアウトを設定
  • サービス・ディスカバリーの問題領域
    • Self Registration … プロセス生成時に名前登録
    • Client-Side Discovery
    • 3rd party Registration … 代理で名前登録
    • Server-Side Discovery

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  • トランザクショナル・メッセージングの問題領域
    • Transactional Outbox
    • Polling Publisher
    • Transaction Log Tailing
  • データ整合性の問題領域
    • Saga
  • ビジネスロジックデザインの問題領域
    • Aggregate
    • Domain Event
    • Domain Model
    • Event Sourcing
    • Transaction Script
  • クエリーの問題領域
    • API Composition
    • CQRS (Command Query Responsibility Segregation)
  • 外部 API の問題領域
    • API Gateway
    • Backends for Front-Ends

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  • 自動化テストの問題領域
    • Consumer-Driven Contract Test
    • Consumer-Side Contract Test
      Service Component Test
  • セキュリティの問題領域
    • Access Token
  • 横断的関心事の問題領域
    • Externalized Configuration
    • Microservice Chassis
  • 監視の問題領域
    • Health check API
    • Log Aggregation
    • Distributed Tracing
    • Application Metrics
    • Exception Tracking
    • Audit Logging

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  • デプロイの問題領域
    • Language-Specific Packaging Format
    • Single Service per Host
    • Deploy a Service as a VM
    • Deploy a Service as a Container
    • Sidecar
    • Serverless Deployment
    • Service Deployment Platform
    • Service Mesh
  • リファクタリングの問題領域
    • Strangler Application
    • Anti-Corruption Layer

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マイクロサービス向きなElixirの特徴

Elixirは、言語仕様および言語ビルトインで、分散/並行・並列に特化した実行単位とメカニズムを揃えており、マイクロサービス構築/解体に重い腰を上げる必要が無い点が強みです

また、クラウド無しでもエッジコンピューティングが構成できるレベルの機能が標準搭載な点も強みです

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スレッドセーフ対応が根本から不要なプロセス/メッセージパッシング構造(アクターモデル)であり、それがローカルマシン内だけで無く、リモートマシン間にも透過的に展開できる点も、Elixirの強力な強みです

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並行・並列環境下におけるデータ処理に特化された言語/FW仕様も、ユーザー数やデータ量がかさみやすいマイクロサービスに有利な点として挙げられます

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大半がElixir標準搭載機能で賄える

具体的なElixir機能を挙げていくと、下記の通りです

①~④、⑥~⑧、⑩~⑪は言語標準搭載機能で、その他も、Elixir界隈では準標準急のメジャーなフレームワークになります

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終わりに

Elixirとマイクロサービスの相性の良さが、何となく雰囲気だけでも伝われば幸いです

次回は、下図のように、マイクロサービスパターンとElixir機能をマッピングした上で、具体的なマイクロサービス/反マイクロサービス構築について解説します
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明日は、@GeekMasahiro さんで 「ElixirでAtCoder 入力処理の高速化(ABC309 Eで試す)」 です

p.s.このコラムが、面白かったり、役に立ったら…

image.png にて、どうぞ応援よろしくお願いします :bow:

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