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ひとりアドカレ2024 byもんすんAdvent Calendar 2024

Day 16

アプリのパフォーマンス低下を防げ!対「N+1問題」

Last updated at Posted at 2024-12-15

導入

こんにちは、もんすんです。

開発を進めていく中で、アプリケーションのパフォーマンスに関わる問題に直面することがよくあります。
その中でも、データベースに関する問題は特に重要です。

アプリケーションがデータベースから情報を取得する際、効率的なデータの取得方法を選ばないと、パフォーマンスが大きく低下することがあります。

その中でもよく発生するのが「N+1問題」です。
N+1問題とは、データベースクエリを不必要に多く発行してしまう問題で、これが原因でアプリケーションが遅くなることがあります。
この問題が発生する背景を理解し、どのように解決すれば良いのかを知ることは、開発者として非常に重要です。

今回は、N+1問題の原因とその解決策を初心者向けにわかりやすく解説します。

N+1問題

N+1問題とは

「N+1問題」は、プログラミング初心者がデータベースを使い始めたときによく遭遇する、パフォーマンスを悪化させる問題です。
この問題は、データベースに無駄なクエリ(データベースへの要求)をたくさん送ることで発生します。

簡単な例

たとえば、ブログ投稿を表示するアプリを作っているとします。
以下のように投稿データとその著者情報を取得する場合を考えてみましょう。

  1. 最初にブログ投稿を10件取得するために1つのクエリを送る。
  2. その後、それぞれの投稿ごとに著者情報を取得するために10回クエリを送る。

結果として、データベースに送るクエリの数は 1(投稿一覧)+ 10(著者情報)= 11回 になります。

本来、1回のクエリで投稿と著者情報をまとめて取得できるのに、11回もクエリを送っている状態が N+1問題 です。

なぜN+1は問題か?

データベースへのクエリが増えると、次のような問題が発生します。

アプリが遅くなる
データベースからデータを取得するたびに時間がかかります。
特にデータが増えるとその影響は大きくなります。
サーバーに負荷がかかる
クエリが多すぎると、データベースやサーバーの処理能力を圧迫し、他の処理が遅くなる可能性があります。

これらの問題は、ユーザー体験を大きく損ねる原因となります。

N+1問題を解決する方法

N+1問題を避けるための基本的な方法を紹介します。
これらは初心者でも簡単に実践できるテクニックです!

1. データをまとめて取得する(Eager Loading)

N+1問題の原因は、データを1つずつ取得することです。
それを回避するには、「関連するデータを一緒に取得する」方法が有効です。

  • 例:投稿と著者情報をまとめて取得する
    SELECT posts.*, authors.*
    FROM posts
    JOIN authors ON posts.author_id = authors.id;
    
    これにより、1回のクエリで投稿と著者情報をまとめて取得できます。

2. ORMの設定を見直す

Javaでよく使われるORM(オブジェクト関係マッピング)ツール、たとえばHibernateでは、遅延読み込み(Lazy Loading) がデフォルトになっている場合があります。
遅延読み込みは便利ですが、N+1問題の原因になることがあります。

  • 解決策:積極的読み込み(Eager Loading)に設定を変更する
    @OneToMany(fetch = FetchType.EAGER)
    private List<Comment> comments;
    
    これにより、関連データをまとめて取得するようになります。

3. バッチ処理を使う

関連データが大量にある場合、一度にすべてを取得するのではなく、バッチで取得することも有効です。
Hibernateにはバッチフェッチ機能があるので、それを活用します。

4. キャッシュを使う

データが頻繁に変更されない場合、キャッシュ を利用することでデータベースへのアクセス回数を減らせます。
Redisなどのキャッシュツールを使うのが一般的です。

実際のコード例(Spring Bootの場合)

以下は、Spring Bootでの例です。

N+1問題が発生するコード

// 1回目のクエリ実行
List<Post> posts = postRepository.findAll();
for (Post post : posts) {
	// N回分のクエリ実行
	String name = authorRepository.getAuthor(post.authorId).getName();
    System.out.println(name);
}

このコードでは、投稿一覧を取得した後、投稿ごとに著者情報を取得するためにクエリが複数回発行されます。

N+1問題を解決するコード

@Query("SELECT p FROM Post p INNER JOIN author a ON p.author_id = a.id")
List<Post> findAllWithAuthors();

JOIN FETCH を使うことで、投稿と著者情報をまとめて取得し、N+1問題を防ぎます。

終わりに

N+1問題は、アプリケーションのパフォーマンスを大きく低下させる問題ですが、以下のような方法で簡単に解決できます。

  1. データをまとめて取得する(Eager LoadingやJOINを使う)
  2. ORMの設定を適切に変更する
  3. バッチ処理やキャッシュを利用する

最初は、データベースクエリを意識してコードを書くのは少し難しいかもしれません。
でも、N+1問題を理解しておけば、効率的なコードを書けるようになります。ぜひ試してみてください!

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