こんにちは齋藤です。
今回はテーブル設計の基本から、具体的な設計手法を記載します。
目次
1. テーブル設計の基本
テーブルは、データベース内でデータを格納するための基本単位です。各テーブルは、行(レコード)と列(フィールド)から構成されます。以下のステップでテーブル設計を進めます。
- エンティティの定義: どのようなオブジェクトを表現するのかを明確に
- 属性の定義: 各エンティティが持つ情報(属性)を洗い出し
- キーの決定: テーブル内でデータを一意に識別するためのキーを決定
2. エンティティと属性の定義
エンティティ
エンティティとは、保存すべきデータの集合を表します。例えば、顧客や商品、注文などがエンティティになります。各エンティティは、ビジネスプロセスに関連する具体的な概念やオブジェクトを表現します。
属性
属性とは、エンティティが持つデータ項目のことです。例えば、顧客エンティティであれば「名前」「住所」「電話番号」が属性になります。属性を定義する際には、以下の点に注意します:
- データ型の選定: 整数、文字列、日付など、適切なデータ型を選ぶ
- 必須/任意: 属性が必須か任意かを決定する
- デフォルト値: 属性にデフォルト値を設定する場合がある
3. キーの設計
主キー(Primary Key)
主キーは、テーブル内の各レコードを一意に識別するための属性または属性の組み合わせです。主キーの設計には以下のポイントがあります
- ユニーク性: 主キーは一意でなければなりません
- 非NULL: 主キーはNULLを許可しません
- 不変性: 主キーの値は基本的に変更されるべきではありません
外部キー(Foreign Key)
外部キーは、他のテーブルの主キーを参照するための属性です。外部キーはテーブル間のリレーションシップを定義します。外部キーの設定により、データの整合性を確保できます。
その他のキー
- 代替キー(Alternate Key): 主キーとして選択されなかった候補キー
- 複合キー(Composite Key): 複数の属性を組み合わせて一意性を確保するキー
4. 正規化
正規化は、データの冗長性を排除し、データの一貫性を保つための手法です。主な正規形には以下があります
第1正規形(1NF)
- 各フィールドには単一の値のみを持つ(重複や繰り返しのグループを排除)
- テーブルは原子値のみを含む
第2正規形(2NF)
- 第1正規形を満たす
- 主キーに完全関数従属していない部分関数従属を排除
第3正規形(3NF)
- 第2正規形を満たす
- 主キーに非関数従属の推移的従属を排除
5. テーブルのリレーションシップ
リレーションシップは、テーブル間の関係性を定義します。代表的なリレーションシップには以下があります
- 1対1(One-to-One): 各レコードが他のテーブルの1つのレコードとだけ関係する
- 1対多(One-to-Many): 1つのレコードが他のテーブルの複数のレコードと関係する
- 多対多(Many-to-Many): 複数のレコードが他のテーブルの複数のレコードと関係する(中間テーブルを使用して実装)
6. テーブル設計の重要事項
- 冗長性の最小化: データの重複を避け、一貫性を保つ
- パフォーマンスの考慮: インデックスを活用し、クエリパフォーマンスを向上させる
- スケーラビリティ: 将来的なデータ量の増加を見越して設計する
- セキュリティ: 機密データの暗号化やアクセス制御を設計に組み込む
まとめ
テーブル設計は、データベースの効率性とスケーラビリティに大きな影響を与える重要なプロセスです。適切なエンティティと属性の定義、キーの設計、リレーションシップの設定により、データの整合性を確保し、効率的なデータ管理を実現することができます。正規化を通じて冗長性を最小限に抑えつつ、パフォーマンスやセキュリティにも配慮した設計をしましょう。
以上、齋藤でした。