こんにちは。エンジニアのハサンです。
今回は、37%のアルゴリズムについて説明します。すでに知っている方はいると思いますが、知らない方もいるので、この記事参考にして少しこの人気のあるアルゴリズムについて勉強していただければなと思います。
目次
- ちょっと歴史
- 37%ルール(アルゴリズム)の基本概念
- 実生活への応用
- まとめ
1.ちょっと歴史
初期の研究
37%ルールは、最適停止問題(Optimal Stopping Problem)の一例であり、この問題の研究は主に数学と統計学の分野で進められてきました。最適停止理論の初期の研究は17世紀から18世紀にかけて、ギャンブルや財務管理の分野で始まりました。数学者たちは、特定の条件下で最適な意思決定をするための戦略を模索しました。
18世紀のフランスの数学者、Pierre-Simon Laplaceがポアソン分布の概念を発展させ、最適停止問題の基礎を築きました。同時期に、モンモール問題として知られるギャンブルにおける最適停止の問題も研究されました。
20世紀の発展
1950年代に入るとリチャード・ベルマン(Richard Bellman)が動的計画法(Dynamic Programming)の概念を提唱し、最適停止問題の数学的枠組みを確立しました。その後、1960年代に入ると、最適停止問題に対する関心が高まり、具体的な問題として「秘書問題」または「婚活問題」が研究されるようになりました。1960年代後半に入ると数学者たちは、秘書問題の最適な解決策として37%ルールを発見しました。具体的には、N個の候補のうち最初の37%を観察し、その後に最初の37%よりも良い候補が現れた場合にその候補を選ぶという戦略です。
現代への影響
37%ルールは、最適停止問題の一例として広く知られるようになり、ビジネス、経済、心理学、デートや婚活など、さまざまな分野で応用されています。近年では、データサイエンスやアルゴリズムトレーディングなどの分野でもこの理論が活用されています。
2. 37%ルール(アルゴリズム)の基本概念
1. 探索と選択の段階
最初の37%の期間を「探索段階」とします。この期間中は選択を行わず、ただ観察して情報を収集します。残りの63%の期間を「選択段階」とします。この期間中に最初に探索段階で観察したものよりも良い選択肢が現れたら、それを選びます。
2. 具体例:
例えば、あなたがアパートを探しているとします。10件のアパートを見て回る計画があります。この場合、最初の3~4件(10件の37%)はただ観察し、その後に出てくる物件から最初の3~4件よりも良い物件を見つけたらそれを選びます。
3. 実生活への応用
1. 就職活動
就職活動において、多くの企業や職種から最適な選択肢を見つけるのは難しい場合があります。この場合、37%ルールを適用することで、効率的に最適な求人を見つけることができます。初めの37%の期間(例:最初の1か月間)で応募先を観察し、情報を収集します。この期間中は積極的に応募せず、企業の情報や仕事の条件を調査します。残りの期間で、最初の37%で得た情報を基に、それらよりも良いと思われる求人に応募します。
2. デートや結婚相手探し
デートや結婚相手を探す際にも37%ルールは有効です。たとえば、10人の候補者とデートする予定がある場合、最初の37%(約3~4人)は観察期間とし、その後に最初の3~4人よりも良いと感じた人を選ぶという方法です。
3. 住居探し
最初の37%の物件(例:10件のうち最初の3~4件)は見学するだけにし、契約はしません。この期間中は市場の状況や物件の特徴を理解するために情報を収集します。残りの物件から、最初の37%で見た物件よりも良いと思われる物件を選びます。
4. 購入決定
高価な商品や重要なサービスの購入決定にも37%ルールを活用できます。最初の37%の候補(例:10個の製品のうち最初の3~4個)は購入せずに観察し、各商品の特徴や価格を比較します。観察期間後に最初の37%よりも良いと感じた商品が見つかれば、その商品を購入します。
5. 投資決定
投資の際にも37%ルールを適用することで、効率的な意思決定が可能です。最初の37%の投資機会は観察し、市場の動向や企業のパフォーマンスを分析します。観察期間後、最初の37%の投資機会よりも良いと感じた場合、その機会に投資します。
4. まとめ
37%ルールは、限られた時間やリソースの中で効率的に最適な選択をするための実用的な戦略です。就職活動、デート、住居探し、購入決定、投資など、さまざまな実生活の場面で応用することができます。このルールを用いることで、情報収集と意思決定のプロセスを効率化し、より良い結果を得ることが期待できます。