はじめに
ラズパイ4はラズパイ3から性能が上がった分だけ発熱も大きくなった。
すでにサードパーティーからラズパイ4用のファン付きケースは多数販売されていたが、ラズパイ4用公式ケースにポン付けできる安価な純正ファンが年末年始にかけて発売された。(スイッチサイエンスだと700円程度)
年末年始にかけて初期不良確認がてらラズパイ4でRosetta@home(新型コロナ(COVID-19)の解析をサポートするプロジェクト用ソフトウェア)を動かしていたが、ケースがそこそこ熱くなっていたので純正ファンを導入してみた。
導入方法
導入方法はきわめて簡単。ケースに嵌めてファンのピンをラズパイ4のGPIOピンに刺す。このままだと常時フル回転になるので、温度制御したければRaspberry Piの設定
メニューかraspi-config
コマンドを実行してファンが(フル)回転する閾値の温度を指定をすればよい(再起動が必要)。
なお、どちらの制御方法でもシャットダウン後はファンはフル回転する。ファンを止めるには電源供給を止める必要がある。(この点は使いづらい)
効果
純正ファンの効果は大きい。公式ブログによればファンをつけるとケースなしよりも冷えるようだ。
Raspberry pi OSではないが別の環境(Ubuntu 20.04 (LTS)でRosetta@homeを連続実行)だと、ファンなしだとCPU温度が83℃のところ、ファンありで53℃まで下がった(室温約20℃の時)
CPU温度 | 効果 | |
---|---|---|
ファンなし | 83℃ | |
ファンあり | 53℃ | -30℃ |
感想
25mm角のファンなのでしかたがないが、ファンが回り始めると耳障りでうるさい。
簡易的にスマホのアプリで計測すると45~55dBくらいで決して大きい騒音レベルではないが、ファンの径が小さいために高音系で個人的にはかなり気になる。ただし、机の下に設置して音楽をかけたりすれば気にはならないレベルではある。
公式の制御方法だと常時フル回転か温度制御(一定温度以上になるとフル回転)だが、どちらも耳障りでうるさい。これをPWM制御(温度による多段階制御)に変えても耳障りでうるさい。どんなに細かく制御しても一定スピード以上になると音が変化するだけで耳障りでうるさい
公式ケースにポン付けできて安価な点は非常に評価できる。教育用途やワークショップ等で一時的に動作させるのであれば十分だろう。ただし、サーバー用途などで高負荷連続使用するなら発熱してサーマルスロットリング
1くらってもサードパーティー製のファンレス金属ケースの方がよいと思う。
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CPU温度が一定以上になった時にCPUが壊れないように性能を落として発熱を抑える機能。 ↩