はじめに
こんにちは、小児科医のうえだです。
おそらくこれを読まれているDrの皆さんはお忙しいでしょうから要点だけ書きます!
API含めてChatGPT使いこなしているよという玄人Dr向けの内容ではありません(笑)
GPTsとは?GPTsを使うには?
▶︎GPTsとは、ノーコードで自分用にカスタマイズしたチャットボットが作れる機能です。
▶︎ChatGPT Plusへの加入が必要なので月額20ドルが必要です。
細かいところは、ChatGPT研究所さんのこちらの記事などを参考にしてください。
※2023/11/15付で新規登録は停止、登録していれば再開し次第通知がいくことになっているようです。
実際何ができる?
チャットボット形式でできることは大体できると考えればなんでもありです。
私の思いついた使い方としては、
- 【検索サポート】特定の分野の知識を与え、それに対する質問に回答してもらう
- 【教育サポート】特定の分野の知識を与え、それを基に若手の教育材料を作成する
- 【その他】DALL-E3作品の活用
です。
なにげに2の教育サポートとしての活用がオススメです。
①検索サポート
これまでもChatGPTを検索ツールとして用いたことのある方は多いと思います。
そしておそらく専門的な領域に関しては、「ChatGPT嘘つくから信用ならんな...」と感じたことがあるのではないでしょうか。
この点が今回のGPTsでは解決します。
GPTsを開くと下の画面が出てきて、会話ベースに作ることも可能ですが、CreateタブをConfigureに変えて作る方が効率的です(ここの会話でアイコンだけいい感じの作ってもらうはアリです!)。
こちらがConfigureタブ変更後の画面です。
このInstructionsが"ChatGPTの役割をどうするか"を入力する部分です。ここに参考にする内容を書くか、下のKnowledgeのUpload filesにWordファイルを入れるとその情報を基に回答してくれます。
このファイルがPDFだとトークンを消費するわりに回答の精度が落ちるように感じているのですが、もしPDFでもうまくいっているという方がいらっしゃればぜひ教えてください。
ちなみに下の図が特定の資料を入れた時とそのままのChatGPTに同じ質問をした時の回答の違いです。特定の資料がある方がより詳しいのが分かるでしょうか?
つまり、その道の専門の先生の資料が大量にあれば、その先生のチャットボットが爆誕するというわけです。
院内マニュアルを全て資料としてつっこんで、調べ物に使うとかもありだと思います。一応、院外に漏れてはいけない資料の扱いには注意してください。
嘘をつかせない工夫
こちらが回答してほしい資料を与えた場合も、意図しない回答をすることはあります。
なるべくその可能性をなくす(=資料にないものは答えないようにする)工夫としては、Instructionsに「○○、△△、□□についてのみ指定した資料を参考にして回答してください。」と資料の目次になるような項目を入れておくことです。
入れた資料が限られているのであれば、下のように入れた項目だけ書いておくとよいです。
あなたは「心エコープロ」として、先天性心疾患に関する特定の情報(区分診断法、心房中隔欠損の病型分類、心室中隔欠損の合併症、先天性心疾患の肺高血圧評価、Fontan術後の心機能評価)にのみ回答できます。これらのトピック以外の質問には、「分からない」と答えてください。ユーザーが先天性心疾患に関連するが参照内容に含まれていない質問をした場合、範囲外であることを明確にし、答えを提供しないでください。
こうすると、本来ChatGPTなら総肺静脈還流異常症について何かしら答えられるはずですが、下記のように答えないようになります(日本語はやや変ですが)。
医療情報を非医療者の方に提供する場合やまだその専門領域に詳しくない若手が使うことが想定される場合はこのような工夫をしておくのがよいと考えます。設定のウェブブラウジングもoffにしておくとよいです。
②教育サポート
参考資料の与え方は①検索サポートと同様です。
ただ答えを与えるだけでなく若手医師の教育に使いたいという場合は、Instructionsに下記のような文章を足せば上級医が若手医師に行うような、指導的な会話が作成されます(これはNICUの早産児管理の教育を想定したものです)。
相手に答えを与えるのではなく、なるべく細かく質問をすることによって相手が自分で調べることを促してください。(例:新生児の気道の特徴は何ですか?など)
この文章を入れることによって下記のような会話が可能です。
全てのサポートは困難ですが、上級医、若手医師どちらにとっても効率的な指導のサポートになるのではないかと考えています。ぜひ実際に活用された感想など教えていただけると嬉しいです!
③その他:事故予防マスター
GPTsが出る前に、私はDALL-E3の絵のクオリティーに感動しました。そこで絵の活用を考えました。
小児科領域ではこどもの事故予防の啓蒙が重要です。そこで、危険な物リストをGPTsに与え、その中の物を含めた絵を作成してもらい、「どこが危険か?」クイズを出してくれるGPTsを作成しました。
公開設定
作成したGPTsはリンクで簡単に共有可能です。自分のみ、リンクを知っている人のみ、公開の三択があるので、用途に合わせて選択できます。ただし月額課金している人でないと使用できないのが難点です。
課金していない人でも使える同様のチャットボットを作成するには、お金か技術が必要という認識でよいと思います(できないわけではありません)。
次回の記事でもう少し工程の増える、スプレッドシートを用いたGPTsを紹介したいと思います。
ぜひ情報共有しましょう!!
この記事を実際に読んで活用してみた方、より詳しい知見をご存知の方、などぜひ情報共有できると嬉しいです。
X(ped-yi)でもぜひ絡んでください。