この記事はペンパアドベントA2019、23日目の記事です。
おはようございます。
ゆずっこです。
去年の記事、へやをわけたいを読んでくださった方はお久しぶり。五月祭や駒場祭に来てくださった方はありがとうございます。
さて、去年の記事ではへやわけの上級手筋である分割充填法と即興部屋を掘り下げましたね。今年の担当も偶然同じ12/23ということで、この日を世界へやわけの日と制定することをさっき勝手に決めました。
このようなめでたい日にはやはりへやわけ'らしい'ことについて語りたいと思います。最もへやわけらしいルールといえば、そう、3連禁ですよね。それではこの3連禁が織り成す、不思議な世界に皆さんを誘いたいと思います。
主な対象となる読者
- 去年の記事が難しすぎて何言ってるか分からないという方
- とにかくへやわけの世界に浸っていたい方
- 平和な問題に癒やされたい方
3連禁の基本
ニコリのサイトにへやわけのルールがありますが、その中で3連禁に関するのはルールの3番です(偶然にも3が一緒ですね!)
3.白マスを、タテまたはヨコにまっすぐに3つ以上の部屋にわたって続けさせてはいけません。
基本中の基本ですが、問題でおさらいしておきましょう。
問1.
3連禁は内向きと外向きがあることに気付きましたね?内向きはすごく見落としやすいので注意が必要です。
3連禁は黒マスの局在を変化させる
3連禁は壁があると発生しますが、これを利用してあるへやの中の黒マスの入り得る位置がわかる場合があります。問題で見てみましょう。
問2.
わかりましたか?黒マスが壁に引き寄せられましたね。
3連禁は見えない黒マスを発生させる
この図のように白マスと壁が2つあると、壁に挟まれたへやか2つ目の壁の隣のマスのどこかに黒マスが発生します。
また下図のように、壁の間に白マスが挟まっていると、壁の両側の少なくともどちらかに黒マスが発生します。
これらをうまく組み合わせると色々なことができます。問題で見てみましょう。わからない場合はヒントを付けているので参照してみてください。
問3.
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中央付近の0のへやを中心とした3×3で即興部屋を作ってみましょう。ここに4が入るとどうなるでしょうか。 また、盤面の端に垂直な1×nのへやにおいて盤面の端から1マス空いたところに黒マスがある場合、その黒マスは絶対に盤面の端と繋がることを確認しましょう。問4.
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真ん中の大きな3と3の黒マスは中心の壁に吸い寄せられて6 in 2×6となります。分断が起きないように黒マスを配置しましょう。問5.
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5のへやの端っこのどちらかが白マスだと盤面が分断されてしまいます。確認してみましょう。 2のへやが2つ並んでいる箇所では、3連禁が9つ発生しますが、中で防ぐ黒マスは4つしかありません。どのように配置すると外の黒マスが隣接しないようにできるでしょうか。問6.
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数独や美術館などのパズルには、Broken chainという手筋があります。 『奇数個の強弱リンクで構成されるチェーンがループになってはいけない』 という手筋です。リンクやチェーンについては[SP1さんのサイト](https://sp1-puzzle.hatenadiary.jp/entry/2019/11/03/201846)がわかりやすいので一部引用します。弱リンク (weak link) とは「A, Bが共に真にならない」=「not A or not B」= "NAND" のことです。Aが真とわかったとき、Bが偽になることが演繹できます。
強リンク (strong link) とは「A, Bが共に偽にならない」=「A or B」= "OR" のことです。Aが偽とわかったとき、Bが真になることが演繹できます。
場合によっては強かつ弱 (strong and weak) とわかることもあります。この場合は「AとBのちょうど一方が真」= "XOR" です。
3連禁の不思議な世界、味わえたでしょうか。他にもこんなことができる!と発見された方は問題を作って教えて下さい。
長々と読んでいただきありがとうございます。
以上、ゆずっこがお送りしました。
追記:解き方がわからないよ!という方はTwitterのDMなどで聞いてください。できる限り対応します。