この文章はFringe81 Advent Calendar 2017の7日目の投稿です。
また、この文章で述べる考えはUX DAYS TOKYO主催のワークショップ、コンテキストの理解と実践に基づいております。
対象者
- UXという言葉しか知らない方
わかること
- コンテキストはUXの一端を担っている
- コンテキストの種類
それでは始めましょう
UXって何?
はじめにこの文章中でのUXについて定義してみます。
この文章中でのと断ったのには理由があります、UXという言葉は色んなシーンや人によって解釈されていますが、決まりきった定義がないと私が考えているからです。
気になる方は情報を収集してみてください。山ほど資料が見つかるはずです。
UX = ユーザーのタスク + コンテキスト
今回はこのようにUXを解釈します。みなさんがサービス開発者であればユーザーは何らかの目的をもってサービスを利用するはずです。ここで言うところのユーザーのタスクとはこのことを指しています。ユーザーのタスクとコンテキストがあってUXとなります。次にコンテキストについてお話します。
コンテキスト
エンジニアであればよく議論の最中にもコンテキストという言葉を連呼されている方もいるのではないでしょうか。UX世界でのコンテキストとは「状況」「環境」「前後関係」のようなユーザーのタスクを達成する上で影響を与える事柄と捉えます。
例えば、上記の画像からコンテキストを読み取ると、片手でデバイスを操作、一人、うつむきながら、といったことがコンテキストに当たります。移動していそうと言うような事実ではない想像の域を出ないものはコンテキストと考えないこととします。
普段開発しているときにはついつい画面の中だけで完結しがちですが、コンテキストを考慮するとより広いユーザー体験を設計できるようになります。
コンテキストの種類
コンテキストには7つの種類があるとCennydd Bowles氏の記事で語られています。
- デバイス
- 環境
- 時間
- 行動
- パーソナル
- 場所
- ソーシャル
特に一番気になるのは5の個性についてです。
スマートフォンを常にユーザーと共に、あるいは少なくとも手の届くところに置いていると親しみを感じ、そこにパーソナルスペースを見出します。(中略)
それらは、私たちが秘密を打ち明けられるパートナーであり、かつ超人的な力を与えてくれるツールなのです。(中略)
このパーソナルスペースが侵害されると、人は強く反応します。煩わしいSMSのスパムを誰もが嫌がることや、掲示板での痛烈な議論もそうです。。ポータブルデバイスを利用したサービスを考えているならば、ユーザーがそれを使おうと選択した時点で、こうしたパーソナルな性質があることを考えるべきです。
コンテキストを理解する(切り口-5: パーソナル) | UX TIMES
パーソナルスペースは人が持つ安全圏のことであり、一般的に親しい人ほど近くにいても嫌悪感がないことが多いです。公共交通機関で間隔を開けたがる人が多いのはこの性質によるものと考えられます。
普段私達が使うデバイスもパーソナルスペースに侵入している以上ある程度心を許す存在です。PCよりもスマートフォンの方が常に持ち歩いている分、親しい感じがするのではないでしょうか。
当然親しい存在のスマートフォンで運用するサービスもユーザーのパーソナルスペースにいることに気を配るべきだと思います。必要のない通知を送っている場合などは気をつけたほうがいいかもしれません。
実は、コンテキストはここで紹介されている7つだけではないです。
常に想像を膨らませて各々のサービスでのコンテキストを考えてみてはいかがでしょう。
コンテキスト全部盛りでサービス作ればいいの?
コンテキストは必ずしも盛り込まないといけないものではないです。コンテキストがユーザーの行動に特に影響ない限りコンテキストの優先順位は高くありません。大切なのはサービス開発する上で、どのコンテキストを選択するのか (大切にするのか) ということです。
コンテキストが変わらないものでない以上、時代やシーンに合わせて考え直していくことが重要です。
まとめ
- コンテキストとはユーザーのタスク達成に影響する様々なこと
- コンテキストを考慮すると画面外のことにまで気に出来るようになる
- コンテキストには7つの代表的な切り口が存在する
- コンテキストの切り口はもっと存在する
- どのコンテキストを選択するのかが大切