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Slackに通知してくれる日直リマインダーを作る

Last updated at Posted at 2021-12-02

背景

弊社では、エンジニアの進捗管理や情報共有なとを目的とした日次定例MTGがあります。
日次定例MTGでは、日ごとに日直を決めて司会進行と気になる記事(ニュース)を共有することになっているのですが、

「あ、やべ、今日は日直だった!なにも準備してない!」

ということが度々起きたので、日直リマインダーを作ることにしました。

前提

日次定例MTGで使っているツール

  • 日報やニュースの共有:Slack
  • MTG時刻の管理:Googleカレンダー
  • 日直の管理:スプレッドシート
  • ビデオ通話:Zoom

日直の管理方法

日次定例MTGではスプレッドシート上に簡単なカレンダーが作られていて、日毎に日直の名前を入れる。という方法で管理されていました。
後述しますが、このシートから日直リマインダーを作る場合、今日の日付から日直の名前を参照する必要があったので、少し複雑な処理ができるツールを利用することになりました。
スプレッドシート上のカレンダーは下記画像のような形式です。
スクリーンショット 2021-12-02 15.28.07.png

ツールの選定

Slackはとても便利で、手軽にリマインダーを作れそうなツールがいくつかあったので、選定からはじめました。

  1. Slackのリマインド機能
    特別なツールやインストールを必要とせず、簡単に設定できる。
    しかし、スプレッドシートと連携できないため、いつ、誰にリマインドするかを毎度設定しなければならない。
    不採用

  2. Slackワークフロー
    ワークフロービルダーにスプレッドシートアプリをインストールする必要があるが、ノーコードで設定が完結する。
    スプレッドシートと連携できてCRUDの機能が一通り用意されているが、「日毎に参照するセルの値を変える」などの細かい操作はできなかった。
    いまの日直管理シートの書き方では、うまく通知できなさそう。
    不採用

  3. GAS(Google Apps Script)
    Googleによって開発されたスクリプト言語で、JavaScriptでプログラムを記述して複雑な処理を実行できる。
    スプレッドシートやカレンダーとも連携でき、SlackAPI経由でSlack側にメッセージ送信等も可能。
    採用

リマインダの作成

1. SlackAPIトークンを取得する

大まかに下記の3ステップで取得できます。
取得方法について、こちらの記事の説明が詳しくて分かりやすいです。
 1. Slack Botを作成する
 2. Slackのワークスペースに作ったSlack Botをインストールする
 3. メッセージ送信用トークンを取得する

2. Apps Scriptのエディタを開く

ブラウザでスプレッドシートを開き、拡張機能 > Apps Script を選択すると、GASの編集画面が起動します。
スクリーンショット 2021-12-02 15.46.07.png
スクリーンショット 2021-12-02 15.49.52.png

3. コードを書く

②で開いたApp ScriptのエディタにJavaScriptでリマインド機能を実装します。
詳細は省きますが、大まかに下記の用件を満たす機能を作成しました。
・ 土日、祝祭日に通知をしないように、Googleカレンダーを参照して日次定例MTGの予定のある日だけ実行する
・ 当日に通知されても準備が間に合わないケースがあるため、日直がある日の2営業日前から毎日通知する
・ 日直にはメンションで通知する

実装したコードも載せておきます。

// 毎日の日直を通知する
function dailyFacilitatorReminder() {
  const date = new Date();

  // カレンダーを参照して定例がある日だけ実行
  if (!hasDailyMeeting(date)) {
     console.log('本日は定例がありません。');
    return;
  }

  // スプレッドシード上にある日直カレンダーから最大10日先までの日程を参照し、
  // 直近の最大3名に日直のリマインドメッセージを生成する。
  let messages = [];
  for (let i = 0; i < 10; i++) {
    const facilitator_name = findFacilitatorNameFromSpreadsheet(date);
    if (facilitator_name) {
      if (messages.length == 0) {
        messages.push('本日の日直は<@' + facilitator_name + '>さんです。');
      } else if (messages.length == 1) {
        messages.push('次の日直は<@' + facilitator_name + '>さんです。');
      } else if (messages.length <= 2) {
        messages.push('その次の日直は<@' + facilitator_name + '>さんです。');
        break;
      }
    }
    date.setDate(date.getDate() + 1);
  }
  
  // メッセージをSlackに送信する
  sendSlackMessage(messages.join('\n'));
}

// 技術部日次定例があるか
function hasDailyMeeting(date) {
  const calendar_id = 'foobar@gmail.com';
  const event_name = '技術部日次定例';
  const calendar = CalendarApp.getCalendarById(calendar_id);
  const calendar_events = calendar.getEventsForDay(date, {search: event_name, max: 1});
  return Boolean(calendar_events.length);
}

// スプレッドシート上に作成されたカレンダーから日直の名前を取得する
function findFacilitatorNameFromSpreadsheet(date)
{
  const year = date.getFullYear() % 100;
  const month = date.getMonth() + 1;
  const day = date.getDate();
  const sheet_name = year + '-' + month + '';
  const targeet_date = month + '/' + day;
  const sheet_id = '/** シートID **/';
  const ss = SpreadsheetApp.openById(sheet_id);
  const sheet = ss.getSheetByName(sheet_name);
  const text_finder = sheet.createTextFinder(targeet_date);
  const cell = text_finder.findNext().getA1Notation();
  const target_cell = cell.slice(0, -1) + (Number(cell.slice(-1)) + 2);
  const facilitator_name = sheet.getRange(target_cell).getValue();
  return getSlackName(facilitator_name);
}

// カレンダーに記載されている名前からSlackでの名前を取得する
function getSlackName(name) {
  const user_name_map = {
    '〇〇': 'U01A0DFSQ2Y',
    '△△': 'ECGE22YGAHT',
    '◇◇': 'P3E1ALVMEWD',
  };
  return user_name_map[name] ?? '';
}

// Slackにメッセージを送信
async function sendSlackMessage(message) {
  const url     = 'https://slack.com/api/chat.postMessage';
  const method  = 'post'
  const payload = {
    'token'      : '/** SlackAPIのトークン **/',
    'channel'    : '/** チャンネル名 **/',
    'text'       : message,
  };
  const params = {
  'method' : method,
  'payload' : payload
  };
  UrlFetchApp.fetch(url, params);
}

4. スクリプトを自動で実行してくれるように、トリガーを設定する

  • App Scriptのエディタ画面の左のタブメニューから[トリガー]を押下し、トリガー管理画面に遷移
- 画面右下の[+トリガーを追加]ボタンを押下して、トリガー登録に遷移 - 毎日定時に実行してくれるように入力後に[保存]ボタンを押下し、トリガーを登録

 今回作成したスクリプトの場合)
 実行する関数:dailyFacilitatorReminder
 イベントのソース:時間主導型
 トリガーのタイプ:日付ベースのタイマー
 時刻:午前9時〜10時

5. 動作テスト

ここまで来たら、リマインダーは一通り完成です。
トリガーが発火するのを待つか、エディタから直接実行することで動作を確認することができます。
うまくいくと下記画像のようになります。

最後に

今回初めてGASに触れましたが、GASでもっといろいろなことができそうでワクワクしました。
こんなに便利な機能をタダで提供してくれるGoogleさまには頭が上がりません。

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