PDF/Aの規格
- PDF/AのAはアーカイブの略。長期保存を目的
- 規格のパートは1~4まで、違いはベースとなるPDFのバージョンと機能
- レベルa:accessibleの略。論理構造を示すタグ付きPDF
- レベルb:basicの略。標準的機能のみ
- レベルu:unicodeの略。Unicode変換できないテキストは禁止、削除される
- ほかにもレベルe、レベルfがある
PDF規格 | 概要 |
---|---|
A-1(a/b) | PDF1.4ベース |
A-2(a/b/u) | PDF1.7ベース。A-1に対し、ISO32000-1で追加された機能を許容。JPEG2000(より綺麗で高圧縮)、PDF/A準拠のファイル添付、レイヤーなど |
A-3(a/b/u) | A-2を拡張、様々なファイル(エクセル、ワード等)埋め込みを許可 |
A-4(e/f) | PDF2.0ベース。a/b/u→fに代わる。eはPDF/Eに代わる |
互換性
- 後続バージョンは前バージョンの機能をほぼ含む
- 一部廃止・変更される機能がある
- PDF1.7まで:廃止機能は稀
- PDF2.0:古い暗号方式など大きな廃止あり。ISO規格用に刷新
※基本的にPDF1.7が無難。あえてPDF2.0にする必要は無いと思います。
主な機能の比較
A-1a | A-1b | A-2a | A-2b | A-2u | A-3a | A-3b | A-3u | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
PDFバージョン | 1.4 | 1.4 | 1.7 | 1.7 | 1.7 | 1.7 | 1.7 | 1.7 |
フォントは埋め込まなければならない | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ICCプロファイルは埋め込まなければならない | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
XMP準拠のメタデータを含まなければならない | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
タグ付けされていなければならない | 〇 | × | 〇 | × | × | 〇 | × | × |
すべてのテキストはUnicodeに変換できなければならない | 〇 | × | 〇 | × | 〇 | 〇 | × | 〇 |
暗号化してよい | × | × | × | × | × | × | × | × |
LZW圧縮してよい | × | × | × | × | × | × | × | × |
外部コンテンツを参照してよい | × | × | × | × | × | × | × | × |
透明な画像を含めてよい | × | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
PDF/Aを添付できる | × | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
PDF/A以外のファイルも添付できる | × | × | × | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
※A-2とA-3の違いは添付ファイルの種類くらいなので基本的にA-2で十分かと思います。
結局
- 客先の指定があればそれに従う
- 無ければ使っているソフトウェア出力に準拠
- 電子帳簿法にバージョンまで指定はないと思います
- ただし、古いバージョンを使って不具合(読み込みが遅い等)が発生し、PDF/Aのバージョンを後から上げても不具合が解消されることはないです。基本PDFを作り直すことになる
- プリフライトエラーとバージョンの関係は不明