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Claude Code全盛期だからこそ伝えたい、Amazon Q Developer CLIのススメ

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はじめに

皆さん、Claude Code使ってますか?とても便利ですよね。
最初使ったときは結構感動しました。
やはり、「思考→実行→結果確認」のループを自動的に実施することがとても良いです。
例えば、実装した後にテストコードを作成させて、テストコードを実行させ、エラーが出た場合は自分で直させる、これが一気通貫でできるのはとてもメリットが多いと思います。

ただ、いつの時代も選択肢が一つしかないというのはいろいろな面においてリスクとしてとらえられることが多いです。
そこで、今回は新しい選択肢として、Amazon Q Developer CLIをお勧めしたいと思います。
特に、普段インフラ環境をAWSで構築されている方にとっては強力な選択肢の一つとなると思います。
Claude CodeとAmazon Q Developer CLI(以降はQ Develoer CLI)の比較を通して、どちらのツールにどういったメリットがあるのか、をお伝えしたいと思います。

注意事項

本記事はいずれのツールについても批判や、優劣をつける意図はありません。
それぞれのツールに最大限の尊敬をもって記事を書いています。
また、内容は記事執筆時点(2025年8月14日)の内容となります。

Q Developerは料金、高いんじゃないの?

「安心してください!!高くないですよ!」

やはり一番気になるのは、料金の部分ですよね。
Claude Code と Q Developer の料金を比較しました。

Claude Codeの料金

※APIキーを利用した従量課金のケースは除く

プラン 費用(月額) 利用可能モデル
Pro $20 Sonnet 4のみ
Max $100 Sonnet 4 + Opus 4

Claude Code 料金

Amazon Q Developerの料金

プラン 費用(月額) 利用可能モデル 備考
無料 $0 Sonnet 3.7, Sonnet 4 エージェント機能の利用は月当たり50件
Pro $19 Sonnet 3.7, Sonnet 4 エージェント機能は2025年9月1日まで追加費用なしで利用可能

料金だけを比較すると、ほぼ差が無い、もしくはQ Developerの方がメリットがあると思います。
※もちろん料金だけではなく、レートリミットなどをしっかり比較する必要はありますが、AWS側は詳細な情報を公開していないため、本記事では省略します。

また、Q Developerについては無料で利用できる枠があります。
一度エージェント機能どんなものかを試してみたい人にとってはとてもありがたいですね。

Amazon Q Developer Proのエージェント機能について

Proについては、現在公式ページにおいて以下の記述がありました。

Additional usage included through 9/1/2025***

Amazon Q Devveloper -Pricing Table-

エージェントモードについては、もともと7月30日まで追加料金なしで利用できており、この期限が一時的に延長された?ようです。

一時的にエージェント機能の利用が月当たり1000件に制限された、という記事もありましたが、現時点では削除されているようです。
参考:2025年8月1日からAmazon Q Developer のAgentic Coding に利用上限が設定されます

このあたり頻繁に更新されているようなので、9月1日時点で追加費用が発生するように改定される可能性もありますので注意が必要です。

性能はどうなの?ポンコツなんじゃないの?

「安心してください!!十分使えますよ!」

DynamoDBとLambda関数をCDKで定義しているプロジェクトにAPI Gatewayを追加依頼したときのイメージを載せます。
Claude Codeを利用させれた方はほぼ同じ感じで使えていることが分かると思います。

9CDD0DEE-6193-4B8A-BCE1-2E2AEDDF4E4D.GIF

最終的な結果は以下の感じです。

Snag_4daa56e.png

自分でAPIデプロイ後にcurlコマンドを使って動作確認までしてますね。すごい。
※実際に利用する場合、execute_bashツールを無条件で利用許可するのは危険なのでご注意ください。

どうせ機能的に使えないのあるんじゃないの?

「安心してください!!ほとんどの機能が使えますよ!」

MCP(Model Context Protocol)について

Q Developer CLIはMCPに対応しています。
任意のMCPツールを追加して拡張させることが可能です。

hookについて

hookとは、特定のタイミングで決まった処理をさせる機能です。
例えば、処理完了時にSlackに通知を飛ばしたり、などができます。

Q Developer CLIにもhook機能はありますが、Cloude Codeと比較すると機能は限定的です。
Claude Codeの方がより細かく設定がカスタマイズできます。

参考:

カスタムスラッシュコマンドについて

カスタムスラッシュコマンドとは、定型的な作業を事前に登録しておき、コマンド一発で作業を依頼できる機能です。
具体的な利用ケースについては非常に素晴らしい記事がありましたので、以下を参照ください。
社内で「え、そんなことできるの?」と話題になった Claude Code Custom slash commands の実践活用

これは現状Q Developer CLIでは利用できません。
ただ、現在機能要望のissueが上がっており、プルリクまで作成されているようなので、近いうちに機能が追加される可能性は高いです。

ただ、Q Developer CLIには似たような機能としてカスタムエージェント、という機能があります。
事前に設定したツール、説明に沿って動作するカスタムエージェントを設定することができます。
設定ファイルを見てもらうのが早いかと思いますので載せます。

AWS specialist custom agent

{
  "description": "Specialized custom agent for AWS infrastructure and development tasks",
  "tools": [
    "fs_read",
    "fs_write",
    "execute_bash",
    "use_aws"
  ],
  "allowedTools": [
    "fs_read",
    "use_aws"
  ],
  "toolsSettings": {
    "use_aws": {
      "allowedServices": [
        "s3",
        "lambda",
        "cloudformation",
        "ec2",
        "iam",
        "logs"
      ]
    },
    "fs_write": {
      "allowedPaths": [
        "infrastructure/**",
        "scripts/**",
        "*.yaml",
        "*.yml",
        "*.json"
      ]
    }
  },
  "resources": [
    "file://README.md",
    "file://infrastructure/**/*.yaml",
    "file://infrastructure/**/*.yml",
    "file://docs/aws-setup.md",
    "file://scripts/deploy.sh"
  ],
  "hooks": {
    "agentSpawn": [
      {
        "command": "aws sts get-caller-identity",
        "timeout_ms": 10000,
        "cache_ttl_seconds": 300
      }
    ]
  }
}

上記設定のカスタムエージェントは、CloudFormationデプロイができたり、CloudWatch logから情報を検索したりできます。
利用頻度が多いユースケースにおいては、事前にエージェントを登録しておくことで、作業効率化が図ることができます。
カスタムエージェントについては以下も参考になります。

Amazon Q Developer CLI カスタムエージェントで開発の混乱を乗り越えよう

補足:use_awsについて

Q Developer CLIのビルトインツールとして存在するuse_awsについてです。
簡単に言うとAWSのサービスの操作ができる機能です。
AWSはサービス操作のためにMCPを公開していますが、それぞれの違いについては以下の記事が分かりやすいので参照ください。

Amazon Q Developerのビルトインツール 'use_aws'の強みとは?

use_awsが利用できる点としては、Q Developer CLIの方が有利かと思います。

エージェントのオーケストレーションについて

エージェントのオーケストレーションとは、例えば、AWSに詳しい専用エージェント、フロントエンドに詳しい専用エージェントなどを事前に設定しておき、メインのエージェントが適宜専用エージェントに対して問い合わせを行うイメージです。
エージェント同士が共同作業を行うことで、単一のエージェントだけでは実現できないようなタスクを実現したり、より精度の高い成果を出すことができます。

実際のユースケースは以下が分かりやすいです。

Claude Code Sub agentsで常に最新の技術選定を行わせる

結論から言うとこれもQ Developer CLIではできません。
ただ、Q Developerにもカスタムエージェント機能はあるので、単一のエージェントのカスタマイズはできます。

Githubとの連携について(Claude Code Action)

これは簡単に言うとGitHub上で「@claude」をつけることで、作業を依頼することができるものです。
プルリクに対するレビューを依頼したり、issueに対する修正を依頼したりできます。
開発ワークフローにおいてGitHubを利用している場面は多いかと思いますので、うまく開発ワークフローに乗せることで効率的な開発フローを構築することができます。
具体的なユースケースは以下が分かりやすいです。

これのメリットとして、開発環境が不要になる、というメリットがあります。スマートフォンでプルリクを確認して、そのまま指示を出せば、出先や移動中でも並行して開発作業をさせることができます。

※なお、Claude Code Actionは、従来はAPIキーの従量課金利用のみでしたが、現在は個人利用に限定した場合、Pro/Maxプランでも利用可能です。

この機能はQ Developerにおいてプレビューとして提供されています。
なので、利用できますが、将来的に変更が入る可能性があるので、利用は慎重に検討下さい。

最後に

色々と書きましたが、それぞれのユースケースに沿って適切な選択をとるのが大切だと思います。
総合的にはClaude Codeの方ができる事は多い印象はあります。
ただ、既にAWSを利用しており、AWSにおけるアカウント管理が存在する場合は、Q Developerは非常に導入しやすいと思いますし、通常のユースケースにおいてはClaude Codeに引けを取らない機能がそろっていると思います。
料金的にも導入しやすい金額になっているので、もしAIエージェントツールの導入を検討されている場合は、強力な選択肢の一つとなると思います。

本記事が少しでも皆さんのAIエージェントツール導入の助けになれば幸いです。

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