はじめに
令和 6 年秋の情報処理安全確保支援士試験に、おかげさまで一発合格することができました! この試験に向けて勉強する中で、多くの先人たちの体験談に大変助けられました。そこで、この記事では、私がどのように試験対策を行い、一発合格を達成できたのか、その具体的な方法とスケジュールを共有し、今後試験に臨む方々の助けに少しでもなればと思っています。
勉強前の私のプロファイルと試験への効果
- 地方国立大出身 → センター試験を経験していたことは大きなプラスでした。
- 前職:インフラ部署(プロマネ、サーバー系インフラ設計・構築・運用)を 5 年 → この経験が、サーバーやネットワークに関する知識の基盤となりました。
- 現職:ISMS 運用を中心としたコーポレートセキュリティ経験 2 年(ただし主務は別で、稼働時間の 1, 2 割程度) → セキュリティ管理の全体像を把握する上で役立ちました。
- 現職:Web 系 SaaS の CRE を 2 年 → Web アプリケーションのセキュリティに関する知識や、開発プロセスにおけるセキュリティの重要性を理解する上で役立ちました。
- 現職:CSIRT を 1 年(兼務。弊社では現在インシデントレスポンスのみの役割。) → 実際的なインシデント対応の流れの理解が役立ちました。
勉強スケジュール
試験を受けようと思い立ったのが 5 月頃でしたので、比較的余裕を持ったスケジュールで勉強に取り組むことができました。大まかな流れは以下の通りです。
- 基礎インプット( 5 月 ~ 7 月初旬): 試験範囲全体の基礎知識を網羅的に理解することを目指しました。
- 午前 Ⅰ 対策( 7 月中旬 ~ 8 月初旬): 午前 Ⅰ の範囲を参考書と過去問で集中的に対策しました。
- 午前 Ⅱ 対策( 8 月中旬 ~ 9 月初旬): 午前 Ⅱ の範囲を参考書と過去問で対策しました。
- 午後対策( 9 月中旬 ~ 9 月下旬): 午後問題の傾向を把握し、解答のコツを掴みました。
- 総仕上げ( 10 月初旬): 午前 Ⅰ, Ⅱ の過去問を再度解き、苦手分野の克服と点数アップを狙いました。
基礎インプット( 5 月 ~ 7 月初旬)
週に 2, 3 日、往復 2 時間ほどの通勤時間時間を使い、以下の Kindle Unlimited で読める教材を読み進めていました。
- ゼロからスタート! 教育系YouTuberまさるの情報処理安全確保支援士1冊目の教科書 → セキュリティの概要を体系立てて掴むために選びました。初心者にも分かりやすく、イラストも豊富で抵抗なく読み進めることができました。
- イモヅル式 応用情報技術者午前 コンパクト演習 → 情報処理技術者試験の基礎知識を効率的に学習するために活用しました。キーワードから関連知識を芋づる式に学べる点が気に入っていました。
午前 Ⅰ 対策( 7 月中旬 ~ 8 月初旬)
以下の参考書を一通りやりました。並行して、通勤時間を利用して過去問道場を活用し、5 年分の過去問を1巡しました。計算問題など、じっくり取り組むべき問題には見直しマークをつけ、自宅で時間を確保して解くようにしていました。あとは平日の夜は気が向いた時に 1, 2 時間程度勉強する程度で、月あたり 10 ~ 20 時間プラス通勤時間の過去問道場に費やした 20 時間ほどの勉強時間だったと思います。
- 2024年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター 共通午前1 → 午前 Ⅰ 対策として網羅性が高いと評判だったので選びました。解説が丁寧で、知識の抜け漏れを防ぐのに役立ちました。
午前 Ⅱ 対策( 8 月中旬 ~ 9 月初旬)
午前 Ⅰ 対策と同様の勉強法で取り組みました。参考書を読み込み、過去問道場で過去問を 5 年分解きました。
- 2024年度版 ALL IN ONE パーフェクトマスター 情報処理安全確保支援士 → 午前 Ⅱ と午後問題の両方に対応しているため、選びました。午前 Ⅱ 対策としては、各分野の知識を深める上で非常に役立ちました。
午後対策( 9 月中旬 ~ 9 月下旬)
午前 Ⅱ 対策で購入した参考書の午後問題対策部分を1巡しました。通勤時間の過去問道場は継続していましたが、午後対策に費やした時間は 10 時間程度だったと思います。
これは、参考書を1巡するだけで午後問題の出題傾向を掴めたこと、そして、問題を解く際に、センター試験の現代文や英語長文読解のように、問題文を前から読み進め、下線部に当たったら設問を解くという進め方で対応できると気づいたためです。 問題文の構造や設問の意図を把握する上で、これらの読解問題と共通する部分が多いと感じました。そのため、あえて他の過去問には手を広げず、この参考書のみ実施しました。
総仕上げ( 10 月初旬)
過去問道場を活用して、通勤時間などに午前 Ⅰ, Ⅱ の過去問を解き直したり、午前 Ⅰ 分野で苦手意識のある問題を重点的に復習したりしていました。この時期は、通勤時間の勉強に加えて、平日の夜に 2 時間、休日に 2, 3 時間ほど勉強時間を確保するようにしていました。具体的には、過去問道場で間違えた問題の中から、頻出で公式を覚えるだけで点を取れそうなものを選んで繰り返し解くようにしていました。
まとめ
私の場合は、業務でセキュリティに関する知識に触れる機会が多かったため、試験対策としては細かい知識の確認や復習が中心となりました。また、センター試験の勉強で長文読解問題の解き方に慣れていたこと、そして、試験本番まで比較的長い期間を確保できたことも、午前 Ⅰ, Ⅱ、そして午後問題の対策を無理なく進められた要因だと考えています。(総勉強時間は約 150 時間 / 5.5 ヶ月)
久しぶりの試験勉強でしたが、効率的に学習を進め、合格という結果に繋げることができて本当に良かったです。情報処理安全確保支援士試験は決して簡単な試験ではありません(今回は特に難化して合格率が 15% 程度でした)が、計画的に対策を進めれば合格できると思います。 この記事が、私と似たようなプロファイルの方だけでなく、これから情報処理安全確保支援士試験に挑戦される多くの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。皆さんの合格を心から応援しています!