リニアモーターカーの試乗に当たりました。そこで、山梨の実験センターまで乗りに行き、iPhoneで加速度等を測ってみました。実は2度目なのですが、前回はミスで上手く測れて無かったので、今回はリベンジです。
使用したのはiPhoneのアプリ「SensorLog」です。このアプリは加速度だけではなく、角速度や姿勢、GPSデータ、気圧計などのデータも含めて100Hzで保存するという優れものです。これを2台のiPhoneで動かして、平均を取っています。
リニアの試乗は約30分、実験線を2往復します。ただし乗降駅が途中にあるので、最初は駅からバックで東京側の端まで走行し、そこから前に500km/hを出して長野側の端へ。さらにまた500km/hでバックして東京側へ。(この際最初よりも、やや長野側に停車する模様。)そして駅に戻るという、足し算すると2往復になる感じです。
早速加速度を取り出してみます。正が東京側への加速です。加速度だけ見ると、新幹線と同じぐらいですね。
いやいや、iPhoneの加速度計ごときで、最初と最後がこんなにぴったりと合うわけないじゃん、と思われるかもしれませんが、はい、その通りです。実際には積分するとかなり発散してしまうため、
- 最初と最後は同じ位置
- 最初と最後は速度が0
といった拘束条件を取り入れて、加速度計のバイアスなどを修正しています。そこまでやると、何となくそれらしいグラフが作れるものですね。
赤い線がGPSの記録で、オレンジの部分はGPSの誤差(標準偏差?)を表しています。トンネルが途切れるような所でしか取れていないので、線が水平になっている部分では一番左端の点のみが信用できると思われます。それを考慮すると、まあまあ良い線を行っていると思います。
次のグラフは、位置と速度の相平面図です。横軸に位置、縦軸に速度を取ってプロットするとこんな感じになります。電車に詳しい人って、この図が好きですよね。
速度と加速度の相平面図です。
最初の5秒間を取り出すとこんな感じ。
130km/h辺りで急に落ちていますが、ちょうどリニアが車輪走行から浮上走行に切り替わった瞬間がここです。車輪抵抗が無くなるので加速度はむしろ上がりそうなものですが、下がっているのは加速に使っていた電力の一部を浮上用に回すから?
不満点は、500km/hの定速区間がもっと長かった気がすることです。色々なノイズを拾ってしまい、iPhoneでは限界があります。データを見て楽しむぐらいはなんとか出来るかなという感じです。