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完全図解!AWS Well-Architected Framework パフォーマンスの柱はこう変わった!

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Are you Well-Architected?

みなさん、Well-Architected を意識していますか?

2023年10月3日に AWS Well-Architected Framework が約2年ぶりにメジャーアップデートされました。
本記事では、今回のアップデートの中から パフォーマンスの柱 に着目し、

  • アップデート前後でどのように変わったのか?
  • 今後はパフォーマンスの柱とどのように向き合えばよいのか?

といった観点で なるべく初心者にもわかりやすく 解説していきます。

本記事は、JAWS-UG横浜 #60 のLT「AWS Well-Architected Framework パフォーマンスの柱はどう変わったのか?」の解説記事に当たります。

結論:パフォーマンスの柱はこれだけ覚えておけば大丈夫!

忙しい方やせっかちな方向けにまずは結論を。
パフォーマンスの柱は、以下の図さえ覚えておけば大丈夫です!

image.png

詳細解説

結論を述べたところで、ここからは詳しく解説していきます。

AWS Well-Architected Framework のアップデート

2023年10月3日に AWS Well-Architected Framework が約2年ぶりにメジャーアップデートされました。
改訂内容は以下のとおりです。

image.png

なお、本記事では「パフォーマンスの柱」に着目していますが、全体的なアップデート内容については、以下で詳しく解説されているので、興味のある方はぜひこちらもご覧ください。

パフォーマンスの柱はどう変わったのか?

AWS Well-Architected Framework には「設計原則」や「ベストプラクティス」など、いくつかの構成要素がありますが、今回はその中の「質問」に着目して見ていきましょう。

アップデート前後を比較すると、元々、8つあった質問が5つに減っています。

image.png

もう少し詳しく見てみましょう。

image.png

新旧を比較してみると、

  • 旧 [PERF 1] と 新 [PERF 1] はアーキテクチャに関する質問でほぼ同じ
  • 旧 [PERF 2] と 新 [PERF 2] はコンピューティングに関する質問でほぼ同じ
  • 旧 [PERF 3] のストレージと 旧 [PERF 4] のデータベースは「データの保存、管理、アクセス」という表現で新 [PERF 3] に統合
  • 旧 [PERF 5] と 新 [PERF 4] はネットワーキングに関する質問でほぼ同じ

ということがわかりました。

ただ、旧 [PERF 6] ~ [PERF 8] と 新 [PERF 5] の関係性は質問を見ただけではわかりません・・・。

新しい PERF 5 を詳しく見てみる

では、続いて、新 [PERF 5] の内容を詳しく見てみましょう。

image.png

新 [PERF 5] には7つのベストプラクティスが含まれていました。
これらのベストプラクティスは以下の3つの観点に分類できます。

  • モニタリング
  • テスト
  • 改善

image.png

さて、新 [PERF 5] を詳しく見てみたところで、新旧の比較に戻ってみましょう。

image.png

旧 [PERF 6] は先ほどの分類では「改善」に当たります。
旧 [PERF 7] は「モニタリング」ですね。
つまり、旧 [PERF 6] と 旧 [PERF 7] は 新 [PERF 5] に統合されたと考えてよいでしょう。

しかし、旧 [PERF 8] の「トレードオフをどのように使用するとパフォーマンスが向上するのですか?」はどうでしょう?
「モニタリング」にも「テスト」にも「改善」にも当てはまりません。
ということは、旧 [PERF 8] は廃止されたのでしょうか・・・?

実は 旧 [PERF 8] は 新 [PERF 1] に統合されていた

ということは、旧 [PERF 8] は廃止されたのでしょうか・・・?

と思いましたが、新しい質問を詳しく見ていくと、実は 新 [PERF 1] に含まれていることがわかりました。

image.png

これはおそらく、 「トレードオフを正しく理解した上でアーキテクチャを選択しましょう」 ということを示唆しているのだと思います。

パフォーマンスの柱はこう変わった

というわけで、新旧の質問を比較した結果、以下のように変わったことがわかりました。

image.png

結局のところ、いくつかの質問が統合されたり、表現が変わったりしていますが、 本質的な部分は変わっておらず、構成や表現が分かりやすく変わった と私は結論付けました。

image.png

まとめ

ここまで、パフォーマンスの柱に関する新旧の質問を比較し、どのように変わったのかを見てきました。

最後に、新しくなったパフォーマンスの柱を自分なりの解釈でスライド1枚にまとめてみました。

image.png

[PERF 1] ~ [PERF 4] はアーキテクチャに関する質問です。
[PERF 1] がアーキテクチャ全体に関する質問で、[PERF 2] ~ [PERF 4] はアーキテクチャの構成要素に関する質問です。
[PERF 5] はパフォーマンスを高めるために何をするのか?というプロセスや文化に関する質問です。
その中には「テスト」や「モニタリング」、「改善」といった観点が含まれています。

各質問の中には、より詳細な観点やベストプラクティスが含まれており、この図がすべてではありませんが、初めて AWS Well-Architected Framework に触れる方は、この図を念頭に置いて詳細を読み解いていくと、理解しやすくなるのではないかと思います。

あとがき

AWS Well-Architected Framework は慣れないと分かりづらいところもあると思いますが、うまく活用することで品質向上の役に立つフレームワークです。
本記事が AWS Well-Architected Framework を理解する一助になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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