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KiCadオレオレ製作ワークフロー

Last updated at Posted at 2018-10-09

趣味向け

アートワーク経験無しから半年ぐらい何枚か作ったオレオレ手法
KiCadの詳しい説明はしない

製作フロー

順序立てて書くが、ソフトウェア開発と同様に
必ずしも一方通行ではなく、手戻りやサイクル回したりで進める

主要部品の選定

しっかりと回路図書く前から何となく数が確定しているもの、例えばICやコネクタを選ぶ

選定時には電気的な機能以外にも

  • パッケージ
  • 入手可能性
  • 予算

などを考えて選ぶ。
抵抗やコンデンサなどは数量や値の変更が多いので設計後に選定でいい。

パッケージ

手半田で実装しようとしているのにBGAパッケージを選ぶとか
基板サイズに制約があるのにバカでかいパッケージ選ぶとか
そういうミスに気をつける

基板サイズに関しては手書きでもなんでも軽く配置図を描いてみると
手戻りが少なくなっていい

入手可能性

電子部品は大量に現れては消えていくので
昔使った事があっても現在製造中かは確認しておいたほうがいい

予算

軽い気持ちで使ってみようと思ったICが実はすんごく相場が高かったみたいなことがあるので注意する

コネクタなんかも2.54mmピンヘッダならともかく、
高速信号用の基板対基板コネクタ、こんなのとか結構高いので油断しない

回路図コンポーネントの作成

デフォルトのライブラリにない部品や、
回路図での表示が気に食わない部品は自分で作る。

ライブラリ新規作成時にグローバルライブラリとローカルライブラリ選べるが、
ローカルのほうがPC環境変わったときに使いやすい

なお、KiCadの部品の扱いは、
回路図のシンボルとフットプリントで完全に独立しているので、
ピンの機能と番号が合っていれば、別のもので流用しても全く問題ない。
(シンボル作成時にフットプリント設定できるが、あれは割り当て時に検索を楽にするだけ)

例えば2回路入り8ピンのオペアンプはピン配置がほぼ決まっているので
いちいち作らなくてもDevice > Opeamp_Dual_Genericを使って
わかりやすいように使いたいオペアンプの型番に定数を書き換えればいい

プリインストールのシンボル一覧はここ

ライブラリ用プロジェクト

2,3プロジェクトだけなら大して問題にならないが、何種類も基板を作っていると、ライブラリの再利用性に問題が発生する。
とくに途中でフットプリント修正したりするとどっちが最新かわからなくなったりして管理が面倒になる。

そこでライブラリを編集する専用のプロジェクトを作り、実プロジェクトにはエクスポートするようにすると管理が楽になる。

回路図の作成

KiCadの使い方を調べて頑張る

ショートカットキー覚えると作業効率が上がる...というか覚えないと効率が死ぬほど悪い。

  • 単体コピー(c)
  • 配線(w)
  • 定数書き換え(v)
  • x軸反転(x)
  • y軸反転(y)
  • 回転(r)
  • 画面のパン(中ボタンドラッグ)

ぐらいは覚えておくといい。

あとなるべく機能ごとに階層シートで分けておくと
アートワークのときに部品がまとまって楽になる。

フットプリント割り当て

回路図上のシンボル1つ1つが、どのフットプリントになるかを割り当てる
インストールされているフットプリントがなければ自分で書く必要があるが、
よっぽど変な部品を使わない限りは標準ですでにある。

セラミックコンデンサは容量によってはサイズが限られるので注意
私はパスコンに0.1uFは0402、10uFは0805(EIAサイズ)を使っている。

プリント基板描き

業者を決める

製造業者ごとに製造仕様(最小配線間隔やスルーホールの最小径など、デザインルール)が異なるので、予め決めておく。

デザインルールを決める

製造業者の仕様を見ながらデザインルールを決める。
最小配線幅/間隔:0.2mm/0.2mm
ビア直径/穴直径:0.8mm/0.4mmとかにしておけば大体どこでも作れる
(確認はすること)

KiCadの設定以外での縛りもあるが、設計中に人力で注意する(ビア間隔とか)

(プラグインとかあるんかな?)

アートワーク

プリント基板製造業者がいろいろ設計の注意点を出しているので参考にする。

  • なるべく配線は短く
  • 配線を曲げるときは45度ずつ
  • 無理なく実装できる配置間隔にする

ことを気をつけていればとりあえずOK
細かいことは宗教戦争になるので割愛。

KiCad的な話だと、

  • やっぱりショートカットを覚えないと辛い。
  • 設計時はハイコントラストモードにすると見やすくておすすめ
  • 3Dビューワが確認に便利

発注

部品表作成

回路図エディタのプラグインにBOM(部品表)をCSVで書き出す機能が標準でついているのでそれを使う。
定数とフットプリントでグルーピングするのがおすすめ

書き出したCSVにメーカー品番を追記していく

例:

Ref MPN Qnty Value Cmp name Footprint Description Vendor
... ... ... ... ... ... ... ...
R9, R13, RC0402JR-072KL 2 2k R Resistor_SMD:R_0402_1005Metric Resistor Yageo
... ... ... ... ... ... ... ...

bom_csv_grouped_by_value_with_fpで出力したCSVにMPN列を追加している

部品の購入

持ってない部品は買う。
DigikeyならCSVやエクセルをアップロードすれば簡単にカートやオンラインBOMに追加できる。便利。
在庫がある部品を買っていれば5営業日ぐらいで届く。
実装ミスを考えて余裕をもった数量を買う。(1.2倍端数切り上げぐらい)

ペーパーデバッグ

フットプリントの設定ミスや部品の発注ミスなどで
基板のフットプリントと主要部品のパッケージがあってないというミスはかなりのあるあるネタ

それを防ぐためには、等倍で印刷し、購入部品を乗せてみるという超アナログ手法が効果的

面倒でも

  • 使用実績の無い部品
  • 新しくフットプリント描いた部品
  • 基板対基板コネクタの位置

ぐらいは確認しておくといい。

他にもシルクが重なってたり配線おかしかったりといったミスが印刷すると何故か気づく。

基板発注

製造業者の説明見て、指定のフォーマットでガーバーなどを提出。

おまけ

人類が肉眼とはんだごてで実装できる部品パッケージ

人類と銘打っておいて私の技量の話だが、
チップ部品は0402(1005メートル法 = 1mm x 0.5mm)が限界
普通にパッド片方づつはんだ付けしてもいいし、
場合によっては両方いっぺんに加熱して半田に沈めれば表面張力で勝手にいい位置に収まる

ICは

  • 側面に足が見えている
  • 底面のパッドが1つ以下

ならいける。

底面のパッドは1mm~1.5mm穴径のスルーホールを空けて
裏側からはんだごてを当てて加熱し、はんだ付けする
パッド3mm角あたり1つぐらい穴開けるといい

参考
Make:Japan QFNパッケージをリフローオーブンを使わずにハンダ付け

もちろんちゃんとやるならリフロー実装する

セラコンのパッケージと容量別の定格電圧(最高値)

パスコン用にDigikeyで調べた
近年セラコンが不足しまくっているので
この表にあっても在庫がないことがままある

xは存在しない
空欄は調べていない

調べたのはちょっと前なので参考程度に

温度係数 X7R

EIA 0.1u 1.0u 10u 22u
0402 50V 6.3V x x
0603 100V 50V 6.3V x
0805 25V x
1206 10V
1210 16V

温度係数 X5R

EIA 10u(X5R) 22u(X5R)
0402 10V 6.3V
0603 35V 10V
0805 35V

Interactive Html Bom Plugin for KiCad 5.0

フォーラム
部品表と基板図を表示するhtmlを生成してくれるプラグイン
部品表の部品をマウスオーバーすると基板図でハイライトしてくれる

実装時にとっても便利

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