Push通知やアプリ内メッセージを簡易に導入し、分析できるツールにOneSignalがあります。本記事ではFlutterにOneSignalを導入し無料でプッシュ通知を送信する方法を紹介します。
また、プッシュ通知のユースケースとして、イベントを契機に送信するという事が多いと思います。こちらについて簡単な例を紹介します。
OneSignalの良いところ
- プッシュ通知を送るだけなら無料プランでも可能
- プッシュ通知送信数はプランに関わらず無制限
- 管理画面上からイベントをトリガーに送信も可能
- 導入が簡単でドキュメントが充実している
導入方法
Flutterで導入する方法は以下の公式ドキュメントの通りに行うと良いです。
注意点を挙げておきます。
-
NotificationServiceExtension
の導入もされていますが、リッチプッシュ等の機能を使う際に必要なものです。必ずしも実装する必要はないです。
イベントを契機にプッシュ通知送信
概要
ここではイベントを契機にプッシュ通知を送るという機能を作成する方法を紹介します。
手順は以下になります。各機能は後述します。
- イベント対象のデータを
Data Tags
を使用してユーザーに登録する - 1で登録した
Data Tags
を用いてSegments
を設定する - 2で登録した
Segments
を配信対象としてAutomated Messages
を設定する。
Data Tags
Data Tagsを使う事でユーザーに対してkey-vakue形式でデータを紐づける事ができます。
例えば購入商品数をユーザーに持たせるとしてpurchase_count: 10
といった形です。このData Tags
は後述するSegments
を作成する際の条件に使用できます。
Segments
Segments
はユーザーが持つ属性やデータに基づいてセグメンテーションできる機能です。例えば「初回起動からx時間後」や、「Data Tagsのkey xxxの値がyyyである」といったセグメンテーションが可能です。
Automated Messages
ユーザーがSegments
に入った事をトリガーにして自動でプッシュ通知やメールを送信する機能です。
実装、設定例
以下初回起動から2日目で購入数というパラメータが0のユーザーに対してプッシュ通知を送る際の例を示します。
Flutter側
-
OneSignal
の設定 - 購入数の同期
を行います。
OneSignal
の設定
以下の実装を任意の場所で行います。基本的には起動時すぐに呼ばれる箇所に実装するのが良いと思います。
// OneSignalにユーザー登録
OneSignal.shared.setAppId("YOUR_ONESIGNAL_APP_ID");
// プッシュ通知を開いた際のコールバック。必要であれば実装する
OneSignal.shared.setNotificationOpenedHandler((OSNotificationOpenedResult result) {
// Will be called whenever a notification is opened/button pressed.
});
購入数の同期
Data Tags
を使用し、購入数としてpurchase_count
というkeyで購入数を登録します。
購入数の変化がある際に以下のようにOneSignalと同期します。
void updatePurchaseCount() {
final purchaseCount = // 現在の購入数を取得;
OneSignal.shared.sendTag("purchase_count", purchaseCount);
}
purchase_count
を同期したユーザーのプロフィールを確認し、以下のように同期されていれば完了です。
OneSignal管理画面
-
初回起動から2日目で購入数が0という
Segments
を作成します -
1で作成した
Segments
を使用してAutomated Messages
を作成します
Automated Messages
の対象Segments
に上記で作成したものを設定します。これで設定は完了です。
条件を満たしたユーザーに対して自動でプッシュ通知が送られるようになります。
その他
プッシュ通知が送信されるまでのラグについて
Automated Messages
について、無料プランの場合はユーザーがSegments
に入ってからPush送信まで数時間程のラグが発生する場合があると記載があります。
https://documentation.onesignal.com/docs/automated-messages#step-3-delivery-schedule
筆者が試した所、記載の通りラグが発生する事が時折ありました。
即時Push通知を送る事が必要な場合は有料プランを使用する必要があります。
課金対象ユーザーについて
課金対象となるユーザーはユーザー一覧の中でSubscribedがチェックされているユーザーのみとなります。
Permission Not Granted
やApns Delegate Never Fired
のユーザーは対象外となります。
またアプリをアンインストールすると自動で購読者から外されます。
External User Idについて
各サービス毎にユーザーのidを管理していると思います。これをOneSignalに連携させる事で
また、何か問題があった際にどのユーザーなのかという事が特定しやすくなります。
OneSignalではExternal User Id
というユーザーに対して独自の識別子を設定できる機能があります。これを使用すると良いです。
Journeysについて
ユーザーの行動に応じて連続したアクションを設定できるJourneys
という機能もあります。
これは無料プランでは使用できないので本記事では紹介しておりません。