まず初めに
この記事はまだまだペーペーである筆者が自分の考えていたことを後から見直せるように、考えていることを言語化して整理するために書いているものです。なにか勉強になる記事を求めている方は別の記事を読むことを推奨します。
ユビキタス社会
今の自分の考えに基づき定義します。
この記事においてユビキタス社会とは、コンピュータシステムが人間の明確な指示がなくても自律的に動作し、人間の意識下、非意識下の両方で生活を円滑、最適化出来るようにサポートしてくれている社会と定義します。
人間の意識下、非意識下
技術が発展していくほど人が意識するものはどんどん高次の物へと移り変わっていきます。例えば、自動ドアなんかが分かりやすい例だと思います。自動ドアにも小さなコンピュータが搭載されていてセンサで人を感知し適切にモータを回すことでドアの開閉を行っていますが、多くの人はそんなことは意識していません。建物に入るためにドアに近づくことでドアが開くという認識しか持っていません。これは決して悪いことというのではなく、技術の発展により人間の生活が便利になったということです。この便利になるという事の本質的な意味は、人間の脳に置いておかないといけないことを減らし、より高次なものへ脳のリソースを使うことが出来るようになることだと考えます。この例から分かるように、ユビキタス社会の定義で述べた生活を円滑、最適化することは、なるべく人間の意識下に置かないといけないことを非意識下に移行することと考えられそうです。ただし、すべて非意識下でコンピュータが動いているのでは、それはコンピュータに人間の生活を制御されているのと同じであり、あくまでも人間の意思によって行うことを非意識下でサポートすることが重要と考えます。
インターフェイスの限界
従来のコンピュータへのインターフェースとして代表的なものにGUIがあります。GUIの開発は直感的にコンピュータを操作出来るようになったという意味で革新的な開発でした。しかし、ユビキタス社会を実現するうえではGUIによって行われる情報のやり取りには"情報量"という観点で限界があると考えます。この問題を解決するインターフェースは自然言語の"対話"によるインターフェースであると考えます。この考えを持ったのは、ChatGPTが公開されたときでした。上記のように限界があると考え、何か新しいインターフェースを構築できないかと考えていた時に、ChatGPTが公開され、コンピュータに対して自然言語という情報が圧縮されたものを用いて操作出来ることに感動を覚えました。
自然言語の凄さ
とある有名な言葉で「人類最大の発明は"言葉"である」というものがあります。これは、人間は言葉を発明したことで抽象的な事を思考したり表現する能力を獲得し、またこれを後世に残すことが出来るようにしたというものです。僕は"情報量"という観点で、抽象的な事を表せるようになったという事が一番価値が大きいと考えます。世の中に存在するものすごい情報量のものを言葉という短いものに圧縮し、これをつなげることで文脈としてコミュニケーションすることを可能にしたのです。数学の厳密さと自然言語の表すあいまいな概念を比較するとこの"情報量"の多さが分かりやすいと思います。(数学も現実世界の情報を圧縮してあらわしているのですが)こんな多くの情報量を含んだ自然言語を扱う事が出来るのが、ChatGPTで有名なLLMの技術であり、この技術によるインターフェースで既存のソフトウェアは大きな進化を遂げることが出来ると考えます。
LLMの凄さ
自分は自然言語処理に全く詳しいわけではないのですが、そんな視点から、LLMの最も革新的な所は、言語を理解しているように振る舞う事が出来ることだと考えます。これはすなわち、言語という短いものを使って複雑な概念、意図をコンピュータに伝えることが出来るという事を意味します。また、"対話"が出来ることにより意思の伝達ミスなどを修正していく事が出来ます。これにより、上述の"情報量"の観点でインターフェースに革新を生めると考えます。
LLMをインターフェースとして使う
一括りにインターフェイスと言っても、LLMが役割を果たすインターフェースは二種類あると考えます。人とコンピュータのインターフェース、そしてコンピュータとコンピュータのインターフェースです。まず、人とコンピュータのインターフェースについては既に述べている通り、LLMは"対話"によって"情報量"に革新を起こせると考えます。面白いのは、コンピュータとコンピュータのインターフェースの方です。今まであまり無かった概念なのではないかと思います。LLMが基盤となり、まるで知能をもった人間のように大きなタスクを実行するために下流のソフトウェアへ処理を流し、時には下流のソフトウェア駆動でコンピュータたちが自立的に連携して動作していく、そうして人の非意識下で人をサポートする。そんな未来を期待したいし、僕自身もそんな世界で価値のあるエンジニアとなれるよう頑張っていきたいです。