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GEB 字形的数論(TNT)チートシート

Last updated at Posted at 2016-08-02

TNT チートシート

命題計算

原子

P Q R
P` Q` R`
P`` Q`` R``
……

構成規則

もし xy が論理式ならば、次の4つもやはり論理式である。

~x
<x ∧ y>
<x ∨ y>
<x ⊃ y>

推論規則

  • 結合規則
    • もし xy が定理であれば、<x ∧ y> もどちらも定理である。
  • 分離規則
    • もし <x ∧ y> が定理であれば、xy もどちらも定理である。
  • 切断規則
    • もし x<x ⊃ y> が定理であれば、xとyもどちらも定理である。
  • 二重波線規則
    • 記号列 ~~は自由に削除・挿入してよい。(ただし結果が論理式になる場合に限る)
  • 対偶規則
    • <x ⊃ y><~y ⊃ ~x> とはとりかえてよい。
  • ド・モルガンの規則
    • <~y ∧ ~x>~<x ∨ y> とはとりかえてよい。
  • スイッチャルーの規則
    • <x ∨ y><~x ⊃ y> とはとりかえてよい。

空想規則

[         // 空想に入る
  P       // 前提
  ~~P     // 結果
]         // 空想からの脱出
<P ⊃ ~~P> // 結論 Pならば~~P

空想の中で、ひとつ高いレベルの「現実」の定理を持ち込んで使用することができる。

字形的数論

数詞

O       // ゼロ
S O     // 1
S S O   // 2
S S S O // 3
……

変数

a b c d e
a` b` c` d` e`
a`` b`` c`` d`` e``

加算・乗算

(SO+SO)
(SSO+SO)
((SSO+SO)+SSO)
(SSO+(SO+SSO))
(SO・SO)
(SSO・SO)
((SSO・SO)・SSO)
(SSO・(SO・SSO))

論理式

原子

もし st が項であれば、 s=t は原子である。

SO=O
(SSO+SSO)=SSSSO
S(b+c)=((c・d)・e)

変数を含む場合、その変数は自由である。

否定

論理式の前に ~ をつけたものも論理式である。

~SO=O
~(SSO+SSO)=SSSSO
~b=SO
~<O=O ⊃ SO=O>

複合

もし xy が論理式で、一方で自由な変数が他方で束縛されているようなことがなければ、次の列はどれも論理式である。

<x ∧ y>
<x ∨ y>
<x ⊃ y>

限定記号

もし u が変数で、x が論理式で x の中に u が自由変数として含まれていれば、次の列はどちらも論理式である。

∃u:x
∀u:x
(b+SO)=SSO    // 自由変数を含む開いた論理式
∃b:(b+SO)=SSO // 存在記号 (b+SO)=SSOとなるbが存在する
∀b:(b+SO)=SSO // 全称記号 全てのbについて(b+SO)=SSOとなる

公理

∀a:~Sa=O
∀a:(a+O)=a
∀a:∀b:(a+Sb)=S(a+b)
∀a:(a・O)=O
∀a:∀b:(a・Sb)=((a・b)+a)

特殊化規則

x が 変数 u を含むと仮定する。

もし ∀u:x が定理ならば、 x も定理であり、また x の中のすべての u をある同一の項で置き換えて得られる列もやはり定理である。

(制限 u に置き換わる項は、 x の中の束縛変数を含んでいてはいけない)

一般化規則

x を定理とし、 x の中に自由変数 u が含まれているとする。

そのとき ∀u:x も定理である。

(制限 空想の中で、その空想の前提の中に自由変数として現れている変数については、一般化は許されない)

交換規則

u が変数であるとき、列 ∀u:~~∃u: とは、どの定理のどの部分においても置き換えてよい。

存在規則

ある項(自由変数を含んでいてもよい)が、ある定理の中に1回以上現れているとする。そのときのその項のどれか(またはいくつか、または全部)を一つの変数で置き換え、そして対応する存在記号をその前に置くことができる。

ただしその変数は、定理の他の場所で使われていないものに限られる。

等号規則

  • 対称性 もし r=s が定理ならば、 s=r も定理である。
  • 推移性 もし r=ss=t が定理ならば、 r=t も定理である。

後続規則

  • S入れ もし r=t が定理ならば、 Sr=St も定理である。
  • S取り もし Sr=St が定理ならば、 r=t も定理である。

帰納規則

u をある変数、 X{u} をある論理式で、自由変数 u を含むものとする。

X{Sa/a} は、全ての自由変数 aSa で置き換えて得られる列を表す。

もし ∀u:<X{u} ⊃ X{Su/u}>X{O/u} が両方とも定理であれば、 ∀u:X{u} も定理である。

出典

『ゲーデル、エッシャー、バッハ - あるいは不思議の環』(ダグラス・ホフスタッター著、野崎昭弘、はやしはじめ、柳瀬尚紀 訳)

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