はじめに

DjangoはPython製の人気Webフレームワークで、「管理画面」「認証」「ORM」など実用的な機能が標準装備されています。この記事では、Django未経験者でも1時間で動くWebアプリを作れることを目指し、環境構築からシンプルなアプリ作成までを丁寧に解説します。

1. Djangoのインストール

まずはDjangoをインストールしましょう。Pythonがインストールされていれば、コマンド1つでOKです。

pip install django

2. プロジェクトの作成

Djangoでは「プロジェクト」と「アプリ」という単位で開発します。まずはプロジェクトを作成しましょう。

django-admin startproject myproject
cd myproject

3. アプリの作成

次に、Webアプリの機能単位となる「アプリ」を作成します。ここでは「hello」というアプリを作ります。

python manage.py startapp hello

4. ビューの作成

hello/views.pyを編集し、Webページの表示内容を記述します。

from django.http import HttpResponse

def index(request):
    return HttpResponse("Hello, Django!")

5. URLの設定

アプリのURLをプロジェクトに登録します。

1. アプリ側のURL設定

hello/urls.pyを新規作成し、以下を記述します。

from django.urls import path
from . import views

urlpatterns = [
    path('', views.index, name='index'),
]

2. プロジェクト側のURL設定

myproject/urls.pyを編集し、helloアプリへのルーティングを追加します。

from django.contrib import admin
from django.urls import path, include

urlpatterns = [
    path('admin/', admin.site.urls),
    path('', include('hello.urls')),  # ここを追加
]

6. サーバーの起動と動作確認

開発用サーバーを起動します。

python manage.py runserver

ブラウザで http://127.0.0.1:8000/ にアクセスすると「Hello, Django!」と表示されれば成功です。

7. 管理画面を使ってみよう

Djangoの大きな特徴は「管理画面」。まずは管理ユーザーを作成します。

python manage.py createsuperuser

指示に従ってユーザー名・メール・パスワードを設定。

サーバー起動中に http://127.0.0.1:8000/admin/ にアクセスし、ログインすると管理画面が使えます。

8. テンプレート（HTML）の利用

HTMLファイルを使って、よりリッチなWebページも作れます。

1. テンプレートフォルダを作成

hello/templates/hello/index.html を作成し、以下のように記述します。

index.html

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
    <title>Hello Django</title>
</head>
<body>
    <h1>{{ message }}</h1>
</body>
</html>

2. ビューを修正

hello/views.pyを以下のように変更します。

from django.shortcuts import render

def index(request):
    context = {'message': 'テンプレートからこんにちは！'}
    return render(request, 'hello/index.html', context)

9. データベースとモデル

Djangoではモデルを定義することで、データベース操作も簡単にできます。

1. モデルの定義

hello/models.pyに以下を追加：

from django.db import models

class Message(models.Model):
    text = models.CharField(max_length=100)

    def __str__(self):
        return self.text

2. マイグレーション

python manage.py makemigrations
python manage.py migrate

3. 管理画面に登録

hello/admin.pyに以下を追加：

from .models import Message
admin.site.register(Message)

これで管理画面からデータの追加・編集ができるようになります。

まとめ

Djangoは「コマンド1つ」で開発環境が作れる
ビュー・URL・テンプレート・モデルを組み合わせて簡単にWebアプリが作れる
管理画面や認証など実践的な機能も標準搭載

まずはこの記事を参考に、自分だけのWebアプリを作ってみましょう！
慣れてきたら、フォームやユーザー認証、REST APIなどにもチャレンジしてみてください。