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食べログAdvent Calendar 2020

Day 8

Slackで褒める文化を作った話

Last updated at Posted at 2020-12-07

はじめに

チーム・ビルディングを進めていく上で必ず出てくるものとして、心理的安全性という単語があります。心理的安全性が高い状態とは、対人関係でのリスクをとっても安心できる共通の状態のことです。 具体的に書けば、チームの中で抵抗を感じずに自ら発言したり行動できる、ということになります。
この記事では、心理的安全性を高める手段の一つとして、褒めるという文化を作るということについてまとめました。

  • 書いてあること: 褒める文化の作り方、褒めるメリット
  • 書いていないこと: SlackBotの詳細な作り方

きっかけについて

私が食べログのエンジニアとして所属するよりも、もっと以前の話になります。
チームメンバー(新入社員の方や、アサインされてまだ日が浅い方)との1on1を行っていく中で、以下のような問題が現れました。

  • 人に何かを聞きにくいと感じてしまう
  • 認められていないのではないかと感じてしまう

このままでは心理的安全性は低い状態のままとなりそうです。 原因を考えてみましょう。

人に何かを聞きにくいと感じてしまう

コミュニケーションツールとしてSlackを利用していましたが、あまり気軽に聞ける場ではなくなっていました。履歴を遡ると、レビューの依頼と、それに対するありがとうございます、の繰り返しだけになっています。確かにここでいきなり人にメンションするのはやり辛いかもしれません。

また、チャンネルでのオープンな場での会話もほとんどありませんでした。プロジェクトごとのチャンネルはレビューの依頼や何かの報告のみの場として使われている状態です。 ではSlackはどのように利用されているのか実態についてヒアリングを進めていった結果、クローズドな1on1のチャットはある程度利用されているようでした。

認められていないのではないかと感じてしまう

1on1を何度か繰り返していくと、個々のメンバー間での技術レベルに差があり、それをネガティブな感情で受け止めてしまっていることがわかりました。またSlackでも定型文的なやり取りしか行われておらず、ネガティブな感情のみが溜まりやすい状態になっていることが根本的な原因となってしまっていそうです。

Slackで褒める文化を作ろう

いくつかの打ち合わせを通して方針を決定しました。上手く運用できていなかったSlackを活用し、ネガティブな感情を取り払うため、褒める文化を作るというものです。

  • Slack上でオープンな場の会話を増やし、発言しやすい雰囲気を作ること
  • 褒めることでポジティブな感情を作っていくこと

上記の二つを狙いとして、SlackBotを作ることにしました。 早速、褒めてくれるSlackBotを作ることにします。

※SlackBotを使うことになった理由
単純にメンションで褒めても良かったのですが、それでは一部のメンバーしか褒めないだろうということを考慮してSlackBotを利用することが決まりました。機能として提供されている方が使いやすいだろう、と判断してのことです。

褒めるSlackBotを作った

すんすんと作りました。 こんな感じの使用感です。

SlackBotに登録

スクリーンショット 2020-12-07 21.04.36.png

褒める

2.png

褒めたい人のID(SlackBotに登録した半角英数字)を指定して++し、褒めたいことを入力します。これで1褒めになります。自分を褒めることもできます。
褒めることに成功するとSlackBotが褒められた回数の合計と、今回褒められた内容を通知してくれます。

見れる

3.png

SlackBotの狙いは達成できた?

実際に運用を開始してみたところ、徐々にSlackBotが面白がって使われるようになりました。些細なことでも褒めてみたり、業務上で依頼ごとや何かやり取りが発生した際にも褒めてみたり、と使ってもらえました。Slackを通して褒める文化ができた瞬間ですね。

褒めるというポジティブな感情は心理的にも良い影響を与えてくれます。実際にSlackBotが運用されてから少し経った頃には、オープンなチャンネルで質問が飛ばされるようになりました!

また、コードレビューにも良い影響は現れました。レビューイ、レビュアー、どちらの立場でもより良いものにするための意見が出るようになりました。指摘をされること、そして指摘をすることを恐れないようになっていったのです。

広がりは緩やかでしたが、当初定めていた二つの狙いは達成できました。

その他、よかった影響

  • メンバーがSlackBotの開発を自ら進んでしてくれた

SlackBotは様々なことを便利にしてくれます。褒める機能の他に、様々な機能が追加されていきました。アプリのデプロイをBotがしてくれたり、ランダムにレビュアーを決めてくれたり、お昼ご飯を決めてくれたり。この開発を進めていく中でも褒めは発生し、モチベーションにも良い影響を与えていたようです。1on1でも聞いてみたところ好評でした!

  • Slack上だけではなく会議などでの発言も増えた

褒める文化を根付かせるため、Slack上だけではなく対面でも細かなところを拾って褒めるようにしていました。その結果、顔が見えないオンラインのコミュニケーション上だけではなく、対面での会話の場でも、自発的に意見を述べてくれるようになりました。

まとめ

褒めるだけで上記のような良い影響が現れました。
私の場合はSlackBotを利用しましたが、褒める文化をどう作るか、そこに大きなハードルは決してありません。些細なことでも拾ってみれば明日からでも、むしろ今からでも出来ることです。積極的に褒めてみましょう。

明日は@redpineさんの「新卒からリモートワークやって感じたメリットデメリット」です。お楽しみに!

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