この記事は食べログアドベントカレンダー2021の8日目の記事です
はじめに
食べログWEBエンジニアの@otoyodaです、この記事ではSEOについて触れていこうと思います。
SEOの概要や必要性、検索エンジンの仕組み、心がけるべきことややるべきこと、などについて記載します。
記事の内容ですが、検索順位を上げるということにフォーカスはしていません。
ユーザー、そしてGoogleへコンテンツが正しく認識されるために配慮すべきことについて記載をしています。
SEOの概念について
SEOとは?
SEO = Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)
検索エンジンがコンテンツを理解し、他ユーザーへ提示するのを助けるためのものになります。
検索行動
ユーザーの検索行動を分けると、「自然検索」と「広告(リスティング広告)」に分類されます。
自然検索
検索アルゴリズムにとって絞り込まれたサイトの一覧です。
例えば、夜に外食する際に「恵比寿 焼肉」と検索するような行為は自然検索と言えるでしょう。
検索流入の大半は自然検索からになります。
SEOはこの自然検索の結果に対して関わるためのものになります。
広告
検索結果を表示した際に、画面上部に表示されているPRなどが該当します。
検索キーワードに基づいて表示されている広告のことです。
メリット
概ね、検索結果の順位が高いほどクリック率は増加します。
検索流入は重要な集客源です。 ビジネスによっては中核ともなるでしょう。
上位表示を達成すれば、それだけ 「検索流入」が増える ことに繋がります。
本質
では、SEOの本質とは「検索順位の結果を上位にすること」でしょうか?
いいえ、違います。本質はまた別のことです。
より多くのユーザーへ良いコンテンツを提供すること。
それがSEOの本質です。 検索順位を上げる、というのは本質ではありません。
参考: Google: 検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド
SEO は、検索エンジンがコンテンツを理解して他のユーザーに提示するのを助ける作業です
https://developers.google.com/search/docs/beginner/seo-starter-guide?hl=ja&visit_id=637728270321972135-33869693&rd=1
検索エンジンの仕組み
シェア率
国内ではGoogle、そしてYahoo!を併せておおよそ9割以上のシェア率を得ています。
また、Yahoo!はGoogleの検索エンジンを利用しています。
日本国内におけるSEOは、 Googleを意識して行えば良い ということに繋がります。
仕組み
検索エンジンはあらかじめWebページを収集、整理します。
そして独自のアルゴリズムによって、ユーザーが求めている情報を返すように出来ています。
以下の4ステップが基本的な流れとなります。
- クロール: クローラーがサイトマップやリンクからページを発見しサーバーへ蓄積します。
- インデックス: 発見したページをインデックスし、情報を整理します。
- 評価: アルゴリズムに基づき検索キーワードと関連のあるコンテンツを選出します。
- 検索結果: ページを検索キーワードと関連性の高い順番で表示します。
アルゴリズム
ユーザーの求める情報を検索ワードから推測し、最適な解を最適な順序で表示するためのルールのことです。細かい改善は常に行われており、年に数回大きなアップデート(コアアルゴリズムアップデート)が発生します。
(2021/11/18にもコアアルゴリズムアップデートがありましたね)
順位はリンクやコンテンツ、つまり外部から内部までの評価を元にして決定されています。
この順位を決定するアルゴリズムについては ブラックボックス になっており、窺い知ることはできません。
我々は清く、そして正しいあり方で、ユーザーに良質なコンテンツを提供することを心がけなければいけません。
SEOで心掛けること、やるべきこと
基本
大きく分けて二つに分類されます。
- キーワードマーケティング
- 内部施策/外部施策
キーワードマーケティング
キーワードの選定
狙うべき検索キーワードを明確にしましょう。
検索ボリューム=ニーズがどの程度か、ビジネスへの貢献度はどの程度か。
それらを総合的に判断し、選定する必要があります。
検索意図の把握
キーワードに応じての検索意図を把握しましょう。
そしてユーザーの要望に応えられるページ設計にしましょう。
検索キーワードはおおよそ三つに分類することができます。
1: Transactionalクエリ
何かに対してアクションを起こしたい検索キーワードです。
ランキングページなどに誘導してあげると良いでしょう。
例:「お肉 通販」「ご飯 宅配」など
2: Informationalクエリ
何かを知りたい、疑問や悩みを解決したい検索キーワードです。
情報収集を目的としたクエリですので、マッチする記事ページやガイドページなどに誘導してあげると良いでしょう。
例:「食べログ ポイントとは」
3: Navigationalクエリ
このサイトやこのページにアクセスしたい検索キーワードです。
どのページにアクセスしたいか名前が明確になっているのが特徴です。
例:「食べログ」など
選定手法の例
キーワードツール、Googleトレンドを利用するなどがあります。
ツールを用いれば複合ワード(サジェスト)や検索ボリュームを知ることもできます。
キーワードを月別、地域別で調査〜比較し、狙うべきキーワードを定めましょう。
内部施策/外部施策
検索エンジンがページを見つけやすくする
title要素
<title>
要素はページのテーマとして特に重要視されています。
以下のポイントに気をつけて <title>
を設定しましょう。
- ページのテーマを表した固有のものにする
- 重要なキーワードは冒頭に配置する
- 検索結果で省略されない文字数にする
- 複合キーワードの場合、各単語を近い位置に配置する
大事なことはユーザーにリンクを「押したい」と思っていただけるかどうかです。
2021年秋など「最新の情報であるかどうか」を示すような文言を設定するのも良さそうですね。
適切なマークアップ
検索エンジンがページの構造を把握することが出来る様に適切にマークアップしましょう。
正確なマークアップは検索エンジンにコンテンツを知らせるための大きな助けとなります。
<h3>中見出し</h3>
<h4>小見出し</h4>
<p>小見出しの説明</p>
<ul>
<li>箇条書き 要素1</li>
<li>箇条書き 要素1</li>
</ul>
重要なコンテンツを隠さない
タブやアコーディオンなど、初期表示時点で隠れている情報についてです。
これらは優先度が低い、あるいは重要度が低いものとして判断されます。
UXは意識しつつも、隠さないほうが無難でしょう。
また、初期表示時点でhtml上に存在しない情報はそもそも認識されません。
コンテンツの重複を避けるなど、あえて表示させたくないもの以外は避けましょう。
(ajaxで取得する情報などもこちらに含まれます)
良質なコンテンツを提供する
良質なコンテンツという言葉は広義的ですが、決して難しいものではありません。
ユーザーが目的を達成できるコンテンツこそ、良質なものと言えるでしょう。
ポイントは以下の通りです。
需要との一致
- ユーザの検索目的を理解し、目的達成に必要な情報を提供されている
- 需要に応じて適切な量のコンテンツを表示している
- 必要な情報が整理されていて、目的を素早く達成できる
品質の高さ、信頼性
- 十分な信頼性と独自の価値がある
- 一般的な「事実」について、間違った情報がない
- 目的達成に必要な情報が漏れなく記載されている
- 出典元や第三者コンテンツによる裏付けがある
使いやすい
- スマートフォーン、タブレットなどでの表示に配慮されている(レスポンシブである)
- ストレスを与えない表示速度である
品質評価ガイドラインにマッチしている
Googleは「品質評価ガイドライン」を定めており、評価基準や評価対象を明確にしています。
このガイドラインに基づきテスターがページを評価し、検索結果の精度を高めています。
https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf
アンカーリンク
リンク先のページがどんな内容で、リンク元のページとどういう関係なのかを適切に記述することが重要です。
Googleは、ページ内のコンテンツだけでなく、リンク元ページの内容も含めて評価をしています。
適切なページから適切なテキストでリンクされることは、「良質なコンテンツ」を増やすのと同じくらいの価値があります。
良くないアンカーリンクの例
よく見かける形式ですが「こちらのページ」といったリンクの表現はあまり良くありません。
「こちらのページ」ではユーザーにもクローラーにもリンク先の内容は伝わりません。
低品質なコンテンツとは?
情報に価値がない
- 重複した大量のコンテンツ
- 十分な専門性や独自性が存在しない
ユーザーの目的達成を阻害している
- 注意を逸らすようなコンテンツが挿入されている
- インターステイシャル広告
ユーザーや検索エンジンを騙している
- クローキング(検索エンジンとユーザーで別々のコンテンツを見せる)
- ワードサラダ(不自然なキーワードの詰め込みなど)
コアウェブバイタルの指標を落とさない
コアウェブバイタルとはウェブページのUXの指標のことです。
コアウェブバイタルの値はChromeのDevToolやGoogle PageSpeedInsightsより測定することができます。
また、特に重要な指標として、LCP、CLS、FIDという三種類が掲げられています。
LCP(Largest Contentful Paint)
ページの表示速度を測る指標となります。
画像や動画、背景画像のあるテキストやその他表示要素など、ページのメインコンテンツが表示されるまでの時間です。
これが遅くなればなるほど、ユーザーはいつまでも表示されないメインコンテンツにストレスを感じます。
・LCPが悪い例
お店の一覧を検索してみたけど、お店の画像表示まで5秒以上待たされてしまった。
CLS(Cumulative Layout Shift)
累積レイアウト変更、ページの視覚安定性を測る指標となります。
ユーザーが意図していないレイアウトのズレがどの程度発生したかを独自の指標で表したものになります。
CLSの値が大きくなればなるほど、ユーザーは意図しないレイアウトのズレでストレスを感じます。
・CLSが悪い例
予約ボタンを押そうと思ったらいきなり広告が表示されて意図しないボタンを押してしまった。
FID(First Input Delay)
初回入力遅延、ページの反応精度、インタラクティブ精度を測る指標となります。
ユーザーがクリックやタップなど行った際、ブラウザが反応するまでにかかった時間です。
FIDの値が大きくなればなるほど、ユーザーは反応精度に対してストレスを感じます。
・FIDが悪い例
リンクを押したらブラウザが数秒固まってからリンク先のページに遷移した。
レビュー投稿のため文字を入力しようとしたらブラウザが固まり、最初の入力が一切行われなかった。
まとめ
- 内容やUX共に良質なコンテンツを提供しよう
- 検索キーワード選定はボリュームや現在の順位を考慮して行おう
- 各種検索クエリの種類を把握し、ユーザーの意図を組んだページ設計をしよう
- ページごとに適切な構成(title, description, link, マークアップ)にしよう
明日(12/9)は @yang_ming さんの「Google Cloud でデータ分析基盤を刷新」です。
お楽しみに!