mixiグループアドベントカレンダー2016 5日目は manji602 さんに続きCS部門開発チームからの2人目の刺客、私 otoyo がみなさまのサービスの縁の下の力持ち、カスタマーサポート部門についてゆるーくご紹介していきますのでリラークスしてお付き合いくださいね。
問い合わせたことってありますか?
あれは私がまだ28歳だった頃、土曜日だったでしょうか、スーパーから帰宅するとマンションの入り口にスーツをきた2人組の男性が立っていて、声をかけられました。
聞くと光回線の営業のようです。曰く、「大家さんの意向で回線を入れ替えることになったからサインして欲しい」。
今思えばどう見ても怪しいのですが、契約書に名前を書いてしまったのです。
やっぱりおかしいと思った当時28歳で無知で世間知らずの私は慌ててプロバイダのサポートに電話しました。
あのときの電話担当の方の口調、言葉遣い、思いやりは28歳になった今でも心に残っています。相当焦っていた28歳の私を早く安心させたいという気持ちが対応だけでなく言外にも伝わってきたからです。
「掛けた恩は水に流し、受けた恩は石に刻め」という言葉があるように、良い対応は必ずお客様の心に残ります。
街が赤と緑に染まるこの時期だからこそ、本日はみなさまがお客様に最高の体験をプレゼントするための一助になるようCS(カスタマーサポート/顧客満足)の活用について書きたいと思います。
CSってなにをしているの?
「0次解決」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
お客様からいただいたお問い合わせに対し、CSスタッフのサポートや案内によって問題が解決するのは1次解決です。0次解決とはお問い合わせに発展しない、すなわちお客様であるユーザーが困らない状態を指します。
サポート不要のカスタマーサポート、一見矛盾しているようですが、これがCSの大きな目標の1つです1。
お問い合わせ対応は業務の中で大きなウェイトを占めていますが、CSではそれ以外にも、ヘルプやお問い合わせフォームの管理、通報対応や不正対策なども行っています。
CSは宝の山
どんなサービスでも、目指しているのはユーザーを楽しくしたり便利にしたりといった価値を提供することで、間違ってもユーザーを不便にしてやろうなんてサービスはないと思います。
それなのになかなか思うようにスタートアップが成長しない、良かれと思って行った施策が批判や不満の対象になる・・・なんてことはよくありますよね。
そんなときはCSスタッフに聞いてみましょう。「ユーザーが困っていることはなにか?」と。
CSは日々お客様と向き合っているので、お客様が何を望んでいるか、何に困っているかを誰よりもよく知っています。
残念なことにサービスの立ち上げ時や繁忙期には、しばしばリソースの都合で後回しにされがちですが、「サービスを使うのは誰か」という基本に立ち返ってみれば、CSの情報を活かさない手はないということはわかっていただけるでしょう2。
CSデータの活用例
問い合わせは1件1件に注目することも大切ですが、何件も集まると時間や件数、不具合やリリース内容による傾向の変化など、多くの情報を持つようになるためマクロ的に見ることも重要です。
CSデータの活用の一例として、私が作成した問い合わせ数アラート(zenalert)をご紹介します。
問い合わせ数アラートとは、その名のごとく問い合わせ数が閾値を超えるとアラートするシステムです。
弊社ではチャットツールとしてSlackを、CS対応のメールツールとしてZendeskを導入しています(が、ツールは何でも構いません)。
問い合わせ数アラートは、CRONで一定時間ごとにZendeskから入信件数を取得し、閾値を超えていたらSlackに通知する仕組みになっています。
熟練のエンジニアであれば1時間足らずで作れるくらいシンプルなつくりですが、シンプルなつくりに似合わず2つの大きなメリットがあります。
1. エラーログに現れない不具合が察知できる
すべての不具合がエラーログに現れてくれれば良いですが、ときにはそうでない不具合も起こります。
問い合わせ数アラートがあれば問い合わせ件数の増加となってそれらを察知でき、被害を最小限に食い止めることができます。
2. アラートを起点としたコミュニケーションが発生する
問い合わせ数を可視化することでサービス運営者に関心を持ってもらえ、「どんな問い合わせが増えていますか?」「○○関連が増えてます」といった運営者とCSとのコミュニケーションが発生します。普段からのコミュニケーションが重要なのは言うまでもありません。
Slackにアラートするだけでなく、閾値を超えなかったときのデータも含めてグラフ化し、いつでも傾向が見られるようにしておくとなお良いですね。
おわりに
CSが何を目標としどんなことをしているか、またCSデータの活用例について書きました。
以前社外のCS関係者とお話しさせていただく機会があり、問い合わせ数アラートをご紹介したところ「うちにも欲しい!」と好評だったのと同時に、アイデアはあるものの形にしてくれるエンジニアがそばにいなくて困っているCS担当者が多いということを知りました。
みなさまが少しでもCSに興味を持ち、お客様の満足度が向上し、結果としてみなさまのサービスに良い循環が生まれれば良いなと星に願いつつ締めくくりとさせていただきます。ありがとうございました。
明日6日は @Kuniwak 氏が私と違ってちゃんとしたことを書いてくれそうですよ。