はじめに
要件定義書を作成する際に、どのようなアウトプットを出せばいいのかイメージできないこともあると思います。
そのような場合は、部署の過去案件の資料を参考にするのが王道ですが、プロジェクトの特性に合ったサンプルが見当たらないこともありますよね。
そこで今回は、要件定義の資料作成の際に参考になりそうなサンプルを収集してみました。
サンプル1: 新規システム構築プロジェクト
国土交通省の新規システム構築の要件定義書です。
かなり重厚な要件定義書ですが、業務要件・機能要件・非機能要件が一式揃っており、参考になります。
「要件定義書ってどういうことを書けばいいんだっけ?」といった際に、まずは記載事項を列挙する際に目次をさらっと見てみるだけでもいいかもしれません。
なお、プロジェクトスケジュールは別紙の調達仕様書を確認してみてください。
サンプル2: システム更改プロジェクト
厚生労働省『毎月勤労統計調査オンラインシステムの更改及び運用・保守に係る業務一式 要件定義書』
こちらはシステム更改系のプロジェクトの要件定義書のサンプルです。
基本的に現行システム機能を踏襲しながら、新しいハードウェア・ソフトウェアに移行するようなプロジェクトです。
ちなみに富士通が担当したようです。(規模は3億円ほど)
サンプル3: システム再構築プロジェクト
こちらはシステム再構築系のプロジェクトの要件定義書のサンプルです。
基本的な記載事項はこれまで挙げてきたサンプルと同じですが、こちらは業務フロー・機能一覧・テーブル一覧などの明細があるので、部分的な参考資料として使えると思います。
なお、上記資料には再構築が必要となった背景や開発スケジュールは記載されていません。
背景や開発スケジュールについては別紙の調達仕様書を見てください。
札幌市『文書管理システム再構築に係る設計・開発業務 調達仕様書』
その他参考1: 要件定義の個別ドキュメントのサンプル・テンプレート
こちらは要件定義における個別のドキュメントサンプルやテンプレートです。
前述までのサンプルでイメージしていたものが無かった場合は、こちらも参考にしてみてください。
Excelのテンプレートもあるのですぐに使えると思います。
その他参考2: 要件定義ドキュメント作成のガイド資料
これまで挙げてきたサンプル1~3を見ると、おおよそのアウトプットのイメージはできますが、自身のプロジェクトに適用しようとすると手が止まってしまう場面があると思います。
そういった場合には、IPAの資料が役立ちます。
「ユーザのための要件定義ガイド」は、その名の通り、顧客企業の情報システム部に向けられた資料ですが、第7章の「要件定義の主要ドキュメント作成の勘所」は、ITベンダー側の資料作成にも使えるので参考にしてみてください。
その他参考3: システム再構築に関するガイド資料
途中のサンプルにあったシステム再構築の上流工程を進めるにあたってのガイド資料です。
こちらも顧客企業向けではあるものの、ITベンダーにとっても参考になる資料です。
ただ、再構築の手法を決めるような話なので難易度は高めです。
大手ITベンダーに勤めている、あるいは大手ITベンダーへの転職を希望するような20代後半〜30代向けが対象になると思います。
さいごに
要件定義書を作成する際に参考になりそうなサンプルを列挙してきました。
基本的に部署の過去案件を参考にするのが良いと思いますが、良さそうな過去案件のサンプルが見つからない場合は参考にしてみてください。