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ゲームの支援アプリを作ったらGoogleからBANを食らった話

Last updated at Posted at 2017-07-15

はじめに

とあるパソコンゲームの支援アプリを作ったら、いろいろあってGoogle DeveloperアカウントをBANされてしまった。

結論から言うと、私の対応がまずかったのだが、
ここでは同じ問題に陥る人がいないように注意喚起をしたい。

ちなみにここでは迷惑がかかるかもしれないので、ゲーム名は「GAMENAME」とする。(推測すれば分かるかもしれないが、まぁ、推測しないで欲しい)

経緯

支援アプリの作成

とあるパソコンゲームの支援アプリを作成した。
具体的には、5人のプレイヤーが出会い、同じゲームを遊ぶためのマッチングツールである。

Google Play Marketへの登録

ところがアプリをGoogle Developerに登録する際、アプリ名で警告を受けた。
私のアプリは「GAMENAME Friend Maker」という名前だった。

Googleの言い分は以下の通りだ。

お前のアプリ名はなりすましに該当するから名前を変えろ。Friend maker for GAMENAMEにしろ。
でなければ、アプリ登録の承認は出さない

ここで悪知恵が働いた。
「これって、Googleがツールで自動的に判別してるから適当に名前変えたら通るんじゃない。」

というわけで、何度か名前を変えてみたところ同じ警告文が飛んできたが
最終的に「GAMENAME Friend & Matching maker」にしてみたら警告がこなくなり、無事にアプリの承認が降りた。
本来であれば「Friend & Matching maker for GAMENAME」とすべきだったのだが、承認が降りたので許されたんだろうと適当に解釈した。

ちなみに出来栄えに関してはゴミであった。これからじっくり作り上げていくか・・・と思っていた。
しかし本業が忙しくなったので、そのままアプリは市場に出したまま更新もせず、1-2ヶ月放置していた。

突然のアカウント停止処分

アプリを登録してから1-2ヶ月経ったある日、突然Googleからメールが来た。
メールには以下のように書かれていた。

お前のDeveloperアカウントは停止処分となった。停止処分になる理由は以前の警告メールを参照しろ。
異議申し立てがあれば再審議してやるから頑張れ。
ちなみにアカウント停止処分になったお前はブラックリスト入りだからな。二度とうちの敷居を跨ぐんじゃねーぞ。
異議申し立てが認められてアカウント停止処分が解かれた場合のみ許してやる。

異議申し立て(1回目)

実は私が支援アプリを作ったゲームは、公式的に「アプリの作成」が認められていた。
ファン作成アプリのガイドラインというものが公式的に用意されていた。

そこでそのガイドラインを貼り付けて「なりすましにはあたらない。公式的に認められている」と異議申し立てをした。

Googleの回答は以下の通りだった。

駄目だ。アカウントの復活は認められない。

ゲーム会社(日本支部)へのサポート依頼

こうなったら、ゲームを作った会社に直接「問題ない」という太鼓判を押してもらって、それを証拠として提出して異議申し立てを行おうとした。

そのゲームを作っているのはアメリカだったが、日本での運営も行っているので、
日本のサポートチームに事情を説明し、「問題ない」という回答を得ようとした。

しかしサポートチームの回答は以下のとおりであった。

申し訳ないが、あなたのアプリが問題は無いという回答は出来ない。
個別のアプリに対して回答は出来ない。
アプリのガイドラインにしたがって作成してください。

私は再度以下のように陳情した。

「アプリは0円で公開されていた。アプリには一切の広告は入っていなかった。営利目的ではなかった。ただ、ファンとしてゲームを応援したいという気持ちから作ったものだった。
 私がGoogle Developerのガイドラインに従わなかったことが問題であることは認識している。
 "Google Playに登録されたアプリについては、Google Developer規約に従ってもらう必要がある。Googleの決定について言及は出来ないが、我々の規約から見て本件の支援アプリはなりすましにあたらない"といった形での回答をもらえないだろうか」

しかしサポートチームの回答は以下のとおりであった。

申し訳ないが、あなたのアプリが問題は無いという回答は出来ない。
個別のアプリに対して回答は出来ない。
アプリのガイドラインにしたがって作成してください。

ゲーム会社(アメリカ本部)へのサポート依頼

こうなったら、本社アメリカのサポートチームに聞いてみることにした。

日本支部と同じように聞いてみた。彼らの回答は以下の通りだった。

Hey サポートチームのAだ。
私から見て、あなたのアプリは何の問題もないように見える。
だが、申し訳ないことに私はその件について判断を下せる立場にはない。
こちらのメールアドレスにメールしてみてくれ。そうすれば、回答が得られるかもしれない。
良い結果が得られることを祈る

というわけで、紹介されたメールしてみた。
そしたら数ヶ月待っても返事が無かった。

異議申し立て(2回目)

こない返事を期待してても仕方が無いので、USサポートチームの回答を貼り付けて
「本社サポートチームのAさんから問題ないって回答あったよ。」と書いてみた。

Googleの回答は以下の通りだった。

駄目だ。アカウントの復活は認められない。

GAME OVER

というわけで、もうどうしようもないので私のアカウントはブラックリスト入りとなった。
Game Over Man, GAME OVER!

考察

実は私は他にもアプリを作っていた。

なので、そちらのアプリがアカウント停止処分の原因の可能性もあると思っていた。
しかし、今まで活動してきた中で「警告文」を受け取ったのは、今回のゲームだけである。
そのため、「停止処分の理由は過去に送った警告文を参照しろ」と書かれていたことから考えると、やはり今回のゲームが原因だったのではないかと思う。
警告文を無視した名前で1-2ヶ月アプリを続けていた件で咎められたのではないだろうか。

ただし、「停止処分の理由は過去に送った警告メールを参照しろ」が定型文で実は警告メールなど送っていない場合は、他のアプリかもしれない。
他のアプリに1発アカウント停止処分を受ける重大な問題があって、それでいきなり無告知でアカウント停止処分となった。
しかし、定型文で「「停止処分の理由は過去に送った警告メールを参照しろ」とユーザーには送信されていた。
これなら他のアプリが原因である可能性も浮上する。

ただ、Googleはアカウント停止処分が起きた場合、基本的にその理由を説明してくれない。
「過去の警告メールを読め」としか言ってくれない。具体的に何が問題だったのかは警告メールから判断するしかない。
もしくは自分の胸に手をあてて考えてみるしかない。

教訓

今回の事例で学ぶべき教訓は以下のとおりだ。

Googleの警告には即座に従う

Googleからの警告が来たら絶対に従うこと。
Googleが納得する完璧な形にしておいたほうが良い。
とりあえずアプリの承認通ったからOKだろうは、将来死亡するパターン。

Googleは後から厳しく追求していく。
Appleは最初に厳しく追求して市場に流さない。

Googleの場合、最初にDeveloper登録料を支払った後は二度とお金を支払わなくていい。
一方でAppleは毎年1万円程度の登録料がかかる。つまりAppleにとってDeveloperはある意味ではお客さん的な見方も出来る。(しているかどうかは不明だが)
しかしGoogleからすれば各Developerは二度とお金を払ってくれないのでお客さんではない。邪魔なら消えてもらって結構ということになる。

Googleのアカウント停止処分は基本的には覆らない

アカウント停止処分は異議申し立てを行うことが出来るが、調べた限り、ほとんどのケースでは異議申し立てで覆らない。
つまりアカウント停止処分を受けた時点でほぼ死刑確定なので、そうならないように立ち回ること。

複数のDeveloperアカウントを作る場合は、パソコンやクレジットカードを分ける

Google Developerアカウントが停止処分となった場合、共通する情報を持つ他のアカウントも同時に停止処分となる。

要は、同一人物が所有する複数のアカウントとみなされると、それら全てのアカウントが停止処分となる。

おそらくDeveloper登録料を支払ったクレジットカードや、パソコンの情報(Macアドレス)、IPアドレスなどを見られていると思われる。

もしあなたの息子がGoogle Developer登録するときに、あなたのパソコンやクレジットカードを使ったとする
その場合、
親のアカウントで問題が起きると、子のアカウントでも責任を取らされるハメになる。
子のアカウントで問題が起きると、親のアカウントでも責任を取らされるハメになる。
同一人物とみなされてしまうためだ。

絶対に注意して欲しい。

いざというときにゲーム会社は助けてくれない

今回の問題が起きた後、色々なゲーム会社に支援アプリについて質問を投げてみた。

どの会社の回答も「個別のアプリについては回答できない」というものであった。
また「個人的な使用の範囲内で使って欲しい」という回答もあった。
そもそもガイドラインすら用意していない会社も多々あった。

ここから言えることは、支援アプリは会社によってはグレーな扱いになるらしい。
我々が当たり前のように使っている他の人が作った支援アプリも、実はグレーなものもあるのかもしれない。

会社はファンがGoogleとトラブルを起こしたときに、間に入って仲裁したくないのかもしれない。
(Googleにアプリを出している手前、Googleと揉めたくないという気持ちも1ミリぐらいはあるのかもしれない。考えすぎか?)

支援アプリはゲームを盛り上げていく上で結構大事なところだと思っていたが、会社側からは意外と軽視されているのかもしれない。

収益はこまめに回収しておこう

Googleからアカウント停止処分を受けると、ほぼ同時にGoogleペイメントも停止処分を受ける。収益を得られなくなる。
とある裁判では、収益は支払ってもらったらしいが、我々個人が裁判を起こすことはほぼ無いと思うので、こまめに収益は回収しておいたほうが良いと思う。

もしくは広告はUnityなどを使うことである。
Googleアカウントが停止処分を受けたとしても、Unityなどのアカウントは被害を受けないので、収益をそのまま受け取ることが出来る。

最後に

Google Developerアカウントが停止処分された場合、ブラックリストに載ってしまい、二度とGoogle Developerとして活動していくことは出来ない。
そのような問題に陥らないように、日頃から健全なアプリの作成に励むべきだと思われる。

面倒かもしれないが、自衛のためにGoogle Developerの規約には1度目を通しておくことをオススメする。

(また思い出したことがあったら、この記事を更新したいと思います。ありがとうございました。)

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