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100万件データをサーバーから取得してブラウザに表示させるのにSpring WebFlux使ったら初期描画が速くなると思ったのでやってみた

Last updated at Posted at 2019-04-23

先日、「Spring WebFluxのFlux結果をJSからFetch APIで取得する」という記事を書きましたが、この方法を使って、
例えば、大量のデータをブラウザに表示させたい時に、サーバーで最初の数10件だけ処理できたら、その数10件だけ先にブラウザに表示させて、その後処理できたデータをバックグラウンドでちょろちょろ追加していく。みたいなことが簡単にできそうだなと思ったので試してみました。

ユーザーに大量のデータを要求された場合、ページングで実装するという選択肢もありますが、
こういう選択肢もあるかもねー。程度の記事です。この方法をオススメするわけではありません。

ここで試したものはGitHubにアップしています。

処理内容

100万件のデータをサーバーに要求して、結果をブラウザのグリッドに表示します。

使ってる技術要素

  • サーバーサイド
    • Java11
    • Spring WebFlux
    • H2 Database
      データベース&jdbc。ガチでDBサーバー立てるのめんどくさいのでH2でファイルDBにしました。
    • uroboroSQL
      DBアクセスライブラリ。弊社のOSS。何使っても良かったのですけど、私これに慣れてるのでこれ使います。
  • クライアントサイド
    • Vue.js
      何使っても良かったのですけど、私がVue好きなのと、Vue CLI使うと簡単に構築出来てとても好きなので使います。
    • Cheetah Grid
      グリッドライブラリ。自分が作った弊社のOSS。100万件表示できるように作ったつもりなのでこれ使います。

比較と動画

先に比較結果をお見せしておきます。

Spring WebFluxを利用した非同期リクエスト

最初に描画されるまでの時間は2,056msでした。
もう少し早いかなーと思ったのですが、H2 DatabaseでSQLクエリを発行してから1件目が返るまでに時間がかかるみたいですね。(まあH2はプロダクション用途ではないと思うので仕方ないです。)
動画は切ってしまっていますが、その後、チョロチョロデータを取得して、100万件をクライアント側に溜め込むまでに40秒ぐらいかかります。

WebFlux.gif

普通の同期リクエスト

描画されるまでの時間は5,827msでした。
一度に全部持ってきてるので、100万件をクライアント側に溜め込むまでの時間という意味でも同じ5,827msです。
もっと遅くなると思っていましたが、各レコードの構築で何か処理をしているわけでもなく、1レコードの情報も少ないので意外と速かったというところでしょうか?

sync.gif

実装

以下で実装についても書いておきます。

Controller(サーバーサイド)

以下のような実装になっています。

	@Autowired
	private SqlConfig uroboroSQLConfig;

	@Autowired
	@Qualifier("jdbcScheduler")
	private Scheduler jdbcScheduler;

	@GetMapping
	public Flux<Person> all() {
		return Flux.<Person> create(sink -> {
			try (var agent = uroboroSQLConfig.agent()) {
				// テーブルをSELECTしてPersonクラスにMappingしたStreamを生成
				agent.queryWith("SELECT * FROM PERSON ORDER BY ID")
						.stream(Person.class)
						// キャンセルされていたら終了させる
						.dropWhile(p -> sink.isCancelled())
						// FluxSinkにEntityを渡す
						.forEach(sink::next);

				if (!sink.isCancelled()) {
					// 終了を通知
					sink.complete();
				}
			}
		}).subscribeOn(jdbcScheduler);
	}

GitHubに上げてあるソースだとこのあたりです。

uroboroSQLConfigというのはuroboroSQLのDBアクセスで必要なものです。本題とは関係ないので気にせず、DBアクセス用の何かなんだなーと思って空気読んでいただければと思います。

jdbcSchedulerReactorSchedulerインスタンスで、並列化に必要なものです。

適切なスレッド数でSchedulerを定義して、

		}).subscribeOn(jdbcScheduler);

と渡すことで、DBアクセスの処理と、リクエストを返す処理を並列化します。

あとは、キャンセル処理とかもしていますが、
基本的にはDBからSELECTしてその結果をsink.next(...)で渡していくだけです。

リクエスト(クライアントサイド)

Spring WebFluxのFlux結果をJSからFetch APIで取得するで書いた方法で、Fetch APIを使ってサーバーにリクエストします。

グリッドに表示(クライアントサイド)

以下のような実装になっています。

      const records = [];
      const grid = /* Cheetah Gridのインスタンス */;
      let buffer = [];
      //...
      streamJsonForVue(this, "/api/persons", {}, rec => {
        buffer.push(rec);
        if (
          buffer.length >= 10000 ||
          (records.length < 10000 && buffer.length >= 1000) ||
          (records.length < 1000 && buffer.length >= 100)
        ) {
          records.push(...buffer);
          grid.records = records;
          buffer = [];
          //...
        }
      }).then(() => {
        records.push(...buffer);
        grid.records = records;
        //...
      });

GitHubに上げてあるソースだとこのあたりです。

grid変数にCheetah Gridのインスタンスが入っていて、recordsプロパティに配列を与えると、その与えたデータが画面に表示されます。

streamJsonForVue関数は中で、「Spring WebFluxのFlux結果をJSからFetch APIで取得する」に書いた、Fetch APIの処理をしています。
プラスで、画面が破棄された時に、Fetchを中断するとかやってますが、本題には関係ないので説明は割愛します。

streamJsonForVueのcallbackから返ってきた、rec変数はControllerでsink.next(...)で渡された1レコードデータです。
1件ずつgridに渡してしまうと、再描画が走りまくってユーザーが画面を操作しにくくなるため、buffer配列に溜め込んで、ある程度溜まったら(最初は100件)、gridに反映させるようにしています。

同期リクエストの方の実装

GitHubに上げてあるソースだとこのあたりこのあたりです。
比較用に作ってみただけで、本題には関係ないので説明は割愛します。

実装した感想

私が実装してみて思ったこととしては、実装がとても簡単だったということです。
自分の知識だと、HTTPレスポンスを非同期でStreamに流すのは難しいイメージでしたが、Spring WebFlux使うととても簡単に出来たのでびっくりしています。

結果

先にも書きましたが、今回のサンプルでは、初期描画にかかる時間はそれぞれ以下の結果になりました。

  • Spring WebFluxを利用した非同期リクエスト
    2,056ms
  • 普通の同期リクエスト
    5,827ms

今回のサンプルでは、思っていたより効果が出なくて残念でしたが、どうしても初期描画だけは速くしたいような場合に、もしかしたら使えるかもしれません(?)

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