HaskellでFunctorを使って簡単な複素数の足し算プログラムーその2

HaskellのFunctorで簡単な複素数足し算プログラム

前回の記事（HaskellでFunctorを使って簡単な複素数の足し算プログラム）では、あまりうまくできず、無理矢理なプログラムになりました。
今回は、Applicativeも使ってみました。

ただ、既存のライブラリのFunctorやApllicativeでは、どうしてもできなかったため（方法はあるか？）、その二つのクラスから定義しました。

また、前回の記事でコメントを頂いて、それを参考にさせて頂きました。ありがとうございます。

プログラム

complex.hs

data ComplexNumber n = Z n n

class ComplexFunctor t where
    cfmap :: (a -> b) -> (a -> b) -> t a -> t b

class (ComplexFunctor c) => ComplexApplicative c where
    cpure :: a -> a -> c a
    (<**>) :: c(a -> b) -> c a -> c b

instance ComplexFunctor ComplexNumber where
    cfmap func1 func2 (Z a b) = Z (func1 a) (func2 b)

instance ComplexApplicative ComplexNumber where
    cpure a b = Z a b

    (Z func1 func2) <**> c = cfmap func1 func2 c

main::IO()
main = do
    let ans = cpure (+) (+) <**> Z 1 2 <**> Z 3 4

    let a = (\(Z a b) -> (a,b) ) ans

    print a

解説

data ComplexNumber n = Z n n

Z n nは、実部と虚部をそれぞれ組み合わせた複素数を表しています。

class ComplexFunctor t where
    cfmap :: (a -> b) -> (a -> b) -> t a -> t b

class (ComplexFunctor c) => ComplexApplicative c where
    cpure :: a -> a -> c a
    (<**>) :: c(a -> b) -> c a -> c b

いろいろと試しましたが、標準ライブラリのFunctorやApplicativeではできなくて、ここから自作することにしました。

instance ComplexFunctor ComplexNumber where
    cfmap func1 func2 (Z a b) = Z (func1 a) (func2 b)

instance ComplexApplicative ComplexNumber where
    cpure a b = Z a b

    (Z func1 func2) <**> c = cfmap func1 func2 c

インスタンスです。よく見る形をちょっと変えたものです。

    let ans = cpure (+) (+) <**> Z 1 2 <**> Z 3 4

main関数の実際に複素数の足し算をしているプログラムです。
これもよく見る形をちょっと変えたものです。

分かったこと

今回分かったことは、Haskellは難解だけど、楽しそうだと言うことです。
標準FunctorやApplicativeではできず、自作してしまいましたが、本当に標準でできないかは、もう少し考えて見る必要がありそうです。
main関数の

    let ans = cpure (+) (+) <**> Z 1 2 <**> Z 3 4

の部分で、

    let ans = cpure (+) (+) <**> Z 1 2 <**> Z 3 4 <**> Z 5 6

はエラーになってしまいます。Z 3 4の計算した時点で、3つ目の<**>の左辺が関数ではなくなるからです。

pure f <*> Just x <*> Just y <*> Just z <*>....

あるHaskell解説書では、3つ以上<*>が繋げられるようなことも書いてあります。
fが、それだけ引数を持っているということですね。