はじめに
前回の記事では、クラウドの基本とメリット、クラウドの種別をご紹介しました。
前回の記事はこちら⇓
Gmail、Netflixもクラウド!身近なサービスから学ぶクラウドの基本とメリット
クラウドの種別は IaaS、PaaS、SaaS の大きく3つに分けられます。
今回は、IaaSについて前編、後編の2回に分けてご紹介します。
前編では、IaaSのサービス内容と、それを利用する際に知っておくべきメリット・デメリットをわかりやすく説明します。
IaaSとは?
IaaS(Infrastructure as a Service)は、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのITインフラを、インターネット経由で利用できるクラウドサービスです。
ユーザーはOSやミドルウェア、アプリケーションなどを自由に構成できます。
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仮想サーバーの構築:
物理サーバーを購入することなく、仮想サーバーを自由に作成・管理できます。 -
ストレージの利用:
大容量のデータを安全に保管・管理できます。 -
ネットワークの構築:
仮想ネットワークを構築し、セキュリティの高い通信環境を構築できます。 -
開発環境の構築:
アプリケーション開発に必要な環境を迅速に構築できます。 -
ビッグデータ解析:
大量のデータを処理するための環境を構築できます。
代表的なIaaSサービス
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Amazon Web Services (AWS)
- 世界で最も普及しているクラウドプラットフォームの一つです。
- EC2(仮想サーバー)、S3(ストレージ)、VPC(仮想ネットワーク)など、幅広いIaaSサービスを提供しています。
- スタートアップから大企業まで、様々な規模の企業が利用しています。
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Microsoft Azure
- マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォームです。
- Virtual Machines(仮想サーバー)、Azure Storage(ストレージ)、Azure Virtual Network(仮想ネットワーク)など、IaaSサービスを提供しています。
- Windows環境との親和性が高く、エンタープライズ企業での利用が多いです。
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Google Cloud Platform (GCP)
- Googleが提供するクラウドプラットフォームです。
- Compute Engine(仮想サーバー)、Cloud Storage(ストレージ)、Virtual Private Cloud(仮想ネットワーク)など、IaaSサービスを提供しています。
- ビッグデータ解析や機械学習分野に強みを持っています。
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Oracle Cloud Infrastructure (OCI)
- オラクル社が提供するエンタープライズ向けのクラウドプラットフォームです。
- Compute(仮想サーバー)、Storage(ストレージ)、Networking(仮想ネットワーク)などのIaaSサービスに加え、Oracle Databaseを中心としたPaaSサービスも提供しています。
- 特に、データベースやエンタープライズアプリケーションのクラウド移行を検討している大企業での利用が多いです。
IaaSのメリット
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コスト削減:
必要な時に必要な分だけリソースを利用できるため、初期費用や運用コストを削減できます。 -
柔軟性:
リソースの追加や削除が容易なため、ビジネスの変化に柔軟に対応できます。 -
拡張性:
ビジネスの成長に合わせて、リソースを容易に拡張できます。 -
可用性:
高い可用性を実現するための機能が提供されており、システムの安定稼働に貢献します。 -
セキュリティ:
安全なシステム運用を支える充実したセキュリティ対策が提供されています。クラウド事業者が強固なインフラを構築し、利用者も責任範囲に応じた対策を行うことで、セキュリティレベルを向上させることが可能です。
IaaSのデメリット
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運用管理の必要性:
仮想サーバーやネットワークの運用管理は、利用者自身で行う必要があります。 -
セキュリティ対策:
クラウド事業者だけでなく、利用者側でもセキュリティ対策を行う必要があります。 -
ベンダーロックイン:
特定のクラウド事業者に依存してしまう可能性があります。
まとめ
IaaSは、ITインフラをクラウド上で利用できる便利なサービスです。
コスト削減、柔軟性、拡張性など、多くのメリットがありますが、運用管理やセキュリティ対策など、注意すべき点もあります。
自社のニーズに合わせて、最適なIaaSサービスを選択することが重要です。
後編では、IaaSの活用例と、自社に合ったサービスを見つけるためのポイントを解説します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。