はじめに
『秋葉原ロボット部 理論グループ Advent Calendar 2024』の投稿です
線形代数が大好きからはじまり、『一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する』読書会で何とか理解したいと、日々楽しく追い詰められています
自分にとって一番ショックが大きかった接続係数 クリストッフェル記号について記事にしました、直感的に理解できればと思い自分のための復習的に書いています、敷居の高さで恨みを込めて"妖怪"と書いてしまいましたが、理解とともに友達になれてきた気がします、実はとてもよいやつだと思います(多分)
ここからの話は、$\mathbb{R}^2$つまり、2次元平面での話です、$\mathbb{R}^3$ではありません
直線座標としていますが、ここからの話は、標準基底としています
直線座標と曲線座興
この書籍では、直線座標から始めて曲線座標、曲率と進んでいきます
この記事では直線座標と直線座標をテーマにしています
座標について
通常、座標を表現するために、基底の線形結合を用います、座標 $(2,3)$というときには、$2 \vec{e_1} + 3 \vec{e_2}$、つまり、$x$方向に大きさ1のベクトルの2倍と$y$方向に大きさ1のベクトルの3倍を足したものと考えます、この標準基底をみんなで共有しているので、誰でも$(2,3)$の位置情報を共有できるわけです、つまり、基底が決まらなければみんなと同じ議論ができないことになります
それで、ここでの話は、この基底が曲線の場合にどうすんのって話です
(p430) 平面に直線座標$(x_1,x_2)$と曲線座標$(u_1,u_2)$が入っていて,直線座標$\vec{x}=(x_1, x_2)$は,曲線座標によって $\vec{x}=(x_1(u_1, u_2), x_2(u_1, u_2))$と表されているものとします
※ 曲線座標で$\vec{x}$が$(u_1, u_2)$ で媒介変数表示されています
$$
\begin{array}{ccc}
\mathbb{R}^2 & \longrightarrow & \mathbb{R}^2 \\
(u_1, u_2) & \longmapsto & (x_1(u_1, u_2), x_2(u_1, u_2))
\end{array}
$$
- 直線座標 : $\vec{x}=(x_1, x_2)$
- 曲線座標 : $\vec{x}=(x_1(u_1, u_2), x_2(u_1, u_2))$
この座標の基底について議論を進めます
直線座標の基底
-
直線座標の基底は、馴染みのある標準基底 $\{ \vec{e_1}, \vec{e_2} \}$です(としています)
-
曲線座標と同様に、接ベクトルを考えれば、偏微分したものは、位置$(x_1, x_2)$に依存しない定ベクトルとなります(曲線座標と比べてみてください)
$$
\begin{array}{l}
\cdot \ \ \frac{\partial \vec{x}}{\partial x_1} = \frac{\partial}{\partial x_1} \left( x_1 \vec{e_1} + x_2 \vec{e_2} \right) = \vec{e_1} \\
\cdot \ \ \frac{\partial \vec{x}}{\partial x_2} = \frac{\partial}{\partial x_2} \left( x_1 \vec{e_1} + x_2 \vec{e_2} \right) = \vec{e_2}
\end{array}
$$ -
直線座標をまとめると
- 直線基底は2次元平面上のどこにあっても同じ定ベクトル
- 直線基底は、$\vec{x}$ の位置に依存しない、位置の関数とならない
- 直線基底は、グローバルは基底と言えます
曲線座標の基底
- 曲線座標の基底は、空間全体で定ベクトルとなるような具合のよい基底はありません
- 全体ではなく、各点においての接ベクトルを基底とすることで対応します($(u_1, u_2)$の関数とはなりますが、基底がなければ始まりません)
- 局所的に採用される基底です
$$
\begin{aligned}
\cdot \ \ \frac{\partial \vec{x}}{\partial u_1} \\
\cdot \ \ \frac{\partial \vec{x}}{\partial u_2}
\end{aligned}
$$
- 曲線座標をまとめると
- 曲線座標の基底は2次元平面全体ではなく、各点においての基底です
- 曲線座標の基底は、$\vec{x}$ の位置に依存し、位置$(u_1, u_2)$の関数となります
- 曲線座標の基底は、ローカルな基底と言えます(局所的)
曲線座標を議論するための仕掛け
曲線座標を議論するための仕掛けは、媒介変数です、媒介変数表示することで、合成関数の微分が利用できるようになります
- $x_1 = x_1(u_1, u_2)$
- $x_2 = x_2(u_1, u_2)$
この辺は、$(u_1, u_2)$から $(x_1, x_2)$の写像があり、しかも微分可能とか・・・深い話があるようですが
$$
\begin{array}{ccc}
\mathbb{R}^2 & \longrightarrow & \mathbb{R}^2 \\
(u_1, u_2) & \longmapsto & (x_1(u_1, u_2), x_2(u_1, u_2))
\end{array}
$$
- 直線座標 : $\vec{x}=(x_1, x_2)$
- 曲線座標 : $\vec{x}=(x_1(u_1, u_2), x_2(u_1, u_2))$
接続係数のお話は、『妖怪クリストッフェルと仲良くなれないかぁ・・(2. 接続係数編)』に続きます
後記
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