はじめに
株式会社ジールの @oreo_tです。
2025年1月のアップデートで、AWSのRedshiftに拡張クエリ監視の機能が追加されたので紹介しようと思います。
今回の更新情報
Redshiftに、拡張クエリ監視の機能が追加されました。これは従来のクエリ監視機能がリニューアルされたもので、クエリのパフォーマンス分析がより詳細にできるようになりました。
公式の記事は以下のリンクを参照してください。
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2025/01/amazon-redshift-enhanced-query-monitoring-diagnostics/
従来のクエリ監視機能と比較して、どう変わったのかを見ていきましょう。
拡張クエリ監視の利用方法
まずはRedshiftへ移動します。
見たいクラスターを選択して「クエリのモニタリング」をクリックします。
この画面で拡張クエリ監視を利用でき、利用するのに追加設定は必要なく、デフォルトで有効になっています。
この画面で「データベースに接続」をクリックして接続設定をすることで利用できるようになります。
また2025/3/19現在、従来のクエリ監視に戻すこともできますが、戻すと「従来のクエリ監視は6/30までしか利用できない」という旨のメッセージが表示されるので、近いうちに拡張クエリ監視に一本化されるようです。
従来のクエリ監視との比較
①データウェアハウスのパフォーマンス
最初に、データウェアハウスのパフォーマンスが表示されます。どのような処理にどれだけ時間がかかっている、というのが積み上げ棒グラフで表されています。
従来のクエリ監視からのアップデート点として、拡張クエリ監視ではグラフをドリルダウンすることができます。
1時間単位のグラフを表示してみました。ここから詳細を見たい時間にカーソルを合わせて「Drill down」をクリックすることで、5分単位のグラフにドリルダウンすることができました。従来のクエリ監視でも時間単位と表示時間のFromToを指定すれば同じデータを見ることはできましたが、ワンボタンで済むようになったので地味に嬉しいアップデートではないでしょうか。
こちらは従来のクエリ監視におけるパフォーマンスのグラフで、処理種別ごとにかかった時間を見ることはできました。
②クエリ履歴
「Query History」のタブでは実行されたクエリの履歴を見ることができます。
クエリIDを選択することでクエリの実行計画を見られます。こちらは2024年10月頃に追加されたクエリプロファイラーという機能で、各コンポーネントをクリックすることでステップごとの詳細を確認できます。クエリプロファイラーの詳細については弊社別メンバーが検証記事を投稿予定のため、この記事では割愛させていただきます。
こちらも従来のクエリ監視で見ることができますが、拡張クエリ監視(クエリプロファイラー)と比べると得られる情報は少ないです。
この機能には一点問題があり、拡張クエリ監視のクエリIDがクエリエディタで表示されるクエリIDと合っていないように見受けられました。
例として、クエリエディタでSELECT文を実行します。こちらのIDは"3537"でした。
従来のクエリ監視では、クエリIDから該当のクエリを探して詳細を見ることができるのですが…
拡張クエリ監視では一覧にクエリIDが3537のものがなく、代わりにID3535の中に該当のクエリがありました。
また、サイトのURLを変えてID3537のページに直接飛ぼうとしましたが、クエリの詳細は表示されませんでした。
このように、従来のクエリ監視&クエリエディタで確認できるクエリIDと、拡張クエリ監視で確認できるクエリIDはずれているようです。仕様なのかバグなのか、今のところ公式発表がなさそうなため、クエリ履歴を運用で扱っている方は利用する際は注意が必要です。
③ユーザー
こちらは拡張クエリ監視にしかない表で、ユーザーごとのクエリ実行状況を確認できます。ユーザーを使い分けた場合の監視がしやすくなったのではないでしょうか。
④パフォーマンスメトリクス
こちらは各種メトリクスの表を見られるタブで、従来のクエリ監視の"データベースパフォーマンス"、"ワークロードの同時実行"にあった表がひとまとめにされています。こちらはドリルダウンなどの追加機能はなさそうでした。
①で紹介したデータウェアハウスのパフォーマンスと連動していて、①で設定した表示期間などはこのタブのグラフにも反映されます。
また、デフォルトでは6個のグラフすべてが表示されていますが、検索欄にメトリクス名を入力することで特定のグラフだけを表示できます。
まとめ
従来のクエリ監視に比べて便利になった部分もありますが、クエリIDの不整合や荒削りなUIなど、まだまだ改良の余地があるように感じました。従来のクエリ監視が使えるうちは、やりたいことに応じて両者を使い分けられるとよいのではないかと思います。
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