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令和7年度(2025年度)大阪大学工学部編入体験記

Last updated at Posted at 2024-08-29

目次

1.初めに
2.自己紹介
3.勉強内容
4.本番
5.最後に

1.初めに

2024年8月17日、18日に実施された大阪大学工学部-電子情報工学科-電気電子工学科目合格をいただいたので体験記を書きます。皆様の役に少しでも立てれば光栄です。

2.自己紹介

  • 出身: I高専情報科
  • 席次: 1年 2位、 2年 3位、 3年 2位、4年 3位
  • 併願校: I高専専攻科(合格)、東京農工大(不合格)、大阪大学基礎工学部(不合格)
  • TOEIC: 730(Listening:410 Reading:320)

3.勉強内容

英語(TOEIC)

 自分は英語の試験を意地でも受けたくなかったので(農工大は仕方ない…)TOEICを割と頑張りました。自分の学校では2月くらいに毎年TOEICを受けなければいけなく3年時は435でした。TOEICの勉強自体は12月から始め一日5時間くらい勉強していました。12月にあった公開テストでは605点、2月くらいに団体で公開テストでは730でした。正直、阪大基礎工学部でこの点数は低い方だと思います。阪大工学部では平均くらいだと思います。800点くらい取ってやっとアドバンテージだと思います(あくまで推測)。TOEICに関してはほかの方々の解説が詳しくわかりすいと思うので簡単に述べておきます。

 勉強内容としてはまずは単語です。単語を覚えていなければ本当に点数が取れません。一日に1~1.5時間くらい単語を暗記、復習していました(これまじで)。あとは本文とかに出てきた熟語をメモってわからなかった単語帳を作ってそれも復習していました。
 リスニングに関しては仲良くして頂いていた英語の先生からTOEICのリスニングが500問入っている教材を借りて100問(一回分)を解いては復習を繰り返していました。解くだけでは全く勉強になっていないので間違えたとこをその英文が聞こえるまで何度も繰り返し聞いてを繰り返していました。正直リスニングは毎日聞いて英語に慣れることが重要です。それさえすれば400は全然超えると思います。
 問題はリーディングです。TOEICのリーディングは本当に訓練が必要だと今でも思います。練習では400くらい取れるのに本番では割とパニクって解けないということがあるので気をつけてください。こちらも問題を解いて自分が解けなかったところを解き直しをしてなぜ解けなかった?どこのポイントを見れば解けるようになるのか?というのを自分なりに解釈し噛み砕いて理解しながら勉強をしていました。教材は以下の通りです。

  • 金フレ(単語はこれで十分)
  • 1駅1題文法特急
  • TOEICテスト 新形式精選模試リスニング 100×5
  • 公式TOEIC問題集1
  • 公式TOEIC問題集9
    以上5つです。TOEICの累計勉強時間は約110時間でした。

また農工大に少しだけ述べておきます。自分はライティングと単語、長文対策を本当にお気持ち程度していました(本命ではなかったため)。今年は長文3題でした。1、2問目はちょっと難しいくらいの問題でした。全然読めました。問題は3問目です。力学的エネルギー保存則を英語で記述されたものに穴あきがそれを英語で埋めるみたいな感じでした。
わからなかったです☺️

物理

物理は基礎工学部も受けたので電磁気、力学、熱力学の3分野を勉強しました。物理は2月の定期テストが終わってから取り掛かりましたが間に合います(ギリギリ)。

電磁気

電磁気は全ての受験校で必要だったので一番力を入れて勉強しました。電磁気は3月の春休みから手をつけました。電磁気学演習(黄色の本)とマセマの電磁気を使用しました。最初はマセマを一周して電磁気の概要を頭に叩き込みそこから電磁気学演習で演習していきました。正直この本の1周目は鬼きついです。もう心が折れそうになる。なのでガラスのハートの方はマセマの演習の本から手をつけると心が折れずに済むと思います。電磁気はほとんどの学校では記述式です。なので無限に広がる導体、無限遠の円筒、円柱の電場、磁場などを自分で導出できるように勉強しなければいけないと思います。また自分の代ではマクスウェルの方程式を書かせる問題などは出題されませんが大学では必ず勉強していると思うので押さえておくと良いと思います。ニッチすぎる問題や難しすぎる問題は解けても極少数の人たちだと思うのでわからなかったらこういう問題もあるよなくらいでスルーすれば良いと思います。ただ電磁気の黄色の本は電磁波や磁性体、抵抗の部分以外は完璧にした方が心に余裕が生まれると思います。農工大の電磁気は簡単ですが面白いので受験しない方でも2、3年分は解くべきだと感じています。大阪大学基礎工学部の物理は直近6年くらいは解きやすいのですがもっと前の過去問は鬼むずです。教材は以下の通りです。

  • マセマの電磁気
  • 電磁気学演習(黄色の本4周?くらい?めっちゃした)

力学

力学も割と頑張ったと思います。これは参考書とか特になく大学生の初等力学のみです。これで十分です。自分は力学に対して全然知識がなかったので1周目は絶望しながら行っていました。2、3と反復を繰り返すと身につきます。諦めないで!!教材は以下の通りです。

  • 大学生の初等力学(ちょうど3周)

熱力学

熱力学はわかると楽しいです。これはマセマの熱力学を2周したあと基礎物理学演習Ⅰで演習しました。マセマの1周目は本当に何言っているかわからなく理解に苦しみました。ですが一周してなんとく知識を得たあともう一周すると全てがつながり脳汁が出ます。マセマはマクスウェルの速度分布則より前までを勉強すれば十分です。(基礎工学部の場合は熱力学的関係式やエントロピーも勉強しなくて大丈夫だと思います。過去問で見たことありません。)教材は以下の通りです。

  • マセマの熱力学
  • 基礎物理学演習Ⅰ(熱力のみを3周程度)

物理全体で約380時間くらい勉強していました。途中でわからなすぎて物理ばっか勉強していた時期がありました。

数学

数学は冗談抜きで1000時間くらい勉強したと思います。勉強した分野としては

  • 微積(微分方程式も含む)
  • 確立・統計
  • 応用数学
  • 代数

ただひたすら問題を解いて解けなかったら復習、たまに参考書で定義に振り返りを繰り返していました。自分の勉強方法は本番では全て記述式なので本番を意識して問題を解くようにしていました。元から字が綺麗な人は大丈夫なのですが自分みたいに汚い人は特に綺麗に答案を完成させるようにするべきです。丸つけを行う採点者は汚ければそれ以降読む気が失せて採点をしてくれなくなるなんてことはよく聞きます。ですから常に本番を意識して答案を解くこと良いと思います。特に、確率統計の信頼区間、検定などですごく実感すると思います。数学自体は2月ごろから本格的に勉強し始めて、5月はじめから過去問演習に取り組み始めました(多分遅いです)。以下に詳しく勉強した内容を記述します。(追記:問題はただ解くのではなく自分がどのような問題を解けてどのような問題が解けないのか分析しながら問題を解いていくべきです。間違えた問題ではなぜ間違えたのかその問題を特にはどのような理解しなければいけないのかしっかり自分なりに噛み砕いて本質を理解していきながら勉強しなければいけません。間違えた問題の解放を覚えても類似した問題は解くことができないのでそこには時間を惜しみなくかけるべきだと思います。)

微積

 微積自体は4年時の夏休みに軽く復習をしていたので基本的なことは知っていました。なので問題演習から取り組みました。最初は編入数学徹底研究の第1章から始めました。1周目はやはりつまづきます。ですが詳しく解説してくれるYouTubeもあるので参考にすると良いと思います。1周目は理解に努めました。(すごく時間がかかったけど)なので2、3周目で1周目で解けなかった問題もすらすら解けるようになりました。3周目が終わると編入数学過去問特訓でさらに演習を積んでいきました。基礎工学部の数学は本当に難しいので演習量も大事です。微分方程式も演習量を積めば慣れていくと思います。微分方程式は本当に慣れです。特殊な微分方程式(ベルヌーイ、クレローや完全微分方程式)はヨビノリにものっていますのでぜひ参考にしてください。

確立・統計

 基礎工学部は高校の確立みたいな問題や大学での条件付き確率(ベイズ)が出題され、工学部はさらに統計学も出るのですごく範囲が広いと思います。高校の範囲の確立は「確立が本当によくわかる本」という教材で勉強しました。この教材はすごくわかりやすくかつ面白いです。ですが条件付き確率は紹介されていないので別の教材で勉強する必要があります。条件付き確立や統計学を学ぶなら高専でお馴染みの新確率統計という教材がおすすめです。ほとんどが網羅されているのでこれで大丈夫だと思います。ですがやや解説が不親切で模範解答が答えのみなのでその点を除けば素晴らしいです。自分も理解につまづいたことが多々あったのですがその時はネットで調べたりYouTubeで調べたりすると「ヨビノリ」やほかのYouTuberの方が解説してくれてる場合があるのでぜひ検索してみてください。またマセマの確立・統計学もすごくわかりやすいらしいです。(追記:大阪大学基礎工学部のみであれば条件付き確立を含む確立のみの勉強で大丈夫だと思います。工学部を受ける予定の方は必ず統計を勉強しましょう。近年の工学部はゴリゴリ計算させる問題が多いですが検定などの論述の仕方も書けるようになっておくべきです。)

応用数学

 応用数学は2024/7/11,12に実施された基礎工学部に落ちたあとから1ヶ月くらい勉強し始めました。ですが以前から数学を勉強していてベースがあったのでなんかスッと入ってきました。工学部では複素解析ベクトル解析が頻出でラプラス解析の出題されたことが一回あるくらいです。
 複素解析は学校で使っていた新応用数学で勉強していました。これもすごくわかりやすく網羅されていると思います。この参考書で勉強したあと編入数学徹底研究で演習量を積み、その後過去問特訓でさらに演習量を積みました。勉強していたら共感できると思いますが留数定理が気持ち良すぎます。これ本当に。
 ベクトル解析は全然難しくなく本当に公式の意味を理解し使い方を覚えて計算するだけです。何も難しくないです。
 ラプラス解析、フーリエ解析はお気持ち程度の勉強をしました。時間がなかったので「出ませんように」とお祈りしました。
 結論、応用数学はそんな難しくありません。しっかり公式の意味を理解し自分で公式を導出できるようにして計算できるようにすれば問題ないと思います。工学部は公式を導出させる問題がたまに出るので公式を導出する練習をすべきだと思います。

代数

 代数も予備知識があったため線形空間や線形写像以外はすんなり理解できました。最初はマセマの線形代数で知識を詰め込みすぐに演習に取り組みました。やはりこれも編入数学徹底研究から代数の章を全て行い3周ぐらい行いました。行列式や対角化はそんな難しくないのですが線形写像は学校で扱わなかったので理解に苦しみました。こればっかしは慣れだと思います。こちらもYouTubeで解説されているので参考にすると良いと思います。(追記:行基本変形は本当に大事です。行列の場合と行列式の場合は全然違うのでしっかり勉強してください)

教材は以下の通りです。

参考書

  • 新基礎数学
  • 新微分積分Ⅰ
  • 新微分積分Ⅱ
  • 新線形代数
  • マセマの線形代数
  • 新応用数学(おすすめ)
  • 新確率統計(おすすめ)

問題集

  • 編集数学徹底研究(3周)
  • 編集数学過去問特訓(3周)
  • 大学編入のための数学問題集(応用数学のみ 2~3周)
  • 確立が本当によくわかる本(2周)
  • 新応用数学の問題集(1周)
  • 新確率統計の問題集(2周)

専門

 専門は口頭試問で計算機基礎(コンピュータアーキテクチャ)の対策、筆記でディジタル回路、情報理論、プログラミング(アルゴリズム)を軽く勉強しました。ほかの分野に比べると本当に勉強していないと思います。過去問演習をしてわからなかったら授業の時にとったノートを参考書にしたりネットで調べたりしました。自分はこれで乗り越えました。

 編入の勉強は毎日多めの教科に触れることだと思います。自分は1つの教科や分野を2.5~3時間くらい勉強したり飽きたらほかの分野を勉強していました。
例えば、力学:2.5時間 → 微積:3時間 → 代数3時間 → 確立1.5時間
これで10時間くらいあっという間に過ぎていきます。何度も心折れたり病んだりしますがあきらずに頑張ってみてください。「苦労は一瞬!!後悔は一生!!」

4.本番

VS 専攻科

 専攻科は落ちるわけがないと思って受験に挑みました。今回は全体的に簡単で満点に近い点数を取れたと思っています。1週間後の合格発表で無事合格をいただけました。

VS 農工大

 農工大も正直落ちるわけないと思っていたのですが1日目の数学でミスが発覚しすごくテンションがガタ落ちして、力学がなんかすごく難しく内容としては動く台の上に台があり慣性力を考慮しなければいけなく初等力学に載っていた問題の難しい版でした。英語は前述したので割愛します。農工大は過去問を公式Webページに載っているので参照してください。2日目は口頭試問と面接でした。詳しい内容は控えておきますが2つ聞かれました。1つ目は研究について2つ目はプログラミングについて聞かれました。手応えは大失敗でした☺️結果は案の定落ちてました。自分の志望した知能情報システム工学科では60人くらいいて数理情報工学コースは30強くらいいたと思います。それで一般合格は6人?7人くらいでした。倍率4~5倍…。もう意味がわかりませんでした。例年2~3倍とかなのに。

VS 大阪大学 基礎工学部

 ショックからか本当に内容覚えていません。申し訳ないです。1日目は数学と物理でした。数学は例年通りで大門1は微積であまり解いたことのないような積分、大門2は線形代数で対角化ではなくn正方行列の行列式、大門3は確率でした。確率の内容だけ本当に忘れました。全体的には8割取れていたと思います。物理は力学と電磁気を解きました。最初電磁気を解いていてわからなくなり急に熱力学に進路変更しこれもわからなく頭真っ白でした。物理は力学が簡単な回でした。2日目は口頭試問と面接でした。口頭試問も例年通りで1つ目はアルゴリズムで挿入ソート?選択ソート?を聞かれました。また2つ目はディジタル回路の完備集合についてとあと2つは忘れました。完備集合についてど忘れし完答できませんでした。面接内容は志望動機、研究について軽く、第一志望は?というあっさりした内容でした。なんで落ちたかはわかりません。多分どっかで事故っていたんだと思います(涙)

VS 大阪大学 工学部

 落ちたら専攻科という崖っぷちで受験したので心臓がバクバクであまり寝られないまま受験しました。一日目は数学と専門でした。数学は例年通りで大門1は線形代数で文字を含んだ三次式を行列に変換し、その固有値を求め最後に三次式を楕円の指揮するときの必要十分条件を求めろという問題でした。終わった直後は10割行けたと思っていたのですがよくよく考えると違っていて7割くらいだと思います。大門2は今まで一番簡単な微分方程式でした。めっちゃ簡単でした。10割です。大門3は複素解析でした。これが多分今回の回で一番難しかったと思います。ごちゃごちゃした数式から極を求めてローラン展開を求めて最後に積分を解かせる問題でした。めちゃくちゃ書いたから5割あってほしい。(希望)大門4は確立でした。めちゃくちゃ簡単な条件付き確率と計算が面倒くさすぎる普遍分散や標本分散を求める問題でした。ですが最後の2問がすごく計算がめんどくさそうだったのでそれは飛ばしほかの問題に時間を割きました。8割あると思います。全体的に7割弱くらい取れたと思います。
 次に専門です。自分はコンピュータ工学と電磁気をとりました。コンピュータ工学は今年も簡単でディジタル回路はすごく簡単でアルゴリズムも01ナップザック問題が出ました。コードに穴が空いていてそこを埋める問題が少し時間がかかりましたが無事に解けました一つわからなかったので低く見積もって8割くらいだと思います。電磁気は簡単になっていたと思います。電場は無限遠の円筒とそれに誘電体を詰めたバージョンの問題。磁場は円電流について中心軸上に発生する磁場でした。ですが磁場について基本座標軸がz、r、θでベクトル表さなければいけなくそれができませんでした。またjかんが足りなく電磁気は全体で6割くらいだと思います。

今回の問題は全体的に簡単になっていたと思います。

5.最後に

 編入の勉強は塾もなければ仲間もいない場合もあります。本当に自分との戦いだと思います。自分は勉強が好きで特に数学が好きでしたがそれでも少し病みました。それでも踏ん張って毎日9~10時間勉強をしてきました。受験間近は11~12時間とか‥。基礎工学部におちてショックでしたが諦めずに頑張ってよかったです。なるべく毎日多くの科目に満足するまで触れてわからなかったら先生に聞きましょう。動機は不純で大丈夫だと思います。いきたい!!という動機だけで大丈夫です!!また勉強する前に志望校の科目をしっかり調べてなんの勉強をすれば良いかまたその過去問を早めに取り寄せ1回は解くべきだと思います。編入は情報戦です。頑張ってください。また、不明な点わからない数学の問題があれば聞いて結構です😀

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