1. はじめに
この記事は、Google Workspace の管理者向け認定資格である「Associate Google Workspace Administrator」を受験した体験をまとめたものです。これから受験を考えている方や、Google Workspaceの管理について体系的に学びたいと考えている方向けに、試験の概要や学習方法を共有するものになります。(あくまで個人の体験に基づく参考情報としてお読みください)
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筆者のバックグラウンド:
- G Suite時代からGoogle Workspaceを主にユーザーとして利用。
- 管理者経験はほとんどなく、主にChat、Meet、カレンダー、Gmailを利用した程度。サブでDrive、スプレッドシートも使用し、簡単なAppScriptの作成経験あり。
- 受験結果: 無事、合格しました。
2. Associate Google Workspace Administrator 認定資格とは
公式の説明によると、この資格はGoogle Workspace環境の日常的な管理を担当し、チームメンバーが安全かつ効果的に共同作業やコミュニケーションを行えるように支援する能力を証明するものです。 具体的には、ユーザーアカウントの管理、コアサービスの設定、セキュリティとコンプライアンスの確保、トラブルシューティングなどのスキルが問われます。
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どのような人におすすめか:
- 企業のIT管理者、情報システム担当者
- Google Workspaceの導入や運用に携わる方
- G Suite時代からのユーザーで、管理機能を体系的に学びたい方
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なぜこの資格を取得しようと思ったか:
- 業務でGoogle Workspaceの管理に触れる機会が増え、知識を体系的に整理したかったため。
- 過去にユーザーとして慣れ親しんだツールの管理者側の機能を深く理解し、スキルアップに繋げたいと考えたから。
3. 学習方法
3.1. 学習期間と勉強時間
- 総学習期間: 約1週間
- 1日あたりの平均勉強時間: 平日1時間、休日2〜3時間程度
3.2. 具体的な学習の進め方
管理者としての実務経験が少なかったため、管理コンソールでどのような設定が可能かを重点的に学習しました。
- 公式試験ガイドの確認: まずは公式の試験ガイドに目を通し、出題範囲の全体像を把握しました。
- 模擬問題演習: 公式サイトで提供されている模擬試験を受けました。 ここで大まかな出題内容やイメージを持つことと、本番の試験は模擬試験に類似した問題が多く出題される傾向があるので、間違えた問題はきちんと抑えておくことが重要です。
- 公式ドキュメント・ヘルプの読み込み: 模擬試験で間違えた箇所や、理解が曖昧だった機能について、Google Workspaceの管理者ヘルプを読み込みました。特に、後述する重要サービスについては重点的に確認しました。
- 公式学習プログラム: 公式で学習プログラムが用意されているので、以下にある管理コンソールの実践と合わせてやると非常にイメージが付きやすいと思います。
- 管理コンソールの実践: 実際に管理コンソールを操作し、ドキュメントで学んだ設定がどこにあるのか、どのような影響があるのかを確認しました。
4. 試験当日
4.1. 試験形式
- 問題数と試験時間: 50〜60問の多肢選択(複数選択あり)で、試験時間は2時間です。(私が受験した際は問題数については少なめで、1時間かからずに回答が終わりました!)
- 受験方法: 全国のテストセンターでの受験か、オンラインでのリモート受験が選択可能です。(テストセンターをお勧めします...)
5. 試験の難易度と所感
- 全体的な難易度: Google Workspaceの管理コンソールをある程度触ったことがある人であれば、それほど高くはないと感じました。ただし、シナリオ形式で具体的な対応を問われる問題が多いため、丸暗記ではなく「なぜこの設定が必要か」を理解しておくことが重要です。
- 時間配分: 時間には比較的余裕があり、見直しをする時間も十分にありました。
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特に重要だと感じた問題の傾向:
- 論理的思考力: たとえ知らない機能に関する問題でも、問題文や選択肢をよく読めば、論理的におかしい選択肢を排除して正解を導き出せるものが少なくありませんでした。
- 具体的な設定場所の理解: 「〇〇を実現するには、管理ダッシュボードのどの項目で設定するか」といった、具体的な操作知識を問う問題も見られました。
- ユースケースの理解: 新入社員のオンボーディング、退職者のデータ保全、外部との安全なファイル共有など、特定のシナリオでどの機能を使うべきかを問う問題が印象的でした。
6. 【重要】試験に出る可能性の高いGoogle Workspaceサービスおよび機能
今回の受験で特に重要だと感じたサービスや機能は以下の通りです。
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グループの種類と管理方法:
- 組織部門(OU): 部門ごとにサービスへのアクセスや設定を制御するために必須の知識です。
- Google グループ: メーリングリストとしての使い方だけでなく、アクセス権の管理や共同トレイとしての活用法も問われます。 ビジネス向けと一般向けの違いも理解しておくと良いでしょう。
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コンプライアンスとデータ保護:
- Google Vault: 訴訟や監査に備え、メールやファイルなどのデータを保持、検索、書き出すためのツールです。 どのようなデータが対象で、どのようなライセンスが必要かを正確に把握しておく必要があります。
- データ損失防止(DLP): クレジットカード番号などの機密情報が組織外に送信されるのを防ぐルールの作成方法が問われます。
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セキュリティ管理:
- 管理コンソール全般: ユーザー管理、アプリ管理、デバイス管理、セキュリティ設定など、管理コンソールで何ができるかを幅広く理解しておくことが求められます。
- 各種制限の方法: 2段階認証の強制、パスワードポリシーの設定、安全性の低いアプリへのアクセス制御など、セキュリティを強化するための各種設定は頻出します。
- レポートと監査ログ: 不審なアクティビティの検知や利用状況の把握のため、レポート機能や監査ログの確認方法を理解しておくことが重要です。
7. まとめと今後の展望
今回の機会で、自分が使用していた際には知らなかった機能を知ることが多くありました!(そんな機能あるなら使いたかったというものあります...)
直近ではGoogle Workspaceを会社で利用していないこともあり、そこまで活用できるポイントは少ないとは思いますが、スプレッドシートでモバイルアプリが作れる?など面白そうなことも知れたので、こういう内容については機会があれば試していきたいと思います。