概要
オープンCAEシンポジウム2021のオープンCAEコンテスト2021に応募したミルククラウン解析の解析結果をコンテストが終了したので、順次公開します。
Smoothed CSF (Continuum Surface Force) モデルの説明
OpenFOAMに実装されているのは、Brackbillらによって提案されたCSFモデルです。
CSFモデルでは、曲率の計算にセルの水の割合$\alpha$の勾配を用います。
一方、Smoothed CSF モデルでは、曲率の算出にスムーズ化した水の割合$\alpha$の勾配を用いることで、Spurious Currents の低減を図ります。
$$ \vec{F_\sigma}=\sigma\tilde{k}\nabla\alpha $$
$$ \tilde{k}=-\nabla\cdot\vec{\tilde{n}} $$
$$ \vec{\tilde{n}}=\frac{\nabla\tilde{\alpha}}{|\nabla\tilde{\alpha|}+\delta} $$
$$ \delta=\frac{10^{-8}}{(\frac{\sum_{N} V_i}{N})^{1/3}} $$
$$ \nabla\tilde{\alpha}=\frac{\sum_{f=1}^{N} \alpha_{c\rightarrow f}}{\sum_{f=1}^{N} S_f} $$
変数 | 単位 | 説明 | 出典 |
---|---|---|---|
$\vec{F_\sigma}$ | N/m | 表面張力 | O. Ubbink, Ph.D Thesis of Imperial College London (1997). |
$\sigma$ | N/m | 表面張力係数 | 同上 |
$\tilde{k}$ | - | 曲率 | 同上 |
$\vec{\tilde{n}}$ | - | 法線ベクトル | 同上 |
$\delta$ | - | ゼロ割防止変数 | 同上 |
$\nabla\tilde{\alpha}$ | - | スムーズ化した水の割合$\alpha$の勾配 | B. Lafaurie et al., J. Comput. Phys. 113, 134–147 (1994). |
$\alpha_{c\rightarrow f}$ | - | セル中心からフェイス中心への水の割合$\alpha$の補間値 | 同上 |
Smoothed CSF モデルの実装
ESI版OpenFOAM-v2106にSmoothed CSF モデルを実装したコードは、githubからダウンロードできます。
(a) githubのページに移動
https://github.com/yanagim/smoothedCSF/tree/release
(b) ページ内の"Code"ボタンを押下
(c) "Download ZIP"を選択
次回は、Smoothed CSF モデルを使用することで、どれくらい Spurious Currents が低減するのか確認します。